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【バンドリ!】豊川祥子は、あの時一体何を思っていたのか?(それと、若葉睦の事)【It's MyGO!!!!!】
考えてみました。
【始めに】
皆さんは、2023年6月末より放送していた「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」というアニメはご存じでしょうか?
……ご存じですよね、はい。
では、もう第13話(最終回)までは視聴し終わっているでしょうか?
もしもまだのようでしたら、この記事では第13話視聴前提のネタバレを含んだ話をさせていただきますので、先に最終回までご視聴ください。
[自分語り](※読み飛ばして良いです※)
……さて、早速の自分語りで恐縮なのですが、自分はバンドリというコンテンツの内容を、アニメ1期およびガルパ☆ピコ1期/2期、それとSwtich版(それもDLCを除く)程度の事しか知りません。
つまり、シーズン1までの内容に関しては大体知っている(とは思う)が、アプリ版はやっておらず、今更やり始めるのも大変そうなので、Swtich版にシーズン2のストーリーが入ってはくれないものか~と、待ちわびている……そんなちょっと珍しいであろう状態の人です。
そんな状態のため、シーズン2以降の話になるらしいアニメの2期および3期は見ておらず、「It's MyGO!!!!!」に関しても初めは見るつもりがありませんでした。
しかし、世間の評判を見るに、どうやらこのアニメはとても面白いらしい。
それに、2期や3期を見ていなくても問題はない~との事でした。
実際、自分の周りの人達も絶賛していて、それならば~と思い、その時点で放送されている第12話まで見てみました。
──面白い。
……いやもう、バチクソに面白い!こんなに面白くって、本当にいいんですか!?
……これが、このアニメを見た率直な感想です。
その後、約1週間ほど最終回の放送を楽しみに待ち、今に至る~といった感じです。
[この記事では何を書くのか?及び諸注意]
……さてさて、このアニメのおもしろさ~というのは、他の大勢の方々が存分に語ってくれている事でしょう。
なので、ここでは表題の通り、豊川祥子があの時~CRYCHICを辞めた時、第7話で高松燈達が演奏する春日影を聞いた時や、その他色々な場面で~一体何を思っていたのか?
それと、おまけとして若葉睦の事や、それらに付随したちょっとした事。
……これらについて、自分なりの考えを書いていこうと思います。
なお、自分の癖として物事をなるべく誰も悪者にしない方向に解釈しようとする事や、アニメの内容を全て記憶しているわけでもないため、一部アニメ内での言動と矛盾した考えを書く事があるとは思います。
それでも構わない~という方はお付き合いください。
【本編】
重ねてにはなりますが、以下の内容には第13話視聴前提のネタバレが含まれますのでご注意ください。
[CRYCHICを辞める事になった原因とは?]
まずはこの話からさせていただきます。
これは第13話ラストで判明したように、”家庭環境の変化”が原因なのでしょう。
元々住んでいた豪邸に住み続ける事が叶わなくなり、古びた家で(母親は姿が確認できていないので不明ですが)酒浸りの父親と暮らす事となった……おそらく、あの様子だとこの父親はまともに働いていないのでしょう。
そんな父親の代わりに生活費を稼ぐため、豊川祥子はコールセンター(?)でアルバイトをしていたのでしょう。
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何故そうなってしまったのか?という事に関しては想像する他ありません……が、ちょっとだけ予想してみました。
これに関しては、この記事でこれから書いていく内容とは特に関係がないので、以下の区切り線の中の内容は飛ばしていただいても構いません。
第8話での長崎そよとの会話シーンの前や、第13話で豊川祥子の帰宅途中のシーンにおいて、元豊川家の電気が点いていた事が確認できます。
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また、第8話での長崎そよとの会話シーンの前の場面で、(音だけですが)豊川祥子が元豊川家の門を開けて中から外へと出ていった~という様子がうかがえます。
その事から、元豊川家にはまだ人が住んでいて、第8話での長崎そよとの会話が元豊川家の敷地内で行われていたのだとすれば、そのために住人に敷地に入る許可を貰っていたのではないか?……と考えます。
豊川祥子の母親の姿が確認できていない事も踏まえて、”家庭環境の変化”の”原因となった何か”は”両親の離婚”なのではないか?……と予想してみます。
あの家は元々母親の物で、離婚した父親はそこから出ていく事となった。
豊川祥子はそんな父親を放っておくことができず、父親と共に暮らす事に決めた。
父親はその時のショックから精神を病んで酒浸りになり、金銭面の問題から豊川祥子は月ノ森女子学園から他の学校(羽丘女子学園)に転入せざるを得なくなり、アルバイトも始める事となった……こんな所でしょうか?
