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【詩の森】471 嘘の世界

嘘の世界
 
今日僕に届いた情報の中には
どれほどの嘘が
紛れ込んでいるのだろう
訳も無くそんなことを考えている
思えば何も知らずマスコミの情報を
信じ切っていた遠い日―――
 
世の中が複雑になり
知識格差が広がるほど
僕らはあらゆることをBlackBoxとみなし
便利さだけを享受するようになるだろう
そしてその負の側面は
巧妙に隠されていくのだ
 
例えばウィルスについて
PCR検査について
感染症に関する
コッホの4原則について
ほんとうに理解できた人は
どれほどいるだろう
 
かつて
人々が地獄絵を恐れたように
今やテレビの映像が
戦車がミサイルが核兵器が
人々を恐れさせる
赤子の手をひねるように―――
 
恐怖は僕らの理性を狂わせる
僕らは無知につけこまれているのだ
僕は2年程前に池田清彦さんの
「この世はウソでできている」
という本を読んだ
その時は半信半疑だったけれど―――
 
パンデミック―――
これほどまでに巨大な嘘を知った今
僕に届いた情報の大半は
嘘ではないかと疑ってしまうのだ
その真偽を確かめる術は
僕らにはないのだから―――
 
ただ僕にあるのは
それでも人を信じたいという
かすかな願いだけだ
それとも世界はもともと
こんなものだったのだろうか
知らなかったのは僕だけで―――
 

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