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ブックレビュー『天幕のジャードゥーガル』トマトスープ(秋田書店ボニータコミックス)

「このマンガがすごい!2023」のオンナ編、第1位!
発売当初から売れ行き好調で、さらに今回の受賞です。これは売り伸ばしていかねばと、コミック担当として気合いが入ります。

チンギス・カン、クビライ・カンが活躍するモンゴル帝国の物語を、イラン(ペルシア)から連れてこられた奴隷少女の目線から描いています。
この少女、なんかすごい人物として成り上がっていくようです。歴史上の実在のモデルがいるとのこと。

まだ一巻目なので、まだまだ「触り」程度ですが、歴史モノなのに、歴史モノ臭さは薄く、「そこに生きていた、とある少女の物語」という軸はブレずに進行していくので、歴史に詳しくなくても「復讐、成り上がりストーリー」として感情移入して読めますし(いわゆる「キャラ読み」もぜんぜんOK)、しかしたぶん、読んでるうちに歴史を勉強したくなると思います。

かくいう私、歴史は好きなんですけど、カタカナ覚えられないので日本史に比べて世界史はわりと苦手でして、特にイスラム世界のあたりなんて、ご縁が遠くて正直サッパリなんですが、本書の、13世紀のイラン地域の世界観に、スッと入っていけました。作中の説明が、長すぎず短かすぎず、うまく説明してあるのだと思います。

ちなみに本書冒頭シーンは「1213年」。
私が本書を「売れてるなー」と店で仕事中にパラパラと見てみたとき、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では和田合戦を放送していて、それがちょうど1213年。これで年号を一つ覚えられたかもしれない……と、得した気持ちになりました。

秋田書店、ボニータコミックス。
第2巻は2023年2月に発売予定。
「歴史モノ漫画」の新たな定番作品、爆誕です。

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