特に根拠があるわけでもないですし、父親に着いて行く事にした理由に関しても正直薄い気がするので、全く違うという可能性は高いとは思いますが……少なくとも、元豊川家にはまだ誰かしらが暮らしている~というのは事実だとは思います。
……さて、とにもかくにも”家庭環境の変化”の”原因となった何か”……その事を、CRYCHICの初ライブの後~皆がライブの感想をSNSで見ている所で、スマホを見て悲しそうな表情を浮かべている場面~で知らされたのでしょう。
そうして、学校もバンドの練習も休み、長崎そよからの連絡に返信するだけの余裕もなかった豊川祥子は、最終的にCRYCHICを辞める……という決断をしたのでしょう。
[CRYCHICを結成した目的とは?]
……特別、大した事は書きません。
ただ、この記事を書き始める前に2つ程の説が浮かんでいたので、その考えを整理する~といった意味で書かせてください。
1つは、Ave Mujicaのように、今すぐに~とは言わずも、いずれはメジャーデビューをして、有名になったり自分でお金を稼いだり等……そういった事をしたいからという目的で皆に声を掛け、バンドを結成した~という説。
両親が有名人で幼馴染だから声を掛けやすかった若葉睦、お嬢様学校通いで月ノ森音楽祭(どれ程の規模の物なのかはわかりませんが)に出演するほどの実力がある長崎そよ、姉が有名である椎名立希……と、高松燈こそ完全なる偶然で誘いはしたものの、他のメンバーは実力や実績があったり有名人の関係者であったりで、メジャーデビューするにあたって申し分ない~といった考えで皆を集めてバンドを結成した……そんな説。
自分がまだ”家庭環境の変化”の”原因となった何か”の事を色々と考えていた頃や、”後で書くかもしれない事”との整合性なんかを考えていた頃に思いついた説なのですが……正直これは違うような気がしています。
……というか、これは違います、違うと信じています、なので、次。
──もう1つですが、豊川祥子自身が純粋に”バンドを楽しみたかった”から……これでしょう。
メンバーを勧誘した理由も、第3話で豊川祥子が言っていた通り、若葉睦は(幼馴染であり)幼少の頃からギターを嗜んでいて頼もしいから、長崎そよは(同じ学校の生徒であり)月ノ森音楽祭で素晴らしい演奏をしていたから、椎名立希は(ドラムが必要だった所で)彼女の姉との縁があったから……そして、高松燈は偶然出会った彼女の書いた歌詞に感銘を受けたから~といった所なのでしょう。
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──そんな、”バンドを楽しみたかった”という純粋な思いで始めたCRYCHICを、一体何を思って辞めようとしたのか?その話をする時に一体何を思っていたのか?
次の項目で、これらについて書いていこうと思います。
[何を思ってCRYCHICを辞めようとしたのか?]
CRYCHICの初ライブの後、学校にもバンドの練習にも来なくなった豊川祥子……おそらく、”家庭環境の変化”に伴い、色々とごたついていたのだと思います。
そうしている間、豊川祥子は何を思って、CRYCHICを辞めると結論付けたのか?
……少し書いてみたいと思います。
”家庭環境の変化”の”原因となった何か”があった事で、元の生活は送れなくなってしまった。
父親も酒に溺れてしまうようになり、働く事もしなくなってしまった。
まだいくらか貯えはあるにしても、先の事を考えると、稼ぐ手段は得なければならない。
……でも、”ただの学生でしかない”自分に、できることなどあるのだろうか?
──そうだ、CRYCHICをメジャーデビューさせればいいのではないか?
幸い、メンバーは全員、実力や実績があったり有名人の関係者であったりで、メジャーデビューするにあたって申し分ない。
……しかし、高松燈はどうだろうか?
