どこまでも行けるはず

朝6時代の西武新宿線の下り電車急行が、拝島ライナーの車両であることを知っているか。

ただの急行なのに、いつものゲロ運び列車とは違い、拝島ライナーの車両を下りの奥まで運ぶために。ゆったりシート肘掛もあって。夜勤明け帰宅に向けて。

思えば地上を走る電車には親しみがない。札幌市の中での移動の18年間は、地下鉄に揺られる毎日であった。

人生初の高田馬場は、忘れもしないあの12月11日。泣きながら山手線を降り、西武新宿線のホームに間違えた。東西線で早稲田に向かいたいのに。電車は地下が基本だから、降りたら上に向かえば外に出られる。染み付いてた。

札幌市営地下鉄にも地上を走る部分がある。水曜どうでしょうでおなじみ南平岸 南北線の南の方だ。

札幌にだってJRは通っているから、地上を走る電車の存在は知っていた。北海道の玄関口新千歳空港からは札幌に、快速エアポートが出ている。しかし、大谷地というバスターミナルタウンで過ごした者にとっては、新千歳空港へも帰りもバスが自然だ。

とにかく、電車に乗りながら外の風景が移り動くというのが習慣化したのは東京に出てきてからだ。

新幹線や飛行機は窓が小さい、速度による外圧に耐えるために、窓でない部分の面積を増やしている。拝島ライナーの窓はデカイが、レッドアロー号の窓は小さい。拝島は近く本川越は遠い。

早くなくてもいいから、大きな窓で外の変化と一緒に、どこまで行ってやりたいものだ。

気がついたら、ちゃんと電車降りたら下に向かえるようになった、階段が上に伸びててもちゃんと下に降りられる。地上を走るということは、どこで降りるかを自分の目で決めても良いことなはず。

どこに行く電車に乗ってても、終点の前には降りたい。自分の決めた駅で。

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