自作キーボードにおけるWin/Macの違い

今回は、Macを使うようになって感じている、WinユーザとMacユーザの自作キーボードに対する感覚の違いに言及したいと思います。

K11Proにおける言語切り替え

Keychron K11ProはMacでも使用する事を想定して購入しました。実際にMacで使う中で、Mac対応といえど、問題点がある事に気がつきました。
Macにおける言語切り替えは主に2通りの方法があります。

  1. 英数・かなのキーを使用する方法

  2. Ctrl+Space

1は、Macの日本語キーボードでは、スペースの両隣に英数・かなが配置されており、親指ですぐに言語が切り替えられます。
2は、キーの組み合わせが必須となります。言語の切り替えは頻繁に行うので、このキーの組み合わせはちょっと面倒に感じます。K11Proは基本的に後者にしか対応していません。というのも、英数・かなのキーは、lang1やlang2のキーコードに対応しますが、VIAではこれらのキーコードが選べません。ではどうするか。解決方法はいくつかあると思います。

①Karabinerを使う
WinキーボードをMacで使用する場合の常套手段がソフトウェアでキーボードの挙動を変えてしまう方法です。これはこれで良いと思うのですが、せっかくキーのカスタマイズができるキーボードだからキー設定だけで解決したいところです。
②Ctrl+Spaceを登録してしまう
これはVIAなどを使った方法としては妥当だと思います。最終的にこの方法に落ち着いております。
③OSの設定で対応する
例えば、OSの機能である、CapsLockでの言語切り替えを有効化するなどの方法です。長押しで大文字モードにもできるというので便利そうなのですが、長押しの待機が入るためか、たまに言語切り替えがうまくいかない印象でした。

自作キーボードにおけるMac優位の現状

さて、Macの設定と格闘していて気がついたのは、自作キーボード界隈はかなりMacユーザを想定しているということです。Keyball61を使い始めた時、Lang1とLang2がデフォルトで設定されていたのにかなり違和感を覚えました。Winユーザだと、言語切り替えって半角全角キーのみで済ませる事が多く、わざわざ2キー使うの無駄では、と感じていました。しかし、自作キーボードではLang1/2を強いられる事もあり、例えばVialでは半角全角キーを設定できなかったりします。
他にも、MacはOSの言語を日本語にしていても接続したキーボードは基本的にUS配列として認識しようとします。そして、US配列でもLang1/2で入力言語切り替えができます。一方、WinではまずJIS配列キーボードとして認識しようとする点があり、またUS配列キーボードとした場合もAlt+'を使っての言語切り替えが必要となります。私はこれが嫌で、KeyballをJISキーボードとして認識させていました。そうすると、US配列用のキーキャップとSiftを押した時の挙動が変わるので、Layerの一つを擬似Shift Layerにして、Shiftキーを押した時に有効化されるキーをキーキャップに合わせていました。(2の裏を"じゃなくて@にする、など)
つまり、OSにUSとして認識させるかJISとして認識させるか、挙動をUSっぽくするかJISっぽくするかで、2×2の4通りの選択肢があり、WinはJIS認識の上でJISとして使うのが一番楽で、MacはUS認識の上でUSとして使うのが楽です。前者は、一見良さそうなのですが、半角全角キーが使えなかったり、キーボードのハード設計としてJISっぽい配置を想定しているものが少ないなどの問題があります。一方、Macの方は素直にキーボードの設計に合致した運用ができます。以上から、自作キーボードはMacユーザを基本として考えているという実情が見えてきました。まぁ、WinユーザもUS配列で認識させてAlt+'を半角全角の代わりに配置すれば良いのだと思いますけど、これはこれで市販のJISキーボードとかに繋ぎ変えた時に若干面倒です。JISキーボードとして認識させた上でどうするか、とか半角全角キーについての情報って調べてもめちゃくちゃ少ないので、WinでJIS運用で自作キーボードをやっている層ってかなり少ないのかなと思います。

最後に

今回はWinからMacに移行して初めて分かってきた自作キーボード界隈の考え方についてまとめてみました。他にもOptとAltとCtrlについてとか、いくらでも語る事はあるのですが、一旦ここまでとします。
この記事はKeychron11Proで書きました。

追記

この記事は多くの人に高評価をいただいておりますので、情報を更新いたします。
Keychron K11Proですが、VIAだけでなく、Remapも使用することができます。最初はRemapの旧バージョンサイトで試してだめだったので出来ないものだと思っていたのですが、最新のRemapで、K11 Proのキー配置jsonを読み込ませれば問題なく使えました。

K11ProのRemap画面

画像にもあるように、Remapを使用することで英数/かなが配置できました。

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