初ライブを見に来てくれた人達の感想で、唯一彼女だけが批判を受けていたように、今の彼女にはすぐにメジャーデビューできるだけの実力はない。
それに、何かしらの実績があるわけでも、特別名前が知られているわけでもない。
ならば、せめて実力を身に着けてもらうために、彼女は”特に練習しないといけない”……そうでなければ、この5人のCRYCHICでメジャーデビューをして稼いでいく事は、到底できないだろう。
──いや、そもそも”私一人の問題”に、皆を巻き込む事なんて、果たしてできるのだろうか?……できるわけがない。
……この事を打ち明ければ、きっと皆は力になってくれるだろう……なってくれてしまうだろう。
だけど、メジャーデビューをするという選択は、彼女達の”一生”に関わる事である。
それに、メジャーデビューをして、稼ぐためにバンド活動をしていくとなれば、楽しいから~などとは言っていられないだろう。
例えメジャーデビューを果たしたとしても、楽しかったこの5人のCRYCHICは、結局いつの日にか壊れてしまうだろう……それも、皆の大切な”一生”を犠牲にした上で。
……だから、相談なんてできない。
かと言って、このまま続けていく事もできない。
──それならば、私が”CRYCHICを辞める”しかない。
……こんな感じではなかったのだろうか?と、考えています。
[CRYCHICを辞めるという話をする時、一体何を思っていたのか?]
前述した通り、辞める理由に関しては皆に相談する事はできない。
相談しないにしても、それを気取られてしまっては意味がない。
──ならば、自分が嫌われるようにすればいい。
そうすれば、皆は自分に関わってこないようになってくれるだろう。
……そう思っていたのではないか?と、考えます。
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そういった思いの下、雨に濡れた自分を拭いてくれようとした長崎そよの優しさを拒み、CRYCHICを辞めると宣言し、座って話し合いをするという事もしようとせず、理由を訊ねられても”私一人の問題”ですからと言うだけで、先日のライブに関しても、楽しかったとかまたやりたい等とは言っていない……そう答えたのでしょう。
ただ、長崎そよの「でも、CRYCHICを始めたのは祥ちゃんだよ?祥ちゃんが辞めたら……」という発言に対しては、何も答える事無く、俯いて表情を曇らせています。
「祥ちゃんが辞めたら……」という言葉の後に続くであろう言葉……それが「CRYCHICは解散してしまう」なのか何なのかはわかりませんが……とにかく、今まで通りCRYCHICを続けていく事なんてできない~そんな内容の言葉なのでしょう。
……自分が辞めても、バンドは続けていてほしい……豊川祥子には、そんな思いはあったのでしょう。
しかし、長崎そよの言葉を聞いた事で、本当にこれでいいのか?という迷いが生じたのか……高松燈が本当に辞めてしまうのか?と問うてきたり、それを聞いた椎名立希がどうなんだ?と詰め寄ったりしますが、しばらく無言が続きます。
それでも、私は”CRYCHICを辞める”しかない……そう判断したのか、続く椎名立希の言葉の後、堰を切ったように、全員揃わないとできないルールなんてない、今まで何をやっていたんだ?……等といったような、今までよりも明確に棘のある言葉を吐いています。
……ただ、これらも含めた発言は、ほぼ全て誰とも”目を合わせずに言っている”、もしくは、初めは目を合わせていても、最後には”視線を逸らしている”(高松燈への発言時)のです。
この事からも、これらの発言は決して本心ではないのでしょう。
……結局、そのままCRYCHICは事実上の解散となってしまうのですが……豊川祥子には、それでもそんな事を言わなければならなかった……こうする他に自分にはどうする事もできなかった……といったような”無力感”や”悔しさ”のような思いがあったのではないか?……そう考えます。
……ちなみに、第1話の第三者目線のこのシーンと、第3話の高松燈視点のこのシーンでは、高松燈に対する発言をした際の豊川祥子の視線が少し違っています。
第1話では、上記した通りに高松燈への発言時は目を合わせるものの、最終的には視線を逸らしています。
ですが、第3話では最後まで視線を逸らさずにいるのです。
特に深い意味のない演出上の違いなのかもしれませんが……これは、CRYCHICが解散してしまったのは自分の所為だ~と思い込んでいる高松燈が、豊川祥子の自分に対する叱責が本心からの言葉である~などと勘違いしてしまったが故に、このように見えていたのではないか?……なんて思ったりなんかしています。
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[CRYCHIC解散後、高松燈に対して一体何を思っていたのか?]
