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うつが教えてくれたこと1

noteの更新を再開させていただきます。
ここまで,うつのサイン,うつの対処法についてお届けして参りました。
本日から,「うつが教えてくれたこと」と題し,私が罹患した後に気が付いた事,発見した事を綴らせていただきます。

休む事は誰もが行使できる権利

仕事を休むと,他の誰かに迷惑が掛かるから休めない。そんな風に考えた経験はありませんか。
自分が担当している業務の真っ只中,休む事に後ろめたさを覚えてしまった結果,私は倒れました。
何故このような思い込みが芽生えてしまったのか,少しずつ振り返ります。

身体に明らかな影響が出ているのに,何故出勤しなければいけないと考えたのか。それは,「自分の授業がある日に休むなどあってはならない」という風潮から来るものでした。
それを強く感じたのは,前任校での離退任式に出席すべく,平日の午前に休暇を申請した際の管理職とのやり取りです。

管「たかしをさん,この日は授業無いの?」
私『はい。この日は〇〇先生にお願いしてあります。』
管「オッケー。」

恐らくこのやり取りに違和感を覚えた方もいらっしゃると思います。
本来,有給休暇の申請に理由は必要無いからです。

しかしこのやり取りにあるように,管理職レベルでも「平日に休暇申請をしているけど,授業をやらないって事?」と無意識に刷り込まれているのです。

確かに,授業が最大の業務と言っても過言では無い教員が,頻繁に授業をせず休暇を取るのはおかしいと思うかもしれません。
しかし,その感覚自体が既におかしいのです。自分達の幼少期から,「学校には毎日通って授業を受けるもの」と刷り込まれてしまっているだけなのです。

この感覚に追い打ちをかけるのが,皆勤賞を讃える風習です。
体調不良,家庭の事情,リフレッシュのためなど,理由を問われず行使出来るのが有給休暇のはずです。
しかし,学校を一日たりとも休まず,卒業まで貫いた生徒は表彰の対象とする風習が,就職後も休まず出勤する事が偉いという思い込みに直結しているのです。

そんな中で誰もが育つのが当たり前になってしまった結果,生徒は毎日授業を受けているのに教員が好きなように休むとは何事か,という感覚を芽生えさせる事となり,教員が平日に休暇を取る事に後ろめたさを覚える状況が作り上げられてしまったのです。

その結果何が起こるか。年度中に有給休暇を取り切れなくなるのです。
ご存知ですか?教員は有給休暇の繰越制度があり,最大で年間40日まで有給休暇が取れるようになっているのです。それでも,その40日を消化しきれない教員が大勢いるのです。

市役所に勤めている友人に聞くと,年度末に休暇が余っている職員は消化を急かされ,仕事を調整するのが慣例だそうです。次年度繰り越しなど有り得ないと。

民間企業に置き換えたらどうでしょうか?
現代社会では,休暇を申請する際に上司から理由を問われ,休暇が年度内に消化し切れないなど,ブラック企業の目印にしかならないでしょう。
しかしそんな前時代的な風習が残っているのが,学校という場所なのです。

私は療養休暇に入るきっかけになった日,管理職から「休みなさい」と言われた時でさえも,『自分の授業と仕事が誰かの負担になってしまう』と考え,号泣してしまいました。
そんな風に罪悪感を覚える程,休んではいけないと思い込んでしまっていたのです。

あなたは,私と同じように感じてしまっていませんか。その感覚は,既に危険水域です。
あなたが休んでも仕事が回るようにしておくのが,組織としてあるべき姿です。
今すぐ業務を整理し,休暇を申請してください。休む事は何も悪い事ではありません。むしろ,休めない環境になってしまっている事が悪いのです。
身体と心は,壊れてからの修復に時間が掛かります。

お立ち寄りくださいまして,誠にありがとうございます。 皆さんが私に価値を見出してくださったら,それはとても素敵な事。 出会いを大切に。いつでもお気軽にお越しください。