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世の中を元気にする「爆笑」『山原麗華の元気なナツメロ(爆笑)』【全国ラジオ特集 発売記念②】【無料記事】


※現在発売中の「別冊TV Bros.全国ラジオ特集powered by radiko」で掲載中の特集から、未公開トークや追加取材を交えた特集を今後お送りします。


 ラジオ沖縄で放送されている『山原麗華の元気なナツメロ(爆笑)』が話題となっている。2019年10月に始まったばかりで、山原さんは豪快に笑うパーソナリティーとして沖縄はもちろん、radikoで聴いている各地のリスナーからも人気だ。試しにある日の放送を数えたら2時間で103回も笑っていた。本業はアコーディオンや三線の奏者。高齢者の施設や公民館などを訪れて楽しまさせている。2月に行った『別冊TV Bros.全国ラジオ特集powered by radiko』のインタビューから3カ月、現在は高齢者と会えない代わりにラジオから元気を送っている山原さんに、近況から聞かせてもらった。

取材・文/やきそばかおる 撮影/福澤卓弥


『麗華の笑い声はみんなを元気にする』

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――新型コロナウイルスの感染が問題となって以降、リスナーからのメッセージに変化はありましたか?

「変わりましたね。新しいリスナーが増えましたし、内容でいえば高齢者施設に入居している両親に会えなくてつらいという類のメッセージが多いです。実はいただくメッセージの8割は新型コロナウイルスに関するつらい内容のもので、私もスタッフも読んでいくうちに心が塞ぎがちだったんです。気持ちが沈むのは良くないので、スタッフのモチベーションを上げようと思って三線を披露するコーナーを作ったり、フワちゃんの格好をしたりしています(爆笑)。楽しい雰囲気が伝わったのか、今は楽しいメッセージもたくさん届いています。ただ、メッセージの数が多いので、紹介できないものが多いのが悔しいです。つらいメッセージも含めて、放送後は全てのメッセージに目を通しています」

――大変なことも多いと思いますが、フワちゃんの雰囲気のまねは素晴らしかったです(笑)。

「やっぱり、気持ちを切り替えることが大切なんです。いつも(笑福亭)鶴瓶さんにお世話になっていて、この間、鶴瓶さんの番組『ヤングタウン 日曜日』(MBSラジオ)で電話でお話する機会があって『世の中が沈んでるけど、麗華の笑い声はみんなを元気にするから頑張ってな』って仰ってくださったんです。このことがあまりにもうれしくて、気持ちが切り替わりました。鶴瓶さんと話していてラジオは聴くだけじゃなくてワクワクすることを発信していかないといけないと思いました。しかもラジオはごまかしが効かないから、暗い気持ちでマイクの前に座ってしまったらリスナーさんにバレてしまいます。リスナーさんからのメッセージで、ラジオを聴いて近所を散歩したら小さなことに幸せを見つけました…といった類の内容が届くと、ワクワクする気持ちを伝えることができたのかなとうれしくなります。


『番組でかける曲が、ある人にとっては初めて聴く曲かもしれない』


 今年2月に行ったインタビューでは、山原さんからある家族のお子さんの話を伺った。山原さんは昨年12月にラジオ沖縄で放送された『ラジオ・チャリティー・ミュージックソン』で24時間にわたり、施設やリスナーの家を訪ねてアコーディオンを弾いて歌を披露したり、街頭でコンサートを行う企画を行った。放送されていないところも合わせて、7カ所をまわった。そのうち1組は4人の子どもをお持ちの家族だった。ひとりは生まれてすぐに肺を患っていて、呼吸器をつけて一度も病院から家に帰ってきたことがないという状況。どうしても子どもたちにいつもラジオから聴こえてくる山原さんの笑い声を聞かせたいと先生に頼み『ラジオ・チャリティー・ミュージックソン』の日だけは家で過ごさせてもらったという。子どもは生まれて初めて家に帰り、山原さんとみんなで『パプリカ』を歌った。「山原さん、抱っこしてもらえませんか?」という願いに応えて抱っこをした。一夜限りの約束だったため、子どもは翌日に病院に戻った。(お話の詳細は「別冊TV Bros.全国ラジオ特集powered by radiko」にて掲載)

――その後の様子はいかがですか?