CRYCHIC解散後、豊川祥子は月ノ森女子学園の中等部を卒業した(?)後に、高松燈の通う羽丘女子学園の高等部に転入する事になりました。
入学式当日、豊川祥子は高松燈の姿を確認すると、「あっ」といったような表情を浮かべた後、そのまま彼女を無視します。
皆にはもう自分と関わらないでほしいから~と、CRYCHICを辞めたのですから、無視をするのは自然な反応でしょう。
では、高松燈に対してはもう何とも思っていないのか?……そう問われれば、それは違うと答えます。
第1話で、豊川祥子は千早愛音がバンドを組みたがっている事を知ります。
そんなバンドを組みたがっている千早愛音が、高松燈と一緒にいる(千早愛音が高松燈をカラオケに引っ張っていく)所を目撃しています。
それを踏まえて、第4話では、豊川祥子は千早愛音に「バンドメンバー見つかりまして?」と声を掛けています。
おそらく、千早愛音が高松燈をバンドに誘ってくれたのかどうかを確かめたかったのでしょう。
そして、第7話……高松燈達の初ライブにやってきた豊川祥子は、碧天伴走を歌うも全く声が出ておらず、以前のようには歌えていない彼女~会場に来た豊川祥子の姿を目撃し、自分が上手く歌えなかった所為でCRYCHICが解散してしまった(と思い込んでいる)という事を思い出してしまい、自信が無くなってしまったのでしょう~に対し、激励の意味を込めたであろう表情を向けます。
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──これらの事から、豊川祥子は高松燈に対して、どこか別の場所で”頑張ってほしい”、”やり直してほしい”~といったような思いがあったのだろう……そう考えます。
[若葉睦の「月ノ森に来る?」に感情的になった理由]
ここでちょっとしたお話。
そもそも豊川祥子が高松燈達のライブに来たのは、いつまでも自分に会おうとしてくる長崎そよに話を付けるため(その件に関する若葉睦との会話は第6話にあります)なのですが、そこで若葉睦の「(長崎そよと話をするために)月ノ森に来る?」という発言に対し、豊川祥子は「行ける訳ッ……」と、感情的になって返しているのです。
その後、すぐに落着きは取り戻してはいるのですが……おそらくは、”家庭環境の変化”によってもう月ノ森女子学園には通えなくなってしまった~だから「行ける訳がない」。
それと、第8話で判明するのですが、豊川祥子はクラスメイトに名前も認知されていません……これは、家庭の事情なんかを訊かれないようにするために、敢えてそうしているのでしょう。
そんな真似をする必要がなかった月ノ森女子学園には、豊川祥子を見知った元クラスメイトが大勢いる事でしょう。
そんな場所に行ったら、転校してしまった豊川祥子の姿を見た元クラスメイトに、訊かれたくない事をあれこれ訊かれてしまうかもしれない~だから「行ける訳がない」。
──このような思いが合わさって、つい感情的になってしまったのではないか?……そう考えます。
……そんなお話でした。
[春日影を聴いて涙した理由]
……さて、碧天伴走の演奏が終わった後の場面。
高松燈は、豊川祥子への思いを語り始めます。(以下聴写)
「来てくれて、嬉しい。あの時、上手く歌えなくて。皆、バラバラになって。辛くて、辛くて。もう、こんな思いはしたくない。バンドなんて、もう嫌だって思ってた。でも、まだ名前もないバンドだけど、迷子のままでも、進みたい。今日もずっと、怖かったけど。頑張れって、言ってくれた気がして。私は!必死にやるしかできない!だって!私の歌は!心の叫びだから!」
──豊川祥子は、その言葉を真剣な面持ちで聞き入れます。
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そして、高松燈の「私は!必死にやるしかできない!だって!私の歌は!心の叫びだから!」という言葉を受け、思わず泣きだしそうな表情になります。
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……これは、”頑張ってほしい”、”やり直してほしい”~そんな事を想っていた高松燈が、迷いながらも前へ進み始めた事に、心を打たれたからなのでしょう。
──しかし、途中から始めていた要楽奈の伴奏が春日影のイントロに変わると、その表情は一変します。
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これは一体、どんな表情なのでしょうか?
