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麦茶あるいは

もう何年も前の、世界のすべてというものがまだ本当に狭かった夏、そしてその狭い世界が一気に揺らいで落っこちそうになっていた夏に、あなたが麦茶をくれたことを、急に思い出しました

あなたのおおきい水筒の冷たい麦茶を飲ませてくれながら、たぶんどこかに私の水筒を探しに行ってくれたんだっけなぁ、あんまり覚えてないけれど

残念ながらあのときのあなたに追いつけるほどもないくらいまだまだ強くはない私だけど、誰かの心が詰まってしまったときに、冷たい麦茶を、もしくはあたたかいほうじ茶を、差し出せる優しさを持った人になりたいと、24歳になった今も思います

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