忘れていようこのまま

「忘れていたこと。忘れちゃいけないこと。思い出さなきゃいけないこと。これから思い出すこと。」

その書き出しで、インスタのポストを書いたのは一年以上前のことだ。

あのときは今以上に寂しかったと思う。友達なんてできなかったし、東京に来たばかりで色んなことに馴染めていなかった。それだからこそ目の前の 全行審査 札幌帰省に胸を踊らせ それだけを頼りに生活をしていた。

演劇サークルに入る前の話で、大真面目に死にたくて、大真面目に悲しかった。 あの思いを鮮明に思い出すことはできない。

なぜ、思い出すことはもうできないし、思い出す必要もないのか。

僕は去年の夏、1ヶ月半暑い地獄の中、あのとき感じた苦しみも悲しみも全部、あのお芝居にこめた。

だからもういい。

思い出さないためにあのお芝居にして、自分とお別れした。

僕が僕になるために、みんながみんなになるために、あのお芝居と、みんなに向き合った。

思い出さなくてもいいこともある。しかし不意に出会った要因で思い出してしまうことある。

間違いなく僕は全行を見て、高校時代をそして去年を思い出すだろうし、もうあの頃に戻れない現実とも向き合える。

さあ、札幌はすぐそこだから。

全部全部思い出してくるよ。忘れないうちに。

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