この時の豊川祥子は一体、どんな気持ちだったのでしょうか?
CRYCHICの大切な曲を勝手に演奏されて傷付いたから~なのでしょうか?
……それは違うと考えます。
──彼女は、思い出してしまっていたのではないでしょうか?
目に映るのは、(ただ一人を除き)楽しそうに演奏するかつてのメンバーの姿……あの時~CRYCHICの初ライブ~の自分達と同じように、楽しそうに演奏する姿です。
そんな皆の姿を見て、あの時に演奏した曲を聴いて、楽しかったCRYCHICでの日々を思い出してしまったのでしょう。
そして、高松燈は曲の最中、手を差し伸べるような動きをするのですが……その瞬間、豊川祥子は”無意識に伸ばしていた”であろう手を、さっと引っ込めているのです。
”無意識に伸ばしていた”その手は、叶うのであれば”あの頃に戻りたい”……そんな思いの表れではなかったのでしょうか?
しかし、それが叶う事はない~というのは、彼女自身、重々承知している事でしょう……何より、自分が終わらせてしまった事、叶える事などできやしない~そう言った方が正しいのかもしれません。
CRYCHICでの日々は掛け替えのない物だった……終わらせたくなどなかった、いつまでも続けていたかった……だけど、それを終わらせてしまう他になかった……ならばせめて、そんな思いを抱きながらも前へ進んで行くべきだ……それでも、どうしようもなく”あの頃に戻りたい”~そう思ってしまった……そんな事、思ってしまっていてはならないというのに……
──このような思いがぐるぐると渦を巻き、ついには抑えきれずに溢れ出した……それが、春日影を聴いて涙した理由なのだと考えます。
そうして、逃げるようにライブ会場から走り去った豊川祥子は、三角初華に「全部、忘れさせて……」と願ったのでしょう。
CRYCHICでの日々を、全部……”あの頃に戻りたい”~などと思ってしまう、”弱い自分”を殺すために……
[長崎そよとの会話。でも、それって……?]
少し脱線した話になるかとは思いますが、此処は一つ。
印象に残った人も多いであろう、第8話最後の豊川祥子と長崎そよの会話シーンです。
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高松燈の新バンドの春日影を聴いて以降、少なからず残っていたCRYCHICへの未練や、楽しかった思い出までをも”忘却”してしまった彼女は、今までのようなただ遠ざけようとするだけの言葉ではなく、明確に拒絶をするような、ともすれば相手を傷付けてしまうような言葉を吐くようになります……CRYCHICを辞める~といったシーンと違い、しっかりと視線を合わせて話しているため、本心……とまでは言わないものの、かなり本気である事が伺えます。
「(CRYCHICの事を)いい加減、貴方”も”忘れては?」と、長崎そよに向けて言い放つのですが……その際に、若葉睦もその言葉に対して驚いたような表情をしています。
以前までの豊川祥子は、CRYCHICを忘れてなどいなかった……だけど、自分がこれから成さなければならない事のために、それを切り捨てた……若葉睦の表情は、その事の証左なのでしょう。
……さて、このシーンで、豊川祥子は長崎そよに対して様々な言葉をぶつけます。
春日影を勝手に演奏してしまった事に対して謝罪する彼女に「御為ごかしですわね。」、腕に縋りついてまで豊川祥子を引き留めようとした彼女に「貴方、ご自分の事ばかりですのね。」等々……
全てを挙げるとキリがないので、一部のみとさせていただきますが、それぞれどのような思いがあっての発言だったのだろうか?……という事を書いてみたいと思います。
「御為ごかしですわね。」……御為(おため)ごかしとは、相手のためにしているように見せかけて実は自分の利益を図る事~という意味の言葉らしいのですが……長崎そよ自身が春日影を勝手に演奏された事に傷付いているのに、豊川祥子がそうだという風にして、それに共感する事でまた関係をやり直そうとした〜のでしょうか?そんな考えを見抜いたのか、このような発言をしたのでしょう。
そもそも、豊川祥子自身は春日影を勝手に演奏された事自体に傷付いているわけではなかったために、より長崎そよの目論見に気付く事ができたのでしょう。
少し時間が飛んで「今度こそ、私にはもう関わらないで!」と言い放ち、立ち去るシーン。
立ち去る豊川祥子の腕に縋りつき「どうしたら戻れるの!?私にできる事なら何でもするから!」と言う長崎そよに対してこう言います。(以下聴写)
「どのくらいの覚悟で言ってるんですの?ただの学生でしかない貴方に、他人の人生を抱えきれますの?何でもするとは、それ程重い言葉ですのよ?できもしない事を口になさらないで。」
──”ただの学生でしかない”身でありながら、父親の人生を抱えて生きて行かなければならなくなってしまった。
皆の人生を抱えきる事などできやしないから、CRYCHICを離れた。
……そんな彼女だからこそ、長崎そよの「何でもする」という発言に、このような反応を示したのでしょう。
そして、続け様にこう言い放ちます。
「貴方、ご自分の事ばかりですのね。」
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──皆さんは、このような話を聞いた事があるでしょうか?
