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箱根駅伝、というロマン

東京箱根間往復大学駅伝競走(とうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう)は、例年1月2日と翌3日の2日間にわたり行われる関東地方の大学駅伝の競技会(地方大会)である。(wikiより抜粋)

箱根駅伝の「イメージ」


箱根駅伝、と言って皆さんが想像するのは何だろうか。箱根駅伝を見たことが無い人であればおそらく「正月」「大学スポーツ」「長い」くらいのキーワードが想定される。ちらっと見たことのある人であれば、「山の神」「青学が強い」「花の2区」くらいのキーワードが出てくるだろうか。いずれにせよ、深く知らない人であれば「学業を旨とするはずの男子大学生たちが、あろうことか正月から、寒いにも関わらず東京と箱根の100km超を走って往復する不思議なリレー大会」くらいの認識であることは間違いない。
何を隠そう、筆者も箱根駅伝をリアルタイムで見たことは一度もなかった。というか現在(2020年12月)に至るまで一度もない。さらに言えば筆者は陸上はおろかスポーツ経験など微塵もない生粋の文化系であり、本来箱根駅伝などという「漢のスポーツ」とは1mmたりとも関係のない人間である。そんな私がなぜ箱根駅伝に「ハマってしまった」のか、箱根駅伝に関する基礎的知識を説明しながら見ていきたいと思う。

箱根駅伝の「ハ」

まず、大学駅伝が箱根駅伝だけではないことをご存じでない読者も多いだろう。男子大学駅伝は年に3回ある。9月には距離が短くスピード勝負となることが特徴の出雲駅伝、11月には約100kmの伊勢路を8人で駆け抜ける全日本大学駅伝、そして1月2,3日には箱根駅伝が開催される。箱根駅伝は合計距離が217.1kmと三大駅伝の中で最も長く、通常の市街地より起伏の多いコースとなっている。この箱根駅伝は区間も多く、各大学の総合力が試される場だからこそ、大学駅伝界における1年の集大成となっているのである。

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箱根駅伝は約20㎞を1区間とし、往路・復路を足した10区間で争われる。ここで注目してほしいのは20㎞という距離である。ほとんどハーフマラソン(21.0975km)と同じ距離を、しかもほとんどの選手が3分/km以上のペースで走り続ける。これは時速に換算すると20km/hであり、早めに漕いだ自転車と同じくらいである。初めて箱根駅伝を見た筆者は、自分のほぼ2倍の速度で走る選手たちを見て「本当に同じ大学生か?」と疑ったものである。このようにまさに学生長距離界最高峰の舞台といえる箱根駅伝からは多くの著名なマラソン選手・陸上選手が輩出されている。例えば大迫傑(フルマラソン日本記録保持者で東京五輪代表、早稲田大で1年時から箱根出場)、小椋裕介(ハーフマラソン日本記録保持者、青山学院大で3,4年時に箱根優勝)、相澤晃(2020年日本選手権で10000m日本新記録、東京五輪代表、東洋大で4年時に箱根2区区間新記録)など、日本長距離界のエースは箱根の舞台から生まれると言っても過言ではないだろう。箱根駅伝は私たちにとって「将来の日本代表」の原石時代を見る貴重な機会でもあるのだ。

箱根駅伝をテレビで見ていると案外選手たちは余裕そうに走っているように見えるので錯覚を起こしてしまいがちだが、箱根駅伝は日本で最も過酷なリレー大会と言えるだろう。その原因の一つが「寒さ」である。往路スタート(大手町)では1℃~2℃になることはざらで、復路スタート(芦ノ湖)では箱根山中ということもあり氷点下まで下がることも多い。特に後者の6区は路面が凍結している中できつい傾斜を下って行かねばならないため、選手の体にかかる負担はまさに「過酷」。一般人は「なんでよりによってお正月からそんなことするんだろう…」と思うだろう。選手たちも案外走っている途中はそんな感じかもしれない。それでも、学生たちには走らなければならない理由がある。

