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flos 歌詞考察


R Sound Design様のflosという曲の歌詞を考察。

※こちら、ご本人様の意思とは全く関係のない個人的な解釈となっておりますので、このことをふまえたうえでの閲覧よろしくお願いいたします。

こちらR Sound Design様のYouTubeアカウントになります。
🔗https://youtube.com/@RSoundDesign


※まず初めに、この曲に登場する花の名前と花言葉からご説明。

ダフニー=ジンチョウゲ:「栄光」「勝利」

フィークス=イチジク:「子宝に恵まれる」「実りある恋」「裕福」「多産」

アイリス=アヤメ:「よい便り」「メッセージ」「希望」

マーキア=イヌエンジュ:「幸福」「上品」「慕情」

リスラム=ミソハギ:「純愛」「愛の悲しみ」「悲哀」「慈悲」

ミリカ=ヤマモモ科の低木:「ただ一人を愛する」「一途」「教訓」

サービア=アワブキ科の総称:「芯の強さ」「活力」

flos:花

サイマス= シソ科イブキジャコウソウ属の総称
:「勇気」「行動」「潔癖症」「神聖」

リベス=スグリ:「あなたの不機嫌が私を苦しませる」「私はあなたを喜ばせる」

アベリア= スイカズラ科ツクバネウツギ属(Abelia)に属する植物の総称:「強運」「謙虚」

セダム=マンネングサ属:「警戒」「要注意」「私を想ってください」「落ち着き」「記憶」

フェリシア= キク科ルリヒナギク属の常緑小低木
:「幸福」「恵まれている」

オクナ=オクナ科の木:「心踊る」「陽気」

リクニス=センノウ属:「いつも愛して」「私の愛は不変」

以上、花の紹介となります。
以下から歌詞考察をしていきますので、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。

Daphne(ダフニー)
Ficus(フィークス)
Iris(アイリス)
Maackia(マーキア)

Lythrum(リスラム)
Myrica(ミリカ)
Sabia(サビア)

flos

→出てくる花(花言葉)の順番は、これから歌詞に登場する、僕と君との間に起こる出来事の流れを示していると考えます。

①栄光
②実りある恋
③希望
④幸福
そしてがらりと一変し、
⑤愛の悲しみ
⑥一途
⑦芯の強さ
となる。

このことから読み取るなら、
僕という人物には恋人(君)が居て、恐らくその恋人とは結婚に至るまでの関係性になったのではないかと考えてみる。
僕と恋人はこれから家族になり、子供を授かる。
そんなごく普通の、ありふれた幸せな未来を共に歩んでいこうと話していたのかもしれない。
明るい未来、幸せな今。全ては順調だった。

しかし、⑤で愛の悲しみという花言葉を持つ花が登場していることから、この時点をもって恋人は何らかの病を患い、未来を共に歩めない、つまり、長くは生きられない身となってしまったのではないかと考える。
⑥の花言葉である一途は、病を患った恋人(未来を共に歩めない恋人)を想い続けたいという僕の想いなのではないか。
そして恋人も、僕との未来に希望を抱いて前向きに強くあろうと思っているのではないか。

そんな風に、幸せから一変、不幸に見舞われた二人の様子を花が咲く様(具体的には、咲いた花の花言葉)で表しているのではないかと感じた。

拝啓
僕の願いよ 未来よ 絶え間無い後悔よ
体感八度五分の夢は軈て散ってしまった

→体感八度五分の夢とは、少し強引かもしれないけど、インフルエンザの時に見る夢とも考えられる…?
つまり悪夢?
それが散ってしまうということは、悪夢は終わった(=覚めた、解放)という意味なのだろう。
これから起こる出来事の、最後にくるべき歌詞かなと思う。小説で言うと、結末から書いている感じかも。

Daphne(ダフニー)
Ficus(フィークス)
Iris(アイリス)
Maackia(マーキア)

Lythrum(リスラム)
Myrica(ミリカ)
Sabia(サビア)

Thymus(サイマス)
Ribes(リベス)
Abelia(アベリア)
Sedum(セダム)

Felicia(フェリシア)
Ochna(オクナ)

Lychnis(リクニス)

→新たに付け加えられた花言葉も同様、花言葉で出来事を表していると思う。

①勇気
②あなたの不機嫌が私を苦しませる=病気の悪化により苦しむ僕。私はあなたを喜ばせる。
③強運
④警戒、要注意
⑤私を想って下さい、落ち着き、記憶
⑥幸福、恵まれている
⑦心踊る、陽気
⑧いつも愛して、私の愛は不変

