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バーバヤーガ 歌詞考察


煮ル果実さまの「バーバヤーガ」という曲の歌詞を考察。
こちら、煮ル果実さまのYouTubeアカウントになります。
🔗https://youtube.com/@NILFRUITS?feature=shared

※こちら、ご本人様の意思とは全く関係のない個人的な解釈となっておりますので、このことをふまえたうえでの閲覧よろしくお願いいたします。

こちらもまた独り言のようなものだと思って見ていただければ…🙏🏻

魔法をかけて、
そうかけて、もうかけて神様
束の間の温もりじゃ足りない
愛を浴びたい
甘い菓子を、氷菓子を
頬にためて中和しよう
人並みの道と蜜の味を
知ったBaba Yaga

→MVに出てくる少女を中心として考察を進めていきます。
この少女は、今の状況に満足しておらず、愛に飢えていると思われる。誰かに愛されたい、何か人生が劇的に変わるような幸せを手に入れたい=魔法をかけられたい(存在しないものに頼るくらい、頼れるものが周りにないのだろう)と思っているのかなと思った。
甘い菓子を氷菓子を頬にためて中和という歌詞の意味は、楽しい思い出や嬉しい思い出を糧にして苦い出来事や辛い出来事をプラマイ0にしたいということかなと。(ということは、この少女にも過去に少なからず楽しい出来事や嬉しい出来事はあった?)

消費してくアンハッピーなシーン
憧れの新13Flavor
口に入れたら毒々
でも辛い日は百薬かもね
レインメーカー横目に
価値も勝ちも無い滑稽なDance
認めたくない劣ってるって
銀貨30枚足る命だって

→人を笑わせたり、喜ばせたりして、人から好かれ認められて自分の中の嫌な思い出を消していこうとしている(MVで少女が通行人の前でおどけているから。)
足元には花瓶が一つ。気に入ってもらえたら花が入れられるのだろう。(ちなみに、一輪だけ入れられている向日葵の花言葉は「あなただけを見つめる」など。この少女のことを純粋に好いている人が居たのかも?)
憧れの新13Flavor =アイスクリームの31と掛けている?子供が憧れ、親に買ってもらうアイスに憧れている=親から与えられる愛がほしい、とか。
(アイスを)口に入れたら毒々という歌詞の意味としては、いざ愛を与えられたらその愛に少女は依存してダメになってしまうに違いないけど、その愛が少女の中にある苦しみや辛さなど様々な心の痛みから救ってくれるかもしれないよねってことかなと思った。
レインメーカー=雨のように金を降らす人のこと。たった一人の力で少女の何倍も、何十倍も価値が人からつけられるような人を横目で見ながら、自分は銀貨30枚で足るほどの価値しかないと感じている。
誰かに認められるために頑張っておどける自分が、人のためを思っているかどうかも分からないレインメーカーより劣っているなんて認めたくない。

毎夜 毎夜
唱えれば唱えるほど
酸素が鉛みたいに病魔みたいに
肺を牛耳ってく
特別扱いをされてみたい
少しでも上に立ってみたい
その思考は凡庸な人間になってる証拠さ

→毎晩毎晩、誰かに認められたい、愛されたいと願うほど、苦しくなっていく。
誰かに特別扱いされてみたい、誰かの上に少しだけでも立ってみたい。
そんな"特別"を願っているけど、特別になりたいと願うのは特別ではない平凡な人間。特別になりたいと願っている時点で、自分は何者にもなれないと自覚はしているのかもしれない。

このタイミングで、MVでは少女は一人の老婆に連れ去られる。老婆が少女にアイスとバラを手向けていることから、アイスとバラで少女の心を掴もうとしているのだろう。(アイス(愛す)とバラ(花言葉)=愛)

魔法をかけて、
そうかけて、もうかけて神様
蝕まれて 徐々に 染まるような
愛を浴びせて
甘い菓子を、氷菓子を
溶かすほどイルな化粧
手塩にかけられて頬を
緩めたBaba Yaga

→早くうんと愛されたい、早くうんと幸せになりたい。それが少女の願い。
イル=これがもしHIPHOP用語なら、中毒性のある病んだ格好良さを表現するときに使われる。(老婆に連れ去られた先は、踊り子たちのいる建物)
口に入れたらすぐに溶けてしまうような甘い菓子や氷菓子とは違って、イルな化粧をして踊っていたら、少女はバーバヤーガに褒められ、認められ、期待され、愛される。つまり、この老婆の元にいれば、少女はずっと愛され幸せになれると思っている。喜んでいる。

