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【詩の森】599 沈黙するテレビ

沈黙するテレビ
 
イタリア在住の
日本人ユーチューバーの話では
イタリアには
大きな争点について議論する
テレビの討論番組が一つだけあるという
例えば
ワクチンパスポートの導入の是非について
グローバリズム側と
反グローバリズム側の論者たちが
論争するのだという
一つだけとはいえ
羨ましいことだと思う
 
翻って
日本のテレビはどうかといえば
そのような番組は皆無ではないだろうか
日本の大問題といえば
・国会事故調が提言した福島原発事故原因の究明と
責任の所在について
・原発事故緊急事態宣言の収束方法について
・原発再稼働の是非ついて
・大地震への備えについて
・トリチウムを含む処理水の海洋放出の是非について
・新型コロナワクチン接種後症候群の救済について
その外にも幾つも挙げられるだろう
 
しかし何故か
それが国策となると沈黙してしまうのだ
それがテレビ局の問題なのか
大きな圧力のせいなのか僕には分からない
ただ一ついえるのは圧力がないのなら
イタリアと同様に
そんな番組が一つくらいあってもよそさうだ
と思うだけである
テレビばかりではなく
自治体の長も議員さんも口を揃えて
国策だからという
まるで国策だから仕方ないといいたげだ
 
国策とはいったい何だろうか
世論調査では
原発再稼働に反対する人が7割もいるという
むべなるかなと僕も思う
僕も以前こんな歌を詠んだ
プレートの上なる地震列島になんと原発五十余基也
原発は配管オバケと喝破して戦い抜いた珠洲の人々
私の住む茨城県の東海第二原発は
大震災当時危うく危機を免れた原発である
東海村周辺には18もの原子力関連施設があり
複合災害も懸念されている
それを国は動かすという
 
東海第二原発の30㌔圏内には
94万人が住んでいるといわれる
その中にはすでに逃げ出した人もいるだろう
繰り返し問う
国策はとはいったい何だろうか
それは国民の総意に基づく政策ではないのか
元旦に起きた能登半島地震
もし珠洲に原発が立っていたら
どうなっていただろう
どうあっても誤りを認めない政府は
福島の甲状腺がんは事故のせいではないと
未だに言い張っている
 
2024.2.3
 
 

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