【詩の森】575　猫

猫
 
足を折って
香箱座りをする
しっぽを体に巻き付けて座る
まるで時と場所を
心得ているかのように―――
そして
しなやかな体を投げ出すか
丸くなって眠る
猫の居住まい佇まい
その体積が彼らの領分だ
きっちりその身一つで
彼らは生きている
猫ははみ出すことがない
それが美しい
人にも昔
清貧という言葉が
あった―――
 
2023.12.28