再啓
君の想いは 憂いは 回る感情論は
半径八十五分の世界に囚われた儘

→半径85センチとは自分の手が届く距離のことらしい。そのことから考えると、半径85センチの世界とは病室で寝たきりでいる恋人の世界を指すのではないか。
狭い世界、狭い部屋で、狭い視野でしか物事を見られなくなっている恋人の様子を指しているのかも。

本音を挿し罅割れた今日を溢れた一切に
薪を焼べて風に乗せて錆びた空を彩る

→病を患ったことをきっかけに、恋人は段々とネガティブな発言が増えたり、自暴自棄になったり……
それを見ている僕は僕で変わっていくさまを見るのがやっぱりどこか耐え難かったりで、些細なズレだとしても、多少気持ちのすれ違いが起きるようになったのでは。
ある日、そんな恋人に対して僕が本音でものを言ってしまった。
そこで僕はすぐに反省し、宥めるように今までの思い出を恋人に語り、暗い気持ちを晴らそうとした。
そんな様子を想像してみる。

燻んだ日々を丁寧に
飾った花は直ぐに枯れてく
愚鈍な僕は夢から覚めて
縋った意味も無いな

→病室から出られない恋人。そんな変わらない、色のない日々でも丁寧に、大切に歩もうとする僕ら。
飾った花が直ぐに枯れていくという歌詞は、この曲の歌詞に出てくる花の順番が二人の間に起きた出来事を表していると考えたことを前提としたとき、
どんな嬉しい出来事も悲しい出来事も長くは続かないという世の無常さを表しているのではないかと考えてみた。
まだそのことに気付かずにいる僕は、今の容体が落ち着いているから、きっとこのまま良くなるに違いないと平穏な日々に安堵していたのかもしれない。
…しかし、都合のいいように物事は運ばれないもので、恋人の容体は急変。僕は恋人と死別してしまったのではないか。
希望に縋っても、この世が無常なら、僕が縋ったところで意味はなかったのだと思ったんじゃないか。
はなから、不遇な運命を受け入れるほか無かったのだと。

君が僕にくれた声も色も揺るぎない愛情も
二人きりの空に光った星も疾うに散ってしまった

→恋人を喪ってしまったことを表していると思われる。希望は絶望に変わる。

難儀の末のモノクロの疲弊に季節は色褪せて
熱を帯びて鈍く膿んで擦れた街に零れる

→なぜ恋人を喪わなければいけなかったのか、なぜ思い描いた未来は何一つ叶わなかったのか、なぜ僕たちが。納得出来ない、理解に苦しむ。
そんな遣る瀬無い気持ちが堂々巡りし、疲れ果てた僕は感情が薄れてしまったのかもしれない。
何を見ても、聞いても、そこの恋人はいなくて、希望は無くて、この世界は何も変わっちゃいないのに僕だけが色を失っていく。そんな感じがする。
不満や怒りを抱いた僕が、こんな不遇を招いた世界で生き続けていることを、膿みが街に零れたと表現しているのではないか。

荒んだ日々を丁寧に
辿った先に花が咲く筈
利口な君は夢を見た儘
悟った振りで水を注いだ

→恋人を喪ってからの僕の生活はかつてないほどに荒んだのだろう。諦め、絶望、怒り、不満、哀しみ、そんな感情がうかがえる。
それでも僕は、荒みを完全に受け入れることはせず、少しずつ丁寧な暮らし(=今までの暮らし)に戻していけば、また同じように不幸の次に幸せが巡ってくると信じて生きることにしたのかも。
そう信じでもしなければ、こんな結末はとても受け入れたくないと私だったら思う。
(花が咲く様子はやっぱり現実での出来事を表しているのかな。一本の花が幸せ、その次に咲く花は不幸、またその次に咲く花は幸せ…と巡り巡るものだと僕はもう理解しているのではないか。同じ後悔を招かないように。)
恋人はきっと、そのことを僕よりも前から気付いていて、薄々、いや、はっきりと自分は死にゆくと感じていたのだと思う。
だからこそ、恋人の君は希望を抱くことはやめて、ただ僕との幸せな未来を"夢見た"まま眠りについたのだと思う。
そのことに対して、"愚鈍"だった僕は君を"利口"と言っているのだろう。
でも君は、解っているふりをしていただけで、本当は哀しくて、怖くて、不安だったのだろう。
それでも、君は自分がいなくなった後の僕を想って、次にやってくる幸せのため(一輪の花を咲かせるため)に全てを諦める"ふり"をしたのかな。
もし、私が君と同じ立場であったら、大切な相手がもういない恋人との記憶に囚われたまま(不幸な花を咲かせたまま)生きてほしくないと思う。

