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ASDの立位及びStepping課題時の姿勢/運動制御

ASD児/者の姿勢制御機能の問題はよく取り上げられますが、意外とその要因は明確になっていません。

運動/姿勢制御機能の諸問題についてどのように臨床場面に活かしていくのか…いつも試行錯誤しています。

まぁ読んでみましょう。

Postural control processes during standing and step initiation in autism spectrum disorder
Erin K. Bojanek, Zheng Wang, Stormi P. White & Matthew W. Mosconi : Journal of Neurodevelopmental Disorders volume 12, Article number: 1 (2020)

立位バランスや歩行開始時のStep動作時の姿勢/運動制御について調べています。

対象は、6-19歳のASD児/者とTD児/者です。この時点で年齢幅が大きくて、それぞれ発達の段階やパフォーマンスにバイアスとかないのか?とか気になります。

姿勢制御のパラメータとして、
静的バランス:静止開眼立位、ロンベルグテスト(静止閉眼立位)
動的バランス:circular sway(円運動で腰を回す感じ?)
Stepping課題:口頭指示に合わせて片方の足を前方へSteppingする

結果とまとめ
ASD群はTD群と比較して、静止開眼立位のCOP左右動揺に有意差はあるものの、他のCOP前後動揺や軌跡長には有意差は認めませんでした。
しかし、circular swayにおけるMutual Information(相互情報量)はASD群で有意に低かった(APとMLが独立してバラバラに動いてる、滑らかではない、次の動きが予測しずらい感じかな)。
*相互情報量:2つの情報が互いに影響を及ぼす量

またStepping課題では、COP左右動揺が小さく、Stepping時の体重/身体移動が短く、速いことがわかりました。意外?にもStepping時のCOPのAPA振幅、持続時間(予測的な姿勢制御:先行的な左右方向への体重移動)には有意差はありませんでした。
Steppingに伴うスムーズな体重移動が困難であるという解釈ですかね。

この辺りの解釈は、実施する課題特異性が反映されていると思うのですが、COPのダイナミクスを把握する上でMutual Information(相互情報量)は一つのパラメータにできそうです。
Nintendo Wii Fitのバランスボードを用いて練習したりしますが、COPが急にオーバーシュートしたりFreezingみたいな制御で身体は動かしているけど、COPはほとんど動いていないとか。
課題の難易度設定を上手く調整できるように環境や文脈?を操作する必要があるのは、わかっていますが、なかなか難しい…。

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