向き合うことと、逃げることのあいだ
週刊少年ジャンプをかれこれ15年ほど購読している。表面的には弱いとされるキャラクターを好きになることが多い。それは、並外れて勇気を持つキャラクターであることが多いから。
無意味な仮定だけど、麦わら海賊団の全員の強さをウソップにしたとき、ルフィやサンジ、ゾロは果たしていまの物語と同じセリフを吐けただろうか。そうではないように思う。
どのメンバーも自分のありたい姿に正直なように見える。ただ、ありたい理想の姿と現実の姿とのギャップがもっとも大きいのはきっとウソップなのでは。ギャップの大きさはそのまま、必要な勇気、だとしたら、麦わら海賊団の中でもっとも勇敢なのはウソップということになる。無謀ともいうが。
『嘘をつく』ウソップが、苦しみながら迷いながらとはいえ、自分のありたい姿に対してだけは、『正直』であり続けるというアンバランスさがキャラクターの魅力になっている気がする。
やりたいことを分解し続ければ99%はやりたくないことになる。
友人が言っていた。
ーー「痩せたいけれどダイエットはしたくない」「お金は欲しいけれど仕事は嫌だ」「上の大学に行きたいけど、勉強するのは嫌だ」ーーそんな話は確かに世の中にごまんとある。
やりたいことがないとはよく聞くけれど、そうではなく「『そこまでして』やりたいことはない」というのがおそらく現実に近い。
『やりたいこと、自分の理想を見つけて、そのことに対して正直であり続ける』
正直でいるのが辛くなったら、言い訳して逃げる。本当にやりたいのはこれだ、と自分に嘘をつく。
自分に正直でいることと、嘘をつく、逃げていることは正反対だ。でもその言葉の響きよりも境い目は曖昧だとも思う。
夢破れたり、どうしようもなく別に追いかけなきゃいけないものが見えたりして、昔の決意を手放さなきゃいけなくなるときがあるから。
昔の自分には嘘をついているかもしれないが、今の自分に対しては正直だという見方もできる。どっちが正しいかとかがあるわけじゃない。多分選択の問題だ。
逃げている自分にはなりたくない。逃げる行為があるのも事実だ。
僕はどっちだろう。正直でい続けたつもりだけど逃げているようにも見える。自己評価が現実を上回るのはかっこわるい。これは逃げてるのか、正直なだけかどっちだろうか。株の損切りみたいにわかりやすく決断できればいいんだけど。
ただ、悩み続けている自分からは逃げないでいたいとおもう。悩むだけ無駄だったり辛かったりするけれど、悩んでいることから逃げるのはもっとかっこ悪いとおもうから。
今日は思ったのはそんな感じです。
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