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闇の横顔:ソフト・ホワイト・アンダーベリー/SOFT WHITE UNDERBELLY

近親姦の被害者、性的搾取された子ども、売春婦、ドラッグ中毒者、売人、ギャング、ホームレス、連続殺人犯、精神障害者……。

一人一人の生い立ちから聴き始める顔出しインタビュー動画集「Soft White Underbelly(ソフト・ホワイト・アンダーベリー)」は、主流メディアが伝えないアメリカの現代社会の闇をありのままに見せている。

LAにあるアメリカ最大級のスラム街「Skid Row(スキッド・ロウ)」では犯罪が日常にありふれているのに、ニュースにさえならない見放された地区。

そんな場所にあるスタジオから、たった一人で動画撮影し毎日配信し続けているのが、アップルなど超一流企業の広告を撮影してきた世界的に有名なカメラマンのMark Laita(マーク・レイタ、以下マーク)。

自己紹介動画では以下のように話す。

14歳から写真を初め、キャリアのほとんどは、広告用の写真を撮ってきた。

既に富を築いている企業を更に繁盛させる手助けをしてきたのだが、それが後世に残せる僕の業績だと考えると違和感を抱き始め、世の中でもっと重要なことを成し遂げたいという想いが、歳を重ねるにつれて強まった。

Mark Laita, Soft White Underbelly Intro

Soft White Underbelly(以下SWU)を一言で表すと「アメリカ社会の脆弱な部分」。

「アンダーベリー」は直訳すると下腹部になるが、第二次世界大戦で英国指導者チャーチルがアメリカに対し「ドイツを攻めるなら『ヨーロッパのソフト・アンダーベリー』であるイタリアを攻めろ」と助言したことに由来する。

転じて、「アンダーベリー」は比喩として「攻撃されやすい無防備な場所」「社会の底辺」などという意味で現代では使われることが多い言葉だ。

SWUの動画は、アメリカ社会の問題、崩壊していることに対して、意識を向けるために配信している。意識を向けなければ、問題は拡大し続け、悪化する一方だ。

耳を傾けること、理解しようとすること、認めること、異なる行動をとることをすれば、結果的に変化が起こるかもしれない。次世代の親がお手本として子どもたちに希望を与えられるよう手助けができればと思っている。

これまで個人的に人々にお金を寄付してきた。テント代、靴や洋服代、食事でも代、携帯電話代など合わせると数十万ドル(数千万円)になる。だけど、このチャンネルは人々に金銭的な支援をすることが目的ではない。

社会や政府に対して、この国の問題を明示し、より良いシステムを作ることが目的だ。貧富の格差、教育や職業の格差が、問題を生んでいる。子どもたちや大人の話を聞いていると、未来に全く希望を持てない人が多い。

問題が深刻すぎて、圧倒される。子ども時代に起きることは、自己イメージに大きな影響を及ぼす。それが、アルコールやドラッグの問題、食生活や健康、パートナー選び、教育や職業の選び方などに現れ、己が自分自身の最悪な敵になっていることがある。

動画を見ていると、なぜ彼らがそのような人生を送っているのかということが見えてくる。僕も昔はホームレスの人を見ては「なんで仕事を探さないんだ?薬物をやめて仕事をすれば、全て解決するのに」と思っていた。

でも彼らの話を聞いているうちに、子ども時代に起きたことを知り、全てが崩壊した状況でチャンスも希望も持ったことがないことを知り、共感力を鍛えられた。  

一方で、僕も気持ちに余裕がなくて、彼らを興味深い被写体として人間観察することでしか動画を見れないこともある。通常なら出会うことのないような人々の話を聞けたというだけでお腹いっぱいな時もある。

動画を見る気力や勇気があるなら、是非。でも見たくなければ、それも理解できる。万人受けするような内容ではないのは確かだ。

でもこの国を変えるなら、なぜここまで滅茶苦茶なのかということを理解する必要がある。この動画集は、現実を知り理解するための入り口になるだろう。

マークは、アメリカを念頭に置いているが、実は日本でも同じような社会問題が起きている。

小児性異常者、強姦魔、売春婦、売春斡旋者、連続殺人犯、麻薬中毒者、売人、ギャング、警察官、KKK(白人至上主義者)、子どもも大人もみんな顔を出して各々の経験を話す。

事実は小説より奇なり。どんな映画よりも過激な人生。犯罪は日常茶飯事。犯罪が日常な場所の出来事はニュースにさえならない。この矛盾。

実際、広告主がつかない動画が大半で、動画が消去されることも多く、YouTubeに掲載されていない動画も含めSWUの公式サイトで全ての動画を視聴することができる。

動画の一部を紹介:

∞歳の息子を犯した母を犯した∞

強姦魔の幼少期



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