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【詩の森】512 猫と人間 

猫と人間
 
猫を飼い始めて
一年が過ぎた
妻の友人の友人のそのまた友人から
二匹同時に貰ってきた
姉弟だという
早速名前をつけた
ベリーは気が強そうな女の子
ゆずはおっとりした男の子だ
 
その日から
猫との共同生活が始まった
半年ほどすると
こちらも要領が分かってきて
彼らも警戒心を解いて寛ぐようになった
それが今では勝手し放題である
どこでも爪を研ぐので
家がぼろぼろになっていく
 
猫の暮し振りを
具に観察していると
ありふれた感想だが
猫は猫としかいいようがない
彼らは一瞬たりとて猫を逸脱しない
猫として真っ当に生きている
それはそれで
何だかすがすがしい
 
翻って人間がそれ程
すがすがしいとも思えないのは
他人に干渉するからではないだろうか
それが嵩じると
他人を服従させ支配しようとする
奴隷化である
第四の権力のマスコミが権力の側について
知識と情報と富の格差が拡大中だ
 
民主主義は
人間は誰しも自由で平等だと説いたが
今や極端な富の集中が
再び奴隷化への道を突き進んでいる
国家とてグローバリストの言い成りではないか
我が家の猫たちは
今日も幸せそうに
タワーの上で眠っている―――
 
2023.6.24
 

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