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DCD児に対するTask-specific matched training vs Wii-based motor trainingはどちらが介入効果が高い??

DCD児に対するTask-specific matched training vs Wii-based motor trainingはどちらが介入効果が高い??

なかなかすごいタイトルの論文を見つけたので読みました。

Is Wii-based motor training better than task-specific matched training for children with developmental coordination disorder? A randomized controlled trial
Jorge Lopes Cavalcante Netro , Bert Steenbergen , Peter Wilson , Antonio Roberto Zamunér &Eloisa Tudella. Pages 2611-2620 | Received 19 Aug 2018, Accepted 18 Dec 2018, Published online: 22 Feb 2019

7~10歳のDCD児32名を対象に、ランダム化比較試験(RCT)を実施しました。Task-specific matched training(TST群)とWii-based motor training(Wii群)に無作為に割り付けられ、いずれの介入も8週間にわたり、60分間のセッションを16回実施されました。

運動スキルのパラメータは、
Movement Assessment Battery for Children-2(MABC-2)が用いられました。

Wii tasksは、ゲーム内の卓球、フリスビー、アーチェリー、ボーリング、綱渡り、コロコロ玉入れです(Wii fit とWii Sports Resortの内容かな)。
しかも、Nintendo VR Wiiを利用しています。普通のでよくない??と思いつつ、読み進めます。
TST tasksは、上記の内容を実際のおもちゃとかで実施します。なんとも斬新…。

結果とまとめ
両群ともに介入前後でMABC-2のtotal scoreとバランスの項目が有意に改善しました。Wii群はTST群と比較し、手先の巧緻性でより改善を示しました。
まぁp値だけで解釈するのではなく、この論文では効果量(d)の大きさからも判断しており、TST群の方がMABC-2のtotal scoreとバランスの項目で効果量(d)が大きいことから、より効果が高いのではないかと考えているようです(特にバランス)。ボールスキルに関しては両群で有意な変化はありませんでした。
Wii群の手先の巧緻性が改善したことは、Wii mote(リモコン)の操作が影響しているかもしれないが、今後の更なる検討が必要…みたいな感じですね。

VRの効果に関してはさておき、Wii fitのミニゲームは楽しいですよね。ゲームの操作性や視認性も高く、モチベーションや報酬としての要素は大きいかもしれません。逆に他者との表情や空間/遊びの共有という観点からは、TSTの方が対人応答は得られやすいかも…。
子どもの反応に合わせて上手く組み合わせることが出来たらなと思います。


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