「襷を繋ぐ」ということ

駅伝には「繰り上げスタート」というルールが存在する。先頭を走る選手と一定以上の差がついてしまった場合、交通混雑などへの配慮から次の走者を強制的に出発させるルールである。この繰り上げスタートに間に合わなかった大学は、伝統の襷ではなく予備用の襷を使い、残酷にも1人で次の走者がスタートすることになる。あとから中継所に入ってくる選手は継走が途切れたことを改めて目の当たりにし、「母校の襷を繋ぐことが出来なかった」という思いから泣き崩れる者がほとんどである。箱根駅伝常連校ならばなおさらである。

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箱根駅伝に出場する選手で、「自分ひとりのために走っている」という選手はおそらく一人としていないだろう。コース終盤になって、息が切れながら懸命にスパートをかける選手たちの顔からは、「自分の体がどうなってもいいから、仲間のために一秒でも速く襷を前へ」という気迫がはっきりと伝わってくる。東洋大学の伝統のスローガン「その一秒を削り出せ」からもはっきりとその思いが読み取れる。チームのため、母校のため、選手・監督・ファン全員の思いが詰まった襷を一秒でも速く前に繋ぐために自らの身を捧げて走る。まさにこの滅私・自己犠牲の精神こそが多くの人々を箱根駅伝に引き込む要因になっているのではないか。

襷を繋ぐことに対する伝統校のプライドを象徴するエピソードがある。日本体育大学は初出場の第25回(1949年)から連続出場を誇っており、第45回~第49回には5連覇を達成、現在までで合計10回の優勝回数を誇るまさに「伝統校」である。そんな日体大は第88回(2012年)、チームのコンディション調整に失敗したことで低調な走りが目立ち、63年間繋ぎ続けた伝統の襷が9-10区で初めて途切れてしまう。チームとしても19位と屈辱の史上最低順位に終わってしまった日体大は、別府駅伝監督が3年生(当時)の服部翔大を主将に指名してチームの改革を開始。この異例の主将指名はOBや部内からも疑問の声が上がったものの、服部は箱根での雪辱を決意し、主将としてチームの底上げに尽力した。服部を中心に昨年のリベンジに燃える日体大は、箱根駅伝予選会を他大学を圧倒し1位で通過。そして迎えた第89回(2013年)箱根駅伝、日体大は往路で設楽兄弟(弟の悠太はフルマラソン前日本記録保持者)を擁する東洋大、大迫傑を擁する早稲田大、中村匠吾(東京五輪マラソン代表)を擁する駒沢大など難敵と互角以上に渡り合う。そして山登りの5区、記録的暴風(5区で2校が途中棄権)が吹き荒れる中、主将・服部が区間賞を獲得する走りで往路優勝を果たす。復路も他の追随を許さない走りで、予選会出場校ながら30年ぶりの総合優勝を勝ち取った。ここに伝統校の「襷に賭ける意地」を見てとることが出来るだろう。

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陸上競技は基本的には個人競技である。しかし、言わずもがな駅伝は団体競技である。各区間で選手は孤独に個人としての走りに徹するが、それはチームのため、他人のための走りなのだ。淡々と走っているように見えても、その裏には選手一人ひとりのストーリーが存在し、彼らの思いが受け継がれるようにして一本の襷が繋がっていく。ここに他のどのスポーツとも違う箱根駅伝の「ロマン」を感じずにはいられない。これがまさに私が箱根駅伝にハマってしまった理由である。

近年の箱根駅伝プレイバック

ここで、現在の学生駅伝界の情勢を知っていただくために、近年の箱根駅伝を短くダイジェストでまとめることにする。

第85~88回:柏原擁する東洋大時代
85回大会、山登りの5区で鮮烈なデビューを果たした東洋大・柏原竜二。1年時に区間新記録を達成して「二代目・山の神」と名付けられると、4年連続で5区区間賞を獲得。その後、設楽兄弟などの活躍もあり、87回こそ早稲田大に優勝を渡してしまうものの85,87,88回大会で東洋大が優勝。「山の神」の走りは多くの箱根駅伝ファンの記憶に刻み込まれた。(柏原は現在解説者として箱根駅伝にゲスト出演することも多い。)