批評や悪口は、言う人自身が言われたくない事を言っている……そんな話です。
「何でもする」という発言への反応は尤もではあるのでしょう。
しかし、CRYCHICの事を、皆のためを思って~と、周りの事を考える事もできず、自分だけで決めたのは豊川祥子自身です。
……状況的に仕方のなかった事なのだろうとは思います。
それでも、本当に「御為ごかし」だったのは?「自分の事ばかり」だったのは?……果たして、一体どちらなのでしょうか。
[「お幸せに」に、込められた意味]
第13話にて、学校の音楽室でピアノを弾いている豊川祥子に、高松燈が自分の思いを綴ったノートを渡そうとしたシーン。
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豊川祥子はそのノートを受け取らず、その場を後にします。
その際、すれ違いざまに「お幸せに。」と言っているのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1695887813852-JyvBfAVtxS.png?width=800)
新たな居場所を見つけた高松燈に対して、言葉通りそこで幸せになってほしい……そういう気持ちはあったのでしょう。
しかし、上の画像の後の豊川祥子の口元は、どこか憎々し気にも見えるものでした。
まだ自分に関わろうとしてくる高松燈に対し、自分にはもう貴方と関わるつもりはない、幸せになるのならば自分のいない所でなってくれ、だからもう貴方も自分には関わらないでくれ……そんな明確な拒絶の意味もあったのだろう……そう考えます。
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──CRYCHICを解散してもなお思い続けていた高松燈に対してすらも、このような言葉を吐いてしまう豊川祥子は、同話で若葉睦が「祥が、壊れそうだから……」と言っていたように、心がもう”壊れそう”なのでしょう。
……そんな彼女が、第3話のようにまた笑える日は……果たして、訪れるのでしょうか。
【おまけ】
さて、始めに書いた通り、ここからはおまけとして若葉睦の事や、それらに付随したちょっとした事なんかを書いていこうかと思います。
[若葉睦という子について]
若葉睦という子の事を、本編を通じて皆さんはどんな子だと思ったでしょうか?
結構な数の人がこんな事を思ったのではないかな?とは思うのですが、彼女は”感情を表現するのがあまり上手ではない”子なのです。
……おや?” ”が付いているのに太字になっていませんね?もう一度言ってみましょうか。
彼女は”感情を表現する際の言葉選びやタイミングなんかが致命的なまでにド下手くそ”な子なのです。
……ちゃんと太字になりましたね、ヨシ!
