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突然、蛙になった彼女は跳ねて行った #1
出会いも別れも突然だった。
きっかけは11月の文化祭。私の大学では、大学の在校生、併設されている短期大学の学生限定入場ではあったが対面開催が許可されたのだった。私は実行委員、それも会場統括として準備を慌ただしく進めていた。大変ながらも、他の実行委員と共に仕事をこなした。どうせやるなら楽しく仕事をしたいという思いから、笑顔を忘れないようにチームで動いていた。その姿勢が、他の部署のとある女の子の目に
ご報告があります。 #1
2023年が終わる。今年は皆が「あっという間」と口を揃える。自分自身、今年1年が過ぎることが早く感じるほど楽しかったかと聞かれたら、
「死ぬほど楽しかった。」
楽しいと感じられないことだってあったけど、それはそれ。その時の様子は、大学の卒業式の日に投稿予定の、「4年間を振り返って」で詳しく記そうと思う。
「どんな夢も近づけるように 道照らしてくれたよラジオ」
この1文は、スピッツの「ラ
無敵の微笑みを見るまでの10年 その4
中学、高校と俺の青春はスピッツだった。朝起きた時は何も噛みつかないのに青い車。部活動に行く前は8823で士気を高める。帰りの田んぼ道は稲穂を聴きながら疾走する。はやて君という友達とはハヤテを聞いた。そのはやて君の元カノは、ピアノを習っていて坂道の先にあるから、スパイダーが彼の持ち曲のように扱われた。彼女と別れた時は、春の歌や魔法のコトバで感傷に浸り、テンションの高い夜はスターゲイザーを。テンショ
もっとみる無敵の微笑みを見るまでの10年 その3
「小学5年生男子」なんて身内への拡散力最強の肩書きなのよ。この興奮を一人で楽しむには勿体なさすぎた。
次の日の学校。私は夜遅くまでスピッツを聴きあさっていたため、眠りは浅かったが、足取りは軽かった。そして、思いつく限りの友達たちに聞いてみた。
「スピッツ知ってる?」
「すごい曲見つけたの!」
「誰それ・・・?」
「知らねー誰だよ」
「聞いたことないそんな曲ー!そんなのよりEXILEのがかっ
無敵の微笑みを見るまでの10年 その2
初めてロビンソンを聞いてから、頭の中からあのメロディと歌詞が離れない。国語が得意だった私は、文章の意味を考えることが好きだったのだが…
「誰も触れない二人だけの国 君の手を離さぬように 大きな力で空に浮かべたら ルララ宇宙の風に乗る」
全くをもって意味がわからなかった。これは、前の歌詞を聞けば何かわかるかもと、少年ながらに考えた私は、大量のCDの中からスピッツを探した。必死に探して出てきた1枚
無敵の微笑みを見るまでの10年 その1
清澄だった。その声をこの耳で聞いたのは初めてだったのに、毎日聞いているせいか初めてに感じなかった。
丁寧だった。そのはっきりとした低音をこの耳で聞くのは初めてだったのに、毎日のようにその音色で感傷に浸っているせいか、初めてに感じなかった。
少年だった。その無邪気な姿をこの目で見るのは初めてだったのに、毎日のようにその姿を見ているせいか、初めてに感じなかった。
豪快だった。そのスティック捌きを