木漏れ日の中に柔らかく咲いた花は
雲の上で 違う星で 夢の先で揺れてる

→柔らかく咲いた花=次の幸せの花
恋人は僕が幸せになることを望んでいてくれているということを表しているのだと思う。
僕は少しずつ、前向きに生きて行こうと思えるようになったんじゃないか、そんなふうに思う。

燻んだ日々を丁寧に
飾った花は直ぐに枯れてく
愚鈍な僕は夢から覚めて
縋った意味も無いな

→この世の無常さに気付かずに生きていたことを後悔している。だけど今はもう、気付いている。
だからわざわざこの歌詞を繰り返したのかもしれない。
この歌詞はこの曲にとって重要な部分なんじゃないかと思ってる。
悲しみも喜びも長くは続かない。
人に与えられた時間というものは、花が咲いては散っていくように、長く思えて儚いものだと思う。
ただ、一瞬を重ね合わせただけの時間といえば、そういうふうにも考えられると思う。

不毛な日々を丁寧に
綴った紙に花を描いた
不遇な僕ら夢に敗れて
誓った筈も無かった事にした

→恋人を喪い、もう恋人と思い描いた未来という実りは無いけれど、この無常な世界で生きていこうと思う僕。いつまでも喜びは続かないなら、悲しみも続かない。
巡り巡る幸、不幸を受け入れるしかない。
そんな戒めを込めて紙に花を描く。
世の中は無常だとしても、この紙に描いた花が枯れないように、次にやってくる幸せがずっと続けばいいなと。

僕らの願いは叶わなかった。
なんで、どうして僕らが……というやるせない気持ち、不遇な運命を受け入れることはやっぱりとても難しい。

だけど、この世界の理に敗れてしまった僕らは、守られるべきだった誓いも無かったことにしていくしかないのだろう。
冒頭で考察した、悪夢、とは、恋人と幸せな未来を夢見た時から恋人を喪うまでの出来事のことだろう。ずっと、ずっと、その記憶に囚われていた僕はやっと解放されたのだろう。
(悪夢と解釈するのは少し言葉が悪いかもしれないけど、幸せだった記憶すらいつか自分を苦しめることになるということを表現するために使いたい。)

Daphne(ダフニー)
Ficus(フィークス)
Iris(アイリス)、
Maackia(マーキア)

Lythrum(リスラム)
Myrica(ミリカ)
Sabia(サビア)
Thymus(サイマス)

Ribes(リベス)
Abelia(アベリア)
Sedum(セダム)
Felicia(フェリシア)
Ochna(オクナ)

Lychnis(リクニス)

Daphne(ダフニー)

Ficus(フィークス)
Iris(アイリス)
Maackia(マーキア)

Lythrum(リスラム)
Myrica(ミリカ)
Sabia(サビア)
Thymus(サイマス)

Ribes(リベス)
Abelia(アベリア)
Sedum(セダム)

Felicia(フェリシア)
Ochna(オクナ)

Lychnis(リクニス)

→この花が僕と君の記憶だと思うと、淡々と繰り返され咲き変わる様子は、美しさより残酷さを感じさせるなと思う。あっけない、というか、時には逆らえないというか……どれだけ祈っても思い通りには歩めない人の無力さを感じる。

追記:病室という狭い世界での移り変わりが病室に置かれた一輪の花により表現されているんじゃないかと思う。
お見舞いの時にお花を持って行ったりするから、病気と花の関係性は深いと思いました。ただそれだけですが…。
僕と君、そして花。この三者だけの世界。
花が咲き、枯れていく時の流れは人に止めることなど出来なくて、ただその花が咲いた瞬間から枯れるまでを見守らなくてはいけないことを人の時間と重ねて表しているのではないだろうか。
MVでは次々に移り変わっていく背景、ただ花だけが変わらずそこに咲き続けているから。
不遇な運命による人生の移り変わりを花が咲き変わる様子で表しているのだとしたら、美しくて神秘的なのに、あまりにもリアリスティックじゃないかな。


たくさんのいいね、本当にありがとうございます(TT)

⬇️セルフカバーのほうもとっても素敵なのでぜひ!!
🔗https://youtu.be/wyRrub68qww?feature=shared

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