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黄金のアンズ


杏林

趙昌《アンズの花》10世紀、故宮博物館

古代中国の神仙、董奉(とうほう)が、病気を治療し、代金の代わりに、重病の治療はアンズの木5本、軽症の治療はアンズの木1本を植えさせた。数年経つと、アンズの林になったところから、医者の美称を「杏林」という。

ステキな故事だと思います。アンズの林の実物は見たことがありませんが、一時、鉢植えを持っていたことがあります。ウメとサクラの中間のような薄紅色の花です。いつか、長野まで見に行きたいです。

アドリアーン・コールテ、ジョヴァンナ・ガルゾーニ

アドリアーン・コールテ《あんず》1704年、マウリッツハイス美術館

アドリアーン・コールテ(オランダ、1665?~1707?)の生涯についてはほとんど情報がありません。アスパラガス、ベリー、貝の静物画を残しました。ヴンダーカンマー(驚異の部屋)的な雰囲気です。本作は、暗い背景に、アンズが灯りのようで、勝手に「薄明かりの絵画」と思っています。

ジョヴァンナ・ガルゾーニ《アンズ》18世紀

ジョヴァンナ・ガルゾーニ(イタリア、1600-1670)は、テンペラ・水彩の植物画で知られます。ガルゾーニは、アジアの陶磁器、貝殻、植物標本などを注意深く組み合わせて描きました。何はともあれ、おいしそうです。おいしそうな静物画は良い静物画です(私見です)。

ランタン祭り

宴席で、おとなしい若者が全然飲まないので「飲まないのに、すみませんでした。紅茶ならお好きですか?」と言ったら、「好きです。専門店に買いに行きます」と言われました。以来、仲良くして頂き、お茶会をしたり、お茶やお菓子をレポートしたり、お裾分けし合ったりしています。少し遠い紅茶のお店があって、一緒に通販しませんか、とお誘い頂きました。薄明かりに因んで、「ランタン祭り」というお茶を購入しました。

黄金色のフルーツ「ミラベル(西洋スモモ)」の香りの緑茶

Atelier ICHIMARU公式サイト

だそうです。黄金のスモモがたわわに実っている様子が、ランタン祭りのよう、ということかと思いました。タイミングよく、アンズ(これも黄金のスモモ)も届きました。スモモのお茶に合います。思いがけず、楽しいお買い物になりました。

アンズは、市場にあまり出回りませんが、毎年、ふるさと納税で頂いています。加工用のアンズは、ジャム、シロップ漬け、ケーキなどにしています。

マックスフィールド・パリッシュ《提灯を運ぶ人々》1910年頃

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