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劇場版ウマ娘をたくさんの人に見てほしいし、語りたい


王道を行くスポ根ストーリー、みんな見よう!

劇場版ウマ娘を見てきたけど、すっごい語りたいし、いろんな人にもっと見てほしい!
すでにtwitter上で結構言われてますが、ウマ娘自体をあんまり知らなくてもよい・・・というか最初に触れるウマ娘コンテンツが本劇場版で全然問題ないと思います。
なぜなら王道を行くスポ根ストーリーで、1本の映画として起承転結がきっちり固まっているからです。

スポーツもののストーリーで重要な点は3つあると思っていて、

  1. そのスポーツの魅力(スポーツをする人物の魅力)

  2. ライバルとのぶつかり合い

  3. 挫折と乗り越えたうえでのさらなる飛翔

これらが1本の映画にみっちり詰まっているので、ウマ娘というコンテンツをあまり知らなくても、ストーリを楽しむことができる。
その上でもっとほかのウマ娘のことを知りたい・・・この娘はどういう子なのかなとか、急に歌いだしたけどそもそもどういう世界観なのかなとか、より知りたくなるきっかけになるのかなと思いました。

いずれにせよ、グラフィックもストーリーも非常に優れているので、予告やほかの皆さんの感想を見て興味を持ったなら、ぜひとも劇場で視聴してほしいです。


ここからネタバレあり感想

じゃあ、結局何がそんなに良かったのか自分なりに言語化してみる。

1.そのスポーツの魅力(スポーツをする人物の魅力)

この人はなんで競技に一生懸命なのかわからないとか、そもそも競技が迫力なくて見ていてつまらないとかだと困るんだけど、そこはさすがの劇場版クオリティというか、圧倒的な迫力のアニメーション、サウンドでレースを盛り上げるんで、ただただ見ていてわくわくしてました。
ぐりぐり動くアニメーションとカメラアングルの中を、鬼気迫る表情で地響きとともに駆け抜けるウマ娘のレース風景がすさまじくて、大画面で見る意義がちゃんとあって良い!
あえて音楽が流さず効果音だけであったり、完全に無音になったりと緩急のつけたサウンドも盛り上げに一役買っているんだけど、これも劇場の音響ならではのポイント。

そのレースの魅力へ引き込む冒頭の流れも秀逸で、本映画の主人公「ジャングルポケット」が「フジキセキ」のレースを見て虜になって、自身もレースの世界へ飛び込んでいくという物語の始まりが、しっかりアニメーションの魅力で表現されている。
レース中でフジキセキが走り抜ける道筋にスポットライトが当たって、まるで栄光へと突き進んでいくトップスターを演出するかのようなレースがポケットの心をとらえるんだけど、同じく我々もそこで前のめりになれるので、ぐっと感情移入できる。
冒頭でしっかりと感情移入抱けるだけの説得力を持った魅力をオープニングで提示されるので、ジャングルポケットのトゥインクル・シリーズへの挑戦という物語の中に、すっと入っていけていたと思います。
フジ先輩、マジかっけー!(OP主題歌中に手をぶんぶんふるポケットかわいい)

2.ライバルとのぶつかり合い

本映画におけるライバル枠はもちろん「アグネスタキオン」で、そもそも本映画はポケットとタキオンの物語なんですよね。
レースの魅力に取りつかれて「勝負だ勝負!俺が最強だぜ!」ってノリのポケットと、その前に立ちはだかる光速の貴公子・・・
燃える!!

あと萌えるんですよね。
全体的にウマ娘たちの挙動がかわいくて、がなり立てるポッケのわちゃわちゃした動きだったり、おまえ変なクスリでもやってるんじゃないのか・・?っていう顔芸のタキオンだったりとか。
もちろんダンツやカフェたちも含めて、学園の中でさわやかな青春学園スポーツノリを繰り広げていく様子が「そうこれだよこれ!」っていうド定番がとってもいい。
(RTTTですべて燃やし尽くしたのかふわキチと化してしまったベガや、出るたび癒しを振りまくウララとか、要所要所でいろんなウマ娘たちが出演してくれるのも嬉しい)

起承転結でいえば、起の部分がフジ先輩のレースにあたるんですが、承の部分はこの辺の学園生活のスポ根ノリでしっかりウマ娘たちの魅力が、全開になっていたと思います。

3.挫折とそれを乗り越えたうえでのさらなる飛翔

もちろんぐだぐだと学園生活を流していても映画として成り立たないわけで、ここからが転結になっていくんですが、これがまたひねっていて良い!

ウマ娘は1~3期+RTTTでさんざん勝利、挫折、復活をやってきたので、どう差別化するかも重要じゃないですか。
まさかさんざん晴れの舞台として扱ってきた日本ダービーの勝利をちっともうれしくないものとして扱うのにはビビった。
予告ムービーの最後で流れる叫びが、歓喜の咆哮ではなくやるせない慟哭であったのにはやられた!って感じで、不穏なBGMと相まって緊迫感がやばかったです。

皐月賞あとのタキオンの引退宣言から露骨に空気が変わってだんだん重苦しくなっていくこの緩急の差がたまらないんですが、あんだけイケイケどんどんだったポッケの曇っていく様子がすごくそそるんですよね。
ポッケがタキオンを問い詰めた際、「君はあのレースでどう思ったんだね?」みたいに逆に問い詰められて、自分の中で負けを認めて押し黙ってしまうところとかも効いてて、
もう少しタキオンの性格が悪ければ「負け犬」ってつぶやいて去っていってもおかしくなかったんじゃないかな、うん、言ってほしかった。
諸説ありますが、俺が最強って自負する負けん気の強い子が負け犬になり下がったときの表情からしか得られない栄養がありますよね。

勝ち逃げされてしまったがゆえに、どうあっても最強を証明できない=いくら最強になると口に出しても矛盾する現実から、負け犬と見下してくる自分自身という幻に囚われてしまったポッケ・・・
だけどそこから抜け出す道筋を照らしてくれるのが敬愛するフジ先輩ってのも熱い!
怪我でレースを断念したというのはむしろタキオン寄りの境遇だけど、もしやifの幻にとらわれている者同士として、勝負服を着ての1対1のレースで断ち切らせようとしてくるのがほんとに頼れる先輩で素敵。
フジ先輩、マジかっけー!

最後は周りの協力もあって立ち直ったポッケがジャパンカップの会場で、タキオンに「俺は先に行くぜ」って真逆の言葉を突き付けるのが対比が効いててしびれる。
ダービーではポッケが後塵を拝していたが、今度はタキオンがその立場になり、再びレースへの情熱を燃やすという、まさしくライバル同士が競い合い、高めあうという熱いスポ根ストーリーがしっかりまとまっているので、ジャパンカップの勝利に思わず涙してしまうほど感情移入できました。

おわりに

なんかわざわざ3つのポイントに分けて書いた意味があるのか怪しい・・というかシンプルに文章が下手なのが恥ずかしいですが、おもわず筆を執ってしまうだけの魅力がある映画でした。

本文で共感してもらえるところとかあったら、ぜひコメントください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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