配信中の裏で

毎週月曜夜9時15分からGHOST-STREAMINGというヘヴィメタルについて話している。

最初は何かネタを仕入れなければと頭を悩ませていたのだが、最近はラフな気持ちでやらせてもらっている。

自分が楽しくないと見ている人も楽しくない。

それは人前で演奏するのも同じである。

しかしトラブルもないわけではない。

一度配信中に父親が家に入ってきたことがある。

今ならなんなりと対応できるし、父親を出演させるのも面白いと思える。

だが、配信を始めたころだったので必死で大声でしゃべり続けて「入ってくるなー！！」を無言のサインを送ったことがある。

あとはシンプルにお腹が痛くなったこと。

晩御飯の内容があまりよろしくなかったのか配信中に猛烈に腹痛に襲われた。

今なら平気でトイレに行ってきますと言えるが、当時は「せっかく俺の配信を見てくれているのに途中退席なんてありえない！」と耐えていた。

しかし生放送中に粗相をしてしまう可能性が出るぐらい痛くなり、風呂の様子を見てきますとか嘘をついてトイレに猛ダッシュした。

『風呂の様子』とか意味の分からない言い訳が出るぐらい限界だったのである。

配信開始がたまに数分遅れるのは、配信前に必ず用を足す習慣がついたから。

だがこんなのはまだ良い。

もし粗相をしても臭いまでは配信には流れない。

その日は意気揚々とメタルの話をして滞りなく進行していた。

コメントも多かったのでそれに答えていたら机に置いている右手がなぜかこそばゆい。

チラっと見てみると『G』の触覚が指先に触れていた。

しかもかなりデカイ。

このままやり過ごそうかと思ったがもしもヤツが飛翔して顔についたり、配信カメラに写ってしまったらさすがにヤバイ！

「カナブンが入ってきたのでいったん切ります！」と言って無理やり配信カメラを切り、奴の駆除をした。

ゴキジェットプロの臭いが充満したままの配信はけっこう辛かった。

傍から見たら簡単な配信。

しかしモニターの奥にいる人間はけっこう大変な目にあっていたりする。

だから皆さん配信者には優しくしてあげてね。

みんな見えないところで苦労しているもんです。