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天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 10-2

成長とは変化すること(10-2)
 
 企業にあてはめてみれば、社長が変らなければ会社は変わらないし、変化しない会社は衰退する。「変わる」には「動く」(アクション)ことが絶対条件であり、動けば成長する確率も高くなる。
  また、例え動いた結果が失敗しても、動いたことで問題点や課題が明らかになり、次の成功への糧となる。だから動くことが必要なのだ。
 
 「石橋を叩いても渡らない」人がいるが、これらの人たちに共通点がある。私の経験からみると、学歴が高くインテリ的な人たちが多く、まずは頭の中で考えて実行するタイプである。
 過去経験の延長から未来はみえないが、同様に頭で考えて未来をみることはできない。しかし、動くときに全くでたらめで思いつくままに動いているのではなく、一瞬のうちに現時点で考えられる最良の方向性を定めて動いているのが一般的である。
 
 ましてや、今後の方向性を定める経営計画や戦略は、一瞬のうちで決める必要もなく、ある程度時間をかけて将来に向かう具体的な経営目標や経営計画の設定を行い、将来に向かっての道しるべを描くことにある。
 
 そうすることで今後の行動が明確となり、動きやすくなることは間違いない。しかし、描いた時点で最善と思われる策を決定したとしても動いてみて、その通りの結果になることは数少ない。
 
 それでも瞬時に決定することよりも、経営計画のように時間をかけ、じっくりと検討して決めるほうが確実な方向に向かうことは間違いない。 
 なぜか動けない社長の多くは、前述したように慎重でかつ消極的な性格の人に多いのが特徴である。行動心理学によると、「楽しいから動く」とか「やらなければいけないから」・・・と頭で理解して行動するよりも、とりあえず動くという行動を優先することが重要であるといっている。
 
 その意味でいうと、経営における「動く」ことを癖として体にしみこませ、日ごろから当たり前によう積極的に行動する人こそ変化に遭遇する機会が多くなる。
 「成長」のもとは「変化」であり、「変化」のもとは「行動」から生まれるのである。
 


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