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Z6 についてと、Nikon に作って欲しいカメラ

3 ヶ月くらいで 5000 枚くらい撮ったけど、#Nikon #Z6 は良いカメラだと思う。

駄目なところ

最初に書いておくと、ハードウェア・ソフトウェアに大きな弱点があって、

・シングルスロットかつ、高価な XQD/CF Express カードが要求される。
・AF の選択ポイントが多いのはメリットだが、結果カーソルの移動が多くなるため、狙いたい場所を選択するまでに時間がかかる。
・瞳 AF はオートエリア AF でしか使用できない。よく瞳を見失うため、AF が迷子になりがち。使いものにならない。
・トラッキングが Ver 3.0 で追加されたが、これもオートエリア AF でしか利用できず、セレクタの大きさも大きい。
・SP アプリの SnapBridge が不安定。
・マウントアダプター FTZ がデカい。携帯性が失われている。下に出っぱっている脚がいらない。

AF トラッキングに関しては、一眼レフ機の忖度をしたか、純粋に開発リソースがないのか心配になる性能であり、ミラーレスにおいては SONY に数世代は遅れているように見受けられる。言わずもがな α7III/α7IV 系どころか、APS-C モデルの α6100/6400/6600 にも劣る性能である。

Z50 も Z6 と同じような AF 機能であれば、初心者向けなのは α であることは間違いない。現状、APS-C の小さなレンズ交換式カメラが欲しいと相談されたら「α6400 一択だよ」と言わざるをえない。ちょっとハイアマチュアでも Z50 は欲しい人の方が少ないはずだ。

総じて、AF の機能と性能があと一歩、というところにある。あと、シングルスロットと SP アプリ。
ただし、それ以外の部分では、カメラとしては α シリーズに負けない「魅力」がある。もし Z を買うなら、そこがどれだけ α7 より良いかということを自分自身と相談することだ。あと、サードパーティのレンズもないので、純正レンズがどれだけマッチするかにもよる。


良い所

上記ディスったところ以外、完成度としては非常に高い。デジ一の Nikon の操作性や造りを踏襲しつつ、きちんとミラーレスをしているのは見事。
AF-C は動いているものに反応できているし、静止しているものに対しては今のところ外したことはない。
細かい機能やカスタマイズ性、作りやシャッター音など、全てが優等生になっている。この辺りは満足のみ。やれることは全てきちんとしているのが素晴しい。

写真を撮影しているときの安定感が好き。きちんと体の一部になっている感覚を覚えるのは、本当に操作性が優秀なんだと思う。
グリップしながら前後ダイアルの操作するときも、決して苦ではない。ボディをきちんと握っている、という感覚がずっと続く。
ファインダーはレスポンスもよく、発色含め画質もいい。

軽さは……S-Line のレンズは重いので、ボディのコンパクトさを感じたことはあまりない。重い分、画質を取ったレンズ設計だし、ボディを持ったときのバランスは悪くないから、これはもうしょうがないと割り切るしかない。
24mm か 35mm の軽いレンズが一個欲しいな。タムロンの E マウント向けレンズが羨ましい。

撮れる画

S-Line のレンズがとても良いのだと思う。フルサイズフォーマットで極上の画が撮れるレンズが付けられるのは Z6/Z7 だけ。この撮れる画が気にいったら是非 Z。

レタッチなしか、可能な限り薄く仕上げてます。

ピント面は恐ろしくキレが良い一方で、前方・後方へのボケが非常になだらか。

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木の枝は F1.8 だと少々ボケが煩いときもあるけど、許容範囲かな。月に AF を合わせて手持ちで撮った写真。上を向いて撮ったのにもかかわらずジャスピン・ブレ無し。手ぶれ補正はセンサーサイズが大きいから、中々効き目が薄いか。でも打率は確実に上げてくれる。

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アンダーで撮れば簡単に「作品」ができるという感覚は恐ろしかった。ピント面のキレと徐々にボケていく流れは、ずっと眺めていられるほど見事。

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少々ごちゃつく背景になってしまったが、梅の枝だけが浮いている。キレの良さが実感できる一枚。

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発色も良い。緑も赤系の色も綺麗。こういうのをアンダーで撮るのが非常に上手。

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Z マウントで欲しい未来のカメラ

Sigma fp をぱくっ……もとい、参考にした、超小型のフルサイズ・ミラーレスのスナップシューターが欲しいと思う。

ファインダーはあっても無くてもいい。機能は Z ほどでもなくていいから、交換用レンズと一緒に入れられる、軽くて常に鞄に入っているような携帯性が欲しい。Z50 のボディにフルサイズのセンサーが理想だった。

レンズも、S-Line ではなく補正前提で、それこそ Comtemporary シリーズのような小型・軽量を意識したもので。でも、F2.8 よりは明るいほうがいいな。数値の上で差別化するために F2 とかでもいいから。そして、Nikkor 50mm F/1.8G が 185g なんだから、それくらいコンパクトなものがいい。ミラーレスの時代において、軽くて明るいレンズとボディこそが、Z の目指す一つの未来だと思う。それこそ、システム全体で 600g いかないくらいで、レンズ交換可能な FX フォーマットのスナップシューターがいい。

せっかく、Z シリーズでマウントを変更したので、色々なレンズをリリースして欲しいし、エコシステムをどんどん進化させてって欲しい。今の Z シリーズは Z6/Z7 と S-Line のレンズが凄いだけで、あまり未来が感じられない(と言うか、暗雲立ち籠めている)。

カメラの将来は本当、前途多難だ。今日日は、特に Nikon。だからこそ、Z6 の良いところと悪いところを伝えて、Nikon を選択する人を増やしていきたいと思った。

老後、奥さんと世界一周のための費用にします。