「奇跡的に呼吸器を外せるようになって退院したそうです! お礼のメッセージもいただきました。あの時に私が抱っこしたことで、生きる活力をもらったと書かれてありました」

――すごいですね! 山原さんはもともと高齢者の施設をまわっていらっしゃいましたが、今(5月上旬現在)はいかがですか?

「高齢者の施設ではここ数カ月間は面会することも制限されています。でも、館内放送で『元気なナツメロ(爆笑)』を流してくれている施設もあるんです。ある患者さんは全身麻痺で、この先、数日しかもたないかもしれないと言われていましたが、私の番組を聴いたところ、目が開いて回復の兆しが見えてきたらしいです。ひょっとすると私の笑い声に反応したのかもしれません。明日亡くなるかもしれない人が聴いているかもしれないから、1曲目は9割の人は知らなくても1割のお年寄りが知っている曲を、紹介のコメントを添えてかけることにしています。パンサーの向井さん(※1)も『別冊TV Bros.全国ラジオ特集powered by radiko』のインタビューで、『番組でかける曲が、ある人にとっては初めて聴く曲かもしれないから、自分の思いを言うようにしている』と仰っていて、私も言うようにしたんです」


人生はどうなるか分かりません(爆笑)



――「ラジオで山原さんに元気をもらっている」という人は多いですが、逆に山原さんがお会いしたい人は?

「TBSの安住紳一郎さんとMBSの福島暢啓さん(※2)です。安住さんはバラエティー番組でも面白い立ち振る舞いをしているけど『自分は司会者として生きていく』といったことを仰っていて、改めて話芸のプロだと思いました。コロナウイルスをめぐる世間の出来事に対しても、世の中を批判しても人を批判することはなくて、オブラートに包んだ批判の仕方がすごく上手。多少は辛口だとしても嫌な気がしないのがいいですね。言いたいことの全てを言うのではなく余白を残してあって、残りの部分をリスナーに想像させるような言い方をしていて勉強になります。福島さんと安住さんは仲が良いとお聞きしていますので、お2人がどんな会話をしてるのか、聞いてみたいです。あとはクリープハイプの尾崎世界観さん。『社会の窓』という曲が好きで聴くとスッキリします。世の中に対する不満や批判と自分の中にある葛藤を歌詞に込めているのに愛情があるんです。『大丈夫。あなたはひとりじゃないから、みんなで手を繋いで進もうよ』と言われている気がするんです」

――尾崎さん、素敵ですよね! 歌といえば山原さんは番組でアコーディオンを演奏しながら歌っていますが、もともとどんな職業に就きたかったんですか?

「学生時代は剣道をやっていたので剣道を続けたけど、非常に大事な試合で負けてしまって諦めました。アイドルやラジオパーソナリティーになりたかったけど、オーディションにことごとく落ちちゃいました。なんで落ちちゃったんでしょうね(爆笑)。オーディションでは小柳ゆきさんの『あなたのキスを数えましょう』や鬼束ちひろさんの『月光』を歌いました。アイドルの夢は叶わなかったけど、今はこうしてアコーディオンを持ってラジオで歌ってるから、人生はどうなるか分かりません(爆笑)」

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※1 CBCラジオ『チュウモリ「#むかいの喋り方」』を担当。


※2 福島暢啓アナウンサー(MBS)がラジオへの熱い思いを語る模様は『別冊TV Bros.全国ラジオ特集powered by radiko』で掲載しています。

<プロフィール>


やまはら・れいか●’89年沖縄県生まれ。アコーディオン・三線奏者でもあり、パーソナリティー業のかたわら、介護施設やイベントなどで演奏を行う。

<出演番組情報>

『山原麗華の元気なナツメロ(爆笑)』
沖縄・ラジオ沖縄 毎週水曜後8・00~10・00 毎週木・金曜後6・30~9・00
出演 山原麗華
●人生の大先輩に童謡や唱歌にまつわる思い出を聞き、アコーディオンで演奏する「山原麗華のいつか来た道」や、名曲の誕生秘話を紹介して生演奏する「山原麗華のモダンタイム」などのコーナーなどがある。山原の笑い声で元気になれる番組。

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