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第91~94回:原晋監督率いる青学時代
91回大会、出場20回目にして青山学院大(以下、青学)が初優勝。この時に5区を走った3年生・神野大地は柏原の記録を超える好走を見せ、区間新記録を樹立し「三代目・山の神」に。4年連続で1区を走った久保田、エースに成長した一色、6区のスペシャリスト小野田、「アニメオタク」で一躍話題になった下田など数多くのタレント的選手がこの期間に活躍し、その総合力によって4連覇を達成、「青学時代」を築き上げた。青学を率いる原晋監督は毎回エントリー選手発表の際に「○○大作戦」というスローガンを掲げることでも有名。

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第95回:東海大学、悲願の初優勝
4連覇中の青山学院は主将の3区・森田の区間新の走りで首位に立つものの、4区、5区でブレーキ。往路優勝は1区西山(2年連続区間賞)、4区相澤(区間新記録)などミスなく繋いだ東洋大学が勝ち取る。しかし復路7区で東海大が東洋大を射程圏内に捉えると、8区小松が区間新記録の走りで東洋大を抜き去る。最後までリードを保った東海大学が悲願の初優勝を飾った。往路6位と出遅れた青学大も最終順位は2位と、「総合力」を見ることができた。

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区間紹介&第96回大会プレイバック

箱根駅伝の楽しみ方の一つに、「去年と比較して見る」方法がある。去年の結果にも目を通しておくことでその選手のストーリーを把握することが出来る。ここでは箱根駅伝各区間のコース紹介と合わせて第96回大会(2020年)の様子をダイジェストで紹介する。

第96回大会は区間新記録が10区間中7区間で誕生するという「とんでもない」大会となった。よく話題にあがるNIKEの厚底シューズがすばらしいという側面もあるが、それを抜きにしても学生長距離界のレベルは近年飛躍的に向上し、今年もさらなる「高速駅伝化」が予想される。

1区(21.3km):大手町(スタート)~鶴見中継所
箱根駅伝で唯一、全大学が横一列でスタートを切るのが一区、大手町である。ここでは純粋にトラックのタイムが良い選手や、単独走より集団走が得意な選手が起用されることが多い。見どころは何と言ってもコース終盤、多摩川を渡る六郷橋のアップダウンで起きる選手の駆け引きだろう。
昨年度は2年連続で区間賞を獲得していた東洋大・西山がまさかの大ブレーキで12位。レース終盤に國學院大・藤木が抜け出すが、最後のデッドヒートを制した創価大の米満が区間賞を獲得した。ところで1区の区間記録は第83回大会で樹立された東海大・佐藤祐基の1:01'06だが、この記録はハーフマラソンの日本記録とほぼ同じペース。しかし当の佐藤曰く「絶不調」だったとか。恐ろしや…。

2区(23.1km):鶴見中継所~戸塚中継所
「花の2区」と呼ばれる通り、各大学のエースが集う最長区間である。この区間にはその年の学生長距離界の最高峰に位置する選手が数多く出走するため、非常に見ごたえのあるレースが展開される。見どころは15.3km地点に位置する権太坂、だらだらと続く登り坂がここまで走ってきた選手たちの足をさらに重くさせる。
昨年度はルーキーながら2区に抜擢された青学大・岸本が並み居る他大学のエースを抑えてトップで通過、2区の1年生記録を塗り替えた。1区で遅れた東洋大は大エース・相澤が激走。昨年ともに学生長距離界を引っ張ってきた東京国際大・伊藤と15㎞に渡って並走し、「最速のランニングデート」という言葉も誕生。相澤は1:05'57という区間新記録を樹立した。(ちなみにこの二人、2020年日本選手権10000mでも二人で日本記録を更新。なんて仲良しなんだ)

3区(21.4km):戸塚中継所~平塚中継所
下り基調のスピード区間で、12㎞過ぎからは海沿いを走るので中継画面でもきれいな湘南ビーチを眺めることができる。ただし年によっては強い海風が吹き付けるため、簡単な区間とは言えないだろう。
昨年は1位を走る青学大主将の鈴木に東京国際大・ヴィンセントがとてつもないスピードで追いつき、そのままのスピードで従来の区間記録を2分以上更新する59'25という驚愕の区間新記録を達成。(これはハーフマラソンに換算すると世界歴代5位相当の記録。この記録が破られる日は来るのだろうか…。)青学の鈴木が笑顔で道を譲るシーンは印象的で、お正月のニュース番組でも繰り返し放送されていた。

