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おじさんがおじさんに送るおじさんのためのパソコン教本:タッチタイピングその1

おじさんがおじさんに送るおじさんのためのパソコン教本、その1、タッチタイピングです。

「タッチタイピングってなに」と問われるかもしれませんが、オジサンが若いころは、「ブラインドタッチ」と呼ばれていました。簡単にいえば、キーボードを見ないで、字を打つ技術(スキル)のことです。

そういうスキルが存在することは以前から知っていましたが、筆者が実際に目の当たりにしたのは、大学の卒業論文作成時のこと。卒業論文自体は日本語でよかったのですが、そのレジュメを外国語でタイピングして提出しなければならなかったのです。

当時、そんなスキルおよびタイプライターを持っている生徒はごく少数。そこで、その他大勢の生徒はどうしたかというと、大挙して、そのスキルを保有する生徒の部屋へ押しかけ、缶詰めにし慈悲を乞うたのです。

「なにとぞ、なにとぞ、この原稿のタイピングをお願いします!」

同級生3人といっしょに学校近くのホテルに部屋をとり、直前まで名前も知らずクラスもちがう生徒に、平身低頭して懇願したのでした。

快く引き受けてくれた彼が、目の前でタイプライターをたたくと、あっという間に外国語のレジュメは完成。キーボードも見ずに文字を打ちまくる同級生は、当時の筆者には、まるで神のように見えました。それが筆者のタッチタイピングとのファーストコンタクトです。

しかしその時は、自分がタイピングを覚えようなどとは、まるで考えませんでした。高価なわりに性能が低く使い道のないパソコン、用途が限定されたワープロ、外国語専用のタイプライターしかない昭和の時代です。

またその後、入社した広告代理店でも、文章は手書きが基本で、新聞社の社名入りの原稿用紙を使っていました。しかし、それから数年たち、新聞社にもデジタルの波が押し寄せます。

「原稿はDTP(デスクトップパブリッシング)で作成し、入稿すること」

そう通告され、筆者が勤めていた会社でも、大枚はたいてソフトMacintosh(Mac、マック)及びDTPソフト一式を導入しました。問題は、誰がやるか、です。当時、社員が定着せず、入れ替わりが頻繁にあったし、特殊なスキルなため、募集してもなかなか応募がありません。

そのため、まずは当時現場の責任者だった筆者が覚え、ほかの社員に教えることにしました。そこで、必要となったのが、タッチタイピングのスキルです。

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