ニワトリ小屋の骸
羊飼いの財布 ナンセンスな
マーケットに手向けた花束
不可思議なワルツで焦げ付く爪の赤
明日は我が身でしょう

『Who's the master?』
ずっと望んでいたflavor

→ここのパートだけ雰囲気がガラッと変わる。暗くて、不穏になる。
ニワトリ小屋はおそらく、バーバヤーガの小屋のこと。(サーミ人の文化圏では高床倉庫がかつては造られていたが、これがバーバ・ヤーガの棲む「鶏の足の上に立つ小屋」というモチーフの外見的な由来に影響があったと考えられる。以上、Wikipediaより引用)
つまり、老婆=バーバヤーガ
骸=死んで魂が抜けた体、この少女を含めバーバヤーガに連れられた踊り子たちはみな、バーバヤーガの小屋でバーバヤーガに食い尽くされる=利用し尽くされるだけの末路を辿る?
羊飼いのサイフ=ナズナのことをこの名前で呼ぶこともあるらしい。ナズナの花言葉は『I offer you my all(あなたに私のすべてを捧げます)』(英)となると、少女はもう完全にバーバヤーガの虜。与えられた愛に依存している。
そして、バーバヤーガは少女の忠誠心を確かめるためにより上質な愛を商品として、上手く踊れたほうが手に入れられるとでも伝えたのかもしれない。(少女が盲目的なのはバーバヤーガも恐らくわかっているためナンセンスなマーケット。これは単なるバーバヤーガの好奇心?遊び?)
ここで少女のワルツの相手として男性が登場するけど、ワルツは男女で踊るものなので、相手がなぜ男性なのかということにこれ以上の意味はないと思う。
(そしてなぜワルツなのかを考えてみたところ、ワルツがさらに有名になったウィーン会議「会議は踊る、されど進まず」より生まれた、「みんなが仲良くワルツを踊ったら、きっと円満に解決するだろう」という結末を否定するために踊らせたのかもしれない。(実際に、ウィーン会議でも話は全く進まなかったらしい)
当然、このMVでも二人が選ばれることはなく、どちらかしか選ばれない。与えられるためにはバーバヤーガの期待に応えて続けるしかない、支配されるしかない。
こういうことをバーバヤーガは何度もしているのかも。
ナイフを渡しているのは、他人を蹴落としてでも忠誠を尽くす忠実な道具であるか確かめるためもあるのかも?今ここで少女が拒否したら、きっと明日の自分は蹴落とされる側。男性は殺されたのかな…。

(焦げ付く爪の赤という歌詞の意味はわからない)

ここで「Who's the monster?」という歌詞が出てきていることから、少女はバーバヤーガの正体に気づいてしまったのだろう。
けど、与えられた愛の味が忘れられない。いや、この愛の味を味わえなくては死んだも同然。
だから少女は、この老婆が"バーバヤーガ"だとしても拒絶しない。バーバヤーガが与えるアイスやバラ=愛が欲しいから

魔法をかけて、
そうかけて、もうかけて神様
束の間の温もりじゃ足りない
何度だって撫でて
甘い菓子と、氷菓子じゃ
飽き足らずに首輪と
手錠をかけられて道を
外したBaba Yaga

→もう束の間の愛じゃ満足できなきなった少女。与えられる愛に貪欲になる。
その結果、バーバヤーガに支配され、人の道を踏み外した少女。

魔法よ 解けないで、
解けないで、溶けないで神様!
贅を尽くした言葉は要らない
『愛す』をね頂戴
甘い苦悩、苦い甘言も
承認されて消えるもの
この世の摂理と鉄の味を
知ったBaba Yaga

悪魔に売り飛ばした心
すくってBaba Yaga

→人の道を踏み外してもなお、バーバヤーガにかけられた魔法=仕組まれた幸せ が解けないでほしいと願う。アイスが溶けないでほしい=愛を失いたくない。
贅沢な言葉はいらない、ただ「愛」だけがほしい。それが嘘だとしても。
甘い苦悩=自分の願いが叶ったうえでの悩み。
苦い甘言=人が気にいるような口先だけの言葉。本心からではないため、甘くないことを知った時、その苦さ=辛さを感じる。
(甘いの意味2. 物事の運びが自分の望むとおりである。)(苦いの意味3. つらくて苦しい。その事を考えたり思い出したりするのも嫌である。)
そんな甘い苦悩も、苦い甘言も、バーバヤーガが自分を承認してくれるなら、甘さも苦さも大して気にもならないだろう。自分がかつてどんな願いを抱いていたのかも、利用されるだけの悲しみも気にしない。

この世の摂理=与えられるために対価を支払わなければいけないということ。
鉄の味=血の味?他人を蹴落とすこと?
を少女は知った。

最後、悪魔=おそらくバーバヤーガのこと。
に売り飛ばした心(捧げた心)をすくってほしいと言っているのは、こう生きるしかないからこう生きているだけで、少女が望んだことではないから?

この少女はただの愛ではなく、
子供が強請った31のアイスクリームを買ってあげる親のように、転んで怪我をした子供の頭を撫でる親のように、生まれた瞬間から生きているだけで愛される無償の愛がほしかったのかもしれない。

バーバヤーガの概要欄より、煮ル果実さまのコメント

奇跡も魔法も作られたものだとしたら。
憧れと盲目の行く末
…奇跡も魔法も人為でしか存在しないとしたら?
それらに憧れ、盲目に想う人たちの行く末は恐らく、人の手によって支配されることとなる。
ってことなのかなーと勝手に思ったり。

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