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天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 5-2


当社の使命とは (5-2)
したがって、企業は規模の大小、顧客層、市場、商品やサービスなどに関係なく、その企業を必要としている人達や企業などが存在している以上、価値を果たしているといえる。ただ、ここで考えなくてはいけないのは、企業の存在価値と存続とは違うことである。いくら価値を果たしていると思っていても、業績不振で存在が危ぶまれる企業もある。いわゆる企業存続のため資金を稼ぐことができない場合は、必然的に市場から去らなければならない。
 
ここに企業の存在価値だけではなく企業存続するための資金確保も必要となるのである。このことが顕著に現れるのは競合相手が出現した時である。当方がいくら価値を発揮しても、競争相手がそれ以上の価値があれば競争で負けることになり、市場から去らなければならないという現実に突き当たる。自由競争の社会である以上、常に競争相手があり、切磋琢磨して競争企業に打ち勝ち存続を勝ち取らなければならないという現実がある。
 
特に感じるのは、何代も続いた老舗などが時代とともに衰退していく姿である。例えば商店街における小売店などは郊外の大型店などとの競争により顧客が奪われ経営悪化につながることが往々にある。
ある意味、時代が必要としてきた時期に十分に役割を果たし、今日を迎えたことと認識して次の場面に転換させることも必要なのである。必ずしも従来の路線に執着し、未練がましく残らずとも、役割を果たしてきた実績をもって、次の未来の方に向ける勇気が必要なのだろう。この意味でも企業の終焉の方向性を見出すのも立派な経営戦略の一環として認識しなければならないのである。
 
たが、ここで考えなければならないことは、競合相手が出現したからと言って廃業を決断するのではなく、現在までに培ってきた商品、サービス、顧客、立地などを生かした方策を見出す努力なども必要である。
 
当社がこれまで支持されたことは間違いなく顧客にとっても有意義な存在であったことが事実である。したがって自社の特徴や強みを生かし、新たな役割や使命というものを見出すことも必要なのである。
 


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