4区(20.9km):平塚中継所~小田原中継所
重要区間である2~3区、山登りの5区の間にあり少し影が薄いため「つなぎの区間」とも言われる4区。しかしながら注目のルーキーの起用、2区を回避するエース級の起用など、ここでも箱根のヒーローとも言える注目選手が登場することは多い。
昨年は青学大の4年生・吉田祐也が2位で襷を受け取ると、首位の東京国際大を猛追。魂の走りで1'21の差をひっくり返し、結果は1:00'40の区間新記録。一年前に東洋大・相澤が樹立した記録を塗り替えて一躍脚光を浴びた。(吉田は3年で箱根にエントリーされるも「11番目の選手」として当日変更され、屈辱を味わっていた。そんな選手が区間新記録の走りをする、青学大の層の厚さを改めて実感する走りであった。なお吉田は大学で選手生活を終えるはずであったが、その活躍ぶりから実業団へ進路を変更。2020年12月には福岡国際マラソンで優勝するなど、日本マラソン界でも頭角を現し始めた。)

5区(20.8km):小田原中継所~芦ノ湖(往路ゴール)
箱根駅伝の一番の醍醐味にして難関、山登りの5区。スタートから16kmまでで箱根山中の激坂を登っていく。その標高差はおよそ840mである。(参考:世界一高いビルであるブルジュ・ハリファの高さは828m。)日の差さない山中で気温も下がっていく中、低体温症を起こしてペースダウンしてしまう選手も少なくない。「5区を制すものが箱根を制す」というくらい重要な区間なのである。例年の見どころは宮ノ下、選手名をコールする応援と翻る大量ののぼりであるが、今年は無観客で行われるため見ることはできない。
昨年は2位で襷を受け取った区間記録保持者(当時)、國學院大・浦野が首位奪取に向けて好走するも、首位青学大・飯田がそれを上回る走りで往路優勝。往路2位でフィニッシュした浦野は前年の記録を塗り替えたものの、手を合わせながらゴールテープを切った。区間賞は4人抜きを達成した東洋大・宮下が区間新記録を樹立して獲得。

6区(20.8km):芦ノ湖(復路スタート)~小田原中継所
往路のコースを逆向きに走っていく復路。6区は急坂を下っていくことになり、箱根駅伝の中で1番のスピード区間であるが、その分選手の足にかかる負担は計り知れないものがある。毎年6区を走った選手は足にダメージが残り、しばらく走れない状態が続くという。見どころは8km~16km地点、急カーブが続く区間で展開される、「山下りのスペシャリスト」たちの熾烈な争いである。
昨年は前年度王者の東海大・館沢が3位からスタート。本職が1500mなだけあって、スピード感あふれる走りを最後の箱根で披露。前年に青学大・小野田によって樹立された区間記録を40秒更新する57'57の、まさに「驚愕の区間新記録」を達成した。その後館沢は2020年日本選手権1500mで優勝、東京・パリ五輪出場を目指している。

7区(21.3km):小田原中継所~平塚中継所
激しい山下りを終え、優勝争いは一気に加速していく。例年は7区~8区のあたりで総合優勝が決まることが多い。7区では海沿いを走ることになり、走りやすい直線が続く反面、オーバーペースと海風の影響で脱水症状を引き起こす選手もいる。
昨年は大怪我から復活を遂げたユニバーシアード10000m銀メダリスト、明治大・阿部が区間新記録。高校の同級生である東京国際大・真船との並走シーンは多くの駅伝ファンを熱くさせたであろう。

8区(21.4km):平塚中継所~戸塚中継所
8区に入るといよいよ箱根路も終盤。7区に引き続き平坦かつ直線のコースが続くが、16㎞地点にある遊行寺の坂が鬼門。このアップダウンを利用して一気に勝負を決めようとする選手も多い。
昨年は前年度22年ぶりに区間記録を更新した東海大・小松が区間賞の走り。首位を走る青学大・岩見も、前年度の低体温症によるブレーキからリベンジを果たす走りで後続との差を詰めさせず、優勝を決定づける走りとなった。

