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発達性協調運動症(DCD)児におけるGaze trainingによる運動支援

発達性協調運動症(DCD)児におけるGaze trainingによる運動支援

DCDに対するEvidence based approach/practiceのひとつに「CO-OP : Cognitive Orientation to Occupational Performance」があります。その中でも「子どもを中心とした問題解決」のプロセスを基に自己組織化的な学習のサポートが重要です。

この論文は「CO-OP」の内容ではないですが、「投球/捕球」時の運動スキル学習において「視覚的運動制御」を客観的な指標で提示し、「Quiet eye (QE) training」という解説動画を基に運動支援を行った介入効果について示しています。

Gaze training supports self-organization of movement coordination in children with developmental coordination disorder
Piotr Słowiński, Harun Baldemir, Greg Wood, Omid Alizadehkhaiyat, Ginny Coyles, Samuel Vine, Genevieve Williams, Krasimira Tsaneva-Atanasova & Mark Wilson : Scientific Reports volume 9, Article number: 1712 (2019)

具体的な4週間の介入の流れです。

実際のtraining動画もダウンロードできますので、上記の論文から確認して下さい。

簡単なイメージ動画、視覚的運動制御の動画のみ張り付けておきます。

で、RCTにて「Quiet eye (QE) training」 vs 「Technical Training : TT」の介入効果を比較しています。

個人的に面白いのは、「共分散」という2種類(2変数)のデータの関係を示す指標を用いて解析している点です。

6つの運動指標から15組の共分散の関連性を見ています。

左右の腕が一緒に動くようになった、腕の動きが滑らかになった、肘と肩が同時に動くようになった…のような関連性を見ることができるようです。

さらに、マニアックな解析がありまして…MDS(多次元尺度構成法)

「個人内/個人間のcoordination patterns」の分類/類似度を分析しています。

結果は、

QE群で10/15組に共分散の絶対値の増加(協調性の増加)を示し、個人内のcoordination patternsは大きな変化を示したが、それぞれの変化の性質は個人差があることがわかりました。

もっとマニアックな解析として「共分散行列」というのがありまして、どうやらこの解析でbase line時の捕球時の成功した協調性パターンとtraining後の成功した協調性パターンのばらつきをみているようです。

まぁ結果としては、

TT群は、training前後で捕球時の成功した協調性パターンと同様であったにも関わらず、QE群ではtraining後に異なる協調性パターンで成功させていたことがわかりました。要するに、新しい成功/学習パターンを自己組織化することができていました。

Quiet eye (QE) trainingの解説動画と言いつつも、

4週間の期間で段階的に実際の運動支援の中にQuiet eye (QE) trainingの視点を取り入れている…っていう感じなので、やはりプログラムの構成が秀逸なのかなぁって思います。

「ボールをよく見て」と言語のみで教示するよりは、視覚的にどれくらいの時間/頻度でボールやその空間を見ているのかを客観的に映像化していることがわかりやすいんでしょうね。

こんな色んな解析ができたら、楽しいだろうな…と思う今日この頃です。

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