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【詩の森】636 情報戦

情報戦
 
一度気になったことは
何故か後々まで覚えているものだ
もう何十年も前に
ある自己啓発セミナーで
「社会は平等か」と聞かれたことがある
その時は思いつくままに
「ほぼ平等」と答えた
しかし今ならその答えはNOだ
NOといえるだけの事実を
たくさん知ってしまったからだ
 
マスコミを
唯一の情報源とする人ほど
その色に染まっていくだろう
何故なら
マスコミの所有者たちは
色付けすることで利益を得ているからだ
その方法は二つ
知らせてもいいことだけを知らせる
そして
同じ論調で世論を導くことである
 
日本では更に
翻訳者の意図も加わるだろう
外国語から日本語に変換するとき
意図的にニュアンスを変えることも
容易にできるだろう
日本語のニュースを聞いているだけでは
気付きようがないからだ
僕らは毎日情報の定食を喰わされている
その論調に
次第に洗脳されていく―――
 
新型コロナワクチン騒ぎで
世界中の多くの人々が
マスコミの嘘に気付いたことだろう
しかし出遅れた日本が今や
100人あたりの接種回数では300回を超え
世界一の接種国なのだ
洗脳とは情報を鵜呑みにすることだ
今にして思えば僕がセミナーの問いを
忘れずにいたのは
その問い自体が意外だったからだろう
 
当たり前のことを
何故今さら聞くのだろうか
その時僕はそう思ったのだった
当時の僕は学校で教わった通り
この国は民主国家で
憲法によって自由と平等は守られていると
頭から信じ切っていたのだ
人は教育によって洗脳され
自ら経験し学び気付くことで
洗脳の鎖を断ち切っていく
 
本も読まず
自分で考えることもしないで
どうして洗脳を解くことができようか
どうして消費税はあるのか
どうして正規と非正規の社員がいるのか
どうしてマスコミは
ほんとうのことを伝えないのか
今では当たり前となった
それらのことを
自分に問い質してみればいい
 
西側には西側メディアの主張があり
東側には東側メディアの主張がある
僕らは双方の言い分に耳を傾け
自分で判断すればいいのである
ほんとうのことなど
どこにも用意されてはいない
それは僕らが探し出すものなのだ
世界を舞台に行われているのは
弾の飛ばない戦争――
つまり情報戦なのである
 
2024.5.10
 

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