9区(23.1km):戸塚中継所~鶴見中継所
9区になるとすでに先頭争いはほぼ決着しているのでテレビを消してしまう人も多いかもしれないが、ここで注目してほしいのはシード権争いと繰り上げスタートである。翌年度の箱根をシードで出場するために8位~12位の大学は必死に10位以内を目指す。また鶴見中継所は例年多くの大学が繰り上げスタートとなってしまうが、過去にはわずか数秒の差で繰り上げスタートを免れた選手たちも存在する。ぜひこの区間では先頭よりも、チームのために必死に歩を前に進める後続の選手たちに注目していただきたい。
昨年は青学大・神林が区間賞。なお神林は青学大主将として今年の箱根駅伝も出場する見込みであるが、実業団には進まず選手生活を終わるため箱根が最終レースとなる。

10区(23.0km):鶴見中継所~大手町(復路ゴール)
10区の見どころは何と言っても1位の大学のゴールシーン、そして残り5㎞からの各大学のラストスパート合戦である。この10区には「寺田交差点」なる有名な交差点が存在する。第87回大会(2011年)に國學院大のアンカーを務めた寺田は11位で10区をスタート。終盤まで前を行く3人の選手について集団で走るが、ゴール200m手前でまさかのコース間違いで右折してしまう。気づいたときには他大学とは30mの差が出来ていたが、寺田は渾身のラストスパートで1人を抜き、國學院大はギリギリでシード権を獲得。監督はヒヤヒヤものだっただろう。
その國學院大學はアンカーの殿地がラストスパート、3人抜きで大学史上最高、目標としていた3位を獲得した。総合優勝は青学大。創価大の嶋津はアシックスの薄底シューズを履き、他の有力大学、NIKEの厚底ランナーを下して区間新記録を樹立した。

今年の注目大学&選手は?

注目の大学
今年最注目の大学はずばり、駒澤大学である。かつて「平成の常勝軍団」と呼ばれた駒沢大だが、第84回以来優勝からは遠ざかっている。しかし今年はチームの10000m平均持ちタイムでトップに立ち、全日本大学駅伝でも青学大・東海大を下して優勝するなど波に乗っているチームである。エースの2年・田澤は全日本大学駅伝でアンカーを務め逆転に貢献、日本選手権10000mで今季学生最速タイムを出すなど大活躍。1年生もトラックの持ちタイムが良い選手が多く、久々の優勝に期待が高まっている。さらに全日本大学駅伝で3位、持ちタイムも駒澤に次いで2位の明治大学、10000m27分台のダブルエース中谷・太田を擁する早稲田大学も注目である。

注目の選手
順天堂大の三浦龍司(予選会日本人1位、U20ハーフマラソン新記録)、中央大の吉居大和(日本選手権5000mで3位)など、今年はルーキーが大豊作の年。今年は1年生がどの区間に起用されるか、どのような成績を残すのか注目である。
さらに今年は東京国際大のヴィンセント、駒沢大の田澤が2区を走ると明言されているため、昨年東洋大・相澤が樹立した区間記録が早くも破られるか注目である。

最後に

近年の高速駅伝化、さらに学生長距離界のレベル向上により箱根駅伝の優勝予想は困難を極めている。「3強」と呼ばれる青学・東海・駒澤なのか、成長著しい明治・國學院の躍進か、名門早稲田・東洋の復活か。どんな結末であれ今年は接戦になることは間違いないであろうし、箱根駅伝史上稀に見る好勝負になる可能性は高い。

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ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。新型コロナウイルス感染予防の観点から今年は無観客で行われる箱根駅伝、今年のキーワードは「応援したいから、応援に行かない」です。気になる結末はぜひ自らの目で、今年はTVの前で確かめていただきたければと思います。それでは。

第97回箱根駅伝:2021年1月2,3日 8:00スタート(7:00から日テレ生中継)


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