引用・所感 〜なんのための仕事?〜

著者:西村佳哲
出版:河出書房新社

デザインコーナーにあったが、就活本のようなタイトル。
自分にこの疑問を問いかけた時の答えと、デザイナーの答えの差異が気になった。響いた引用箇所は、仕事に関わる言葉だけでは無かった。

仕事の価値観なんて、一般論は合っても解答はない。沢山の人が何て言おうと、その人次第。たとえ家族でさえも、それぞれの考えで、それぞれの道を進んでいる。
物心ついた時から、レールを自分で敷き、勝手に進む人はいる。大成する人の話はよく聞くが、比較して悩んでいるなら、そんな話は放っておけばいい。

〜以下、本著の引用と所感〜

P.42 人間の大仕事の一つは世界を感じること。そしてその中で生きている自分に気付くことである。“生きていること“を感じるために生きているといったら言い過ぎだろうか。〜中略〜世界と共感的に生きるために何ができるだろう。僕らはデザインを、そっちの方向で使って見たい。

 ●デザインって、どこかアーティスティックで、何か素敵だと感じさせるモノ・コトのように思えるが、潜在的には、この”生きている”感情をくすぐること、なのだろうか。

P.53、54 身の振り方を決められない、自分が何をしたいのか分からない、
“何を好きなのか、知るための時間をきちんと持つこと“が大切だと僕も思う。
P.55 僕が出会っていった人たちは、漫画家も自主映画の作家も、あるいは音楽活動に没頭していた人たちも、本人が始めない限り何も始まらないことを自分の仕事にしていた。見て来たのは“好き好んで働いている人たち”で、中でも僕が惹かれてきたのは、“自分で考えたことをやる”ことでこの世界に居場所を得ている人たちだった。 

     ●どれだけの人が自分の考えたことで、自分の居場所を作っているのかだろうか。朝の満員電車の中で、半死しているような顔のサラリーマンは少なくともこんな働き方をしていないかと思う。
仕事辞めたい・お金のために働くという想いは、その人の性に合ってないからではないか。みんながそうだから、という画一的な考えで思考停止していると思う。
仕事の価値観なんて人それぞれだから勝手だけど、自分が熱中できることを自分の仕事として、自分で見つける、ってカッコいい。

P.58 ”大切にしたいと考えている”、ことではなくて、実際に”大切にしている“ことは何だろう?思考を介さずに、自然と身体が動くように自分が繰り返していることは?
P.59 長いスパンの中で再現性が高くて、無理がなく、本人には能力として意識しにくいほど自然に作動していて、そうしていると安らぎや満足感を得やすい”はたらき”が、人ぞれぞれ何かあるんじゃないか、と僕は思う。     

●自分のことは自分が分かっている、とは思うものの、無意識に行っている思考や行動は、気づきにくい。
好き/嫌い、面倒/容易、と条件反射で判断することがあるはず。
これこそ、自己分析の一環だ。

P.21 仕事っていうのは興味があることに取り組めて、一緒に働いて見たい人と経験を共有出来て、上手くいけばお金ももらえる。自分のためのプレゼントのようなものだと思う

●これは素敵。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?