天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 10-1
成長とは変化すること(10-1)
ある行動や動きをしようとすると、そこには労力や時間を費やすることになり、できるだけやらない、楽をする・・・と思うのは誰でもが考えることである。好きなことであれば、多少の苦労は何とも思わないで積極的に取り組むし。しかし、嫌なことや面倒なことならはできるだけ避けようとするのが人間の性である。
経営者(社長)が会社経営の窮境状態に陥ると、とりあえず今の状態から脱却するため手の届く範囲内での行動に移る。しかし、本来取り組むべき重要案件である「新たな販路開拓」や「新製品開発」、あるいは「組織の見直し」など面倒なことは後回しになる。そのうち、事態が収まると忘れてしまって、何もなかった通常の状態に戻ってしまうのが一般的である。
では、できる社長の行動とは何かというと、まず「動く」ことから始まる。動けば何らかの変化が起きる。「変化する」ことがすべてが良い方向に向かうわけではないが、例え悪い方向に変化したとしても、方向転換しようとする力が働けば良い方向に向かうはずである。
その意味からいえば「変化」は成長の種であり、種(行動のもと)がなければ花(変化)は咲かない。また、種(行動)を数多く蒔けば花(変化)の数も多くなる。
社長の日々の経営には常に意思決定や判断を必要とする状況に遭遇する。経営とは意思決定の連続であるといっても過言ではない。しかも、その時々の意思決定が的確な方向に向かうとは限らない。
でも、その意思決定の経験が多いほど失敗の回数も多くなるが、徐々に決定の精度が高まり良い方向に向かうことは間違いない。
つづく