同じ夢を同じときに見た話
閑話休題。
以前、社会人だが実家ぐらしをしていたときに経験した不思議な体験。
ある日、私は起きても覚えているような強烈な夢をみた。
アメリカのセドナやグランドキャニオンのようなところ(実際に行ったことはない)にいて、私は大きな一枚岩の上に怯えながら立っていた。
そこには似たような大きな(地面から数十メートルあるような)岩が点在していた。
私はそこから降りられない、とパニックになっている夢だった。
すると、隣の岩の上には、父親がのっており、助けにいくから待ってなさい、と高い高い岩をかけおり始めて、ついには助けにきてくれた、という夢だった。
それまで見たこともないような不思議な感覚がする夢で、物凄くリアルだった。
目覚めてしばらくしても夢の中の情景をありありと思い出せたので、朝食の際、何気なく、家族に今見た夢を話してみた。
「昨日、変な夢を見たよ。グランドキャニオンみたいなところにいて、岩の上から降りられなくて困ってる夢。」
すると、父がすかさずこういった。
「そこ、すごく赤茶けた場所だった?」
確かに、とても赤茶けて荒涼としたところだった。
そして父は、こう言ったのだ。
「父さんも同じ岩の夢を見た。走って○○(私)を助けに行く夢だった」
と。
夢の話をした際、私は、父親が出てきたこと、そして助けてもらったことは話していなかった。
夢でみた風景の詳細を、ふたりで照らし合わせてみると、本当によく似た場所が夢に出てきていたのだ。
例えば、最近、テレビでセドナやグランドキャニオンの特集を見たから、脳裏に残っていて夢に出てきた、とか、お互い行きたいと思っていた、とか、そういう導線は全くなかったのに。
父は、自分ではそれが普通で、特別なことだと思っていないが、見えないものを見てしまう人だ。
彼が私の夢に入ってきたのか否か。
そんなに夢の話は人にしないので、後にも先のも、同じ夢を同じ日にみていた、という経験はこのときだけだったが、もしかしたら、世の中の夢は交錯しまくっているのかもしれない。
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