[「私は……バンド、楽しいって思った事……一度もない」]
さて、そんな彼女の初セリフ……印象に残った人は多いでしょう、第1話の豊川祥子がCRYCHICを辞める~といったシーンの最後で発したセリフですね。
このセリフに関して、若葉睦は実際にはどう思っていたのか?という事を考えてみたので、書いていこうと思います。
[CRYCHICを結成した目的とは?]の項目で書いた”後で書くかもしれない事”というのが、何を隠そうこの事です。
もしも豊川祥子がメジャーデビューを視野に入れてCRYCHICを結成したのだとしたら、幼馴染である若葉睦にはその事は伝わっていたはずです。
しかし、若葉睦には最初から、メジャーデビューをして稼ぐためにバンド活動をしていくとなれば、楽しいから~などとは言っていられない……だから、最初からバンド活動が楽しいなんて事は思えない……そんな思いがあったのでしょう。
そんな思いがあった理由に関しては、かなり妄想によるものになるのですが……人気お笑い芸人である父親や、女優である母親~若い頃に夢を持ってその世界に飛び込んだ彼らが、今ではテレビの中でこそ楽しそうに笑っているものの、家ではそんな素振りを全く見せず、ただ仕事だから続けている、続けるしかない~そんな様子だったのだとしたら……辻褄が合うのではないでしょうか?
だから、「私は……バンド、楽しいって思った事……一度もない」と、本心を言ったのではないでしょうか?
──と、そんな説もあったりしましたが、~豊川祥子ちゃん最初からメジャーデビューしたかった説~を自分で否定したので、この説も無かった事になりました、なので、次。
では一体どう思っていたのか?というと……本当はバンドを楽しいとは思っていたが、豊川祥子のために嘘を付いた……これでしょう!
……いやいやいや、CRYCHICの初ライブ後の彼女の表情をちゃんと見たのか?どう見ても楽しそうな表情なんてしていなかっただろ!~なんて、そんな事を言われるとは思いますが、どうか聞いてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1695891694019-rYhG0nKzCR.png?width=800)
まず、CRYCHICメンバー初の顔合わせで、高松燈が詞を書いたノートを皆に見せるシーンなのですが……差し出されたノートを、若葉睦は積極的に覗き込んでいる(ここの若葉睦ちゃん、かわいいので一推し)のです。
そして、読んだ皆の感想に対して、少し高めのテンション(※若葉睦比)で「うん」と肯定しているのです。
……バンドを楽しいと思っていないような人が、こんな反応をするでしょうか?
また、皆でカラオケに行った際に、皆が歌う歌わないの話をしている所で自分から歌い始めたり、マラカスを持ってはしゃぐ豊川祥子を見て思わず笑ったりもしているのです。
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[BanG Dream! It's MyGO!!!!!第3話より]
……これで、内心では全く楽しいだなんて思っていなかったんだろ?~などと言われてしまうともうどうしようもないのですが……少なくとも、楽しいと思った事が”一度も”ない~というのは嘘ではあるのでしょう。
では初ライブ後のあの表情は何だったのか?という話になるのですが……記憶が確かであれば、本作において若葉睦が明確に笑ったのはこのカラオケのシーンのみです。
そして、涙を見せたシーンというのは、ただの一度もなかった……はずです。
つまり、カラオケで笑った際に豊川祥子が「睦は笑いますわよ。」と言っているので、豊川祥子の前でこそ笑ったりはするのでしょうが、基本的には人の前では感情を表に出さないのでしょう。
なので、初ライブの後、皆のように泣きながら感動を分かち合う……なんて事はしなかったのでしょう。
ただ、あんな表情をしておいて、内心ではとても感動しており、その感動を一人で噛みしめていたのではないか?……そう考えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1695897346829-n2AWwhnKge.png)
──それと、これは余談なのですが……
初ライブが終わり、ステージから舞台袖へと帰って来るシーン。
長崎そよが「凄いよ!……凄いよCRYCHIC!」と、涙しながら歩いて来るのですが……その後ろから歩いてきた若葉睦が、長崎そよのその発言に対し「凄いよ!…(この辺りのタイミング)…凄いよCRYCHIC!」で、僅かに頷いている……ように見えなくもないのです!
ただ歩いていたからその反動で僅かに揺れただけ〜という可能性の方が高いかもしれませんが、もしも長崎そよの発言にちゃんと肯定していたのだとすれば、内心ではとても感動していた〜という証拠にもなると思うのですが……どうでしょう?
……さて、ではどのような流れで例の発言をしたのかと言うと、あのシーンで若葉睦はこのような感じだったのではないでしょうか?
「(祥がCRYCHICを辞めると言いに来た……きっと、何か理由があるのだろう。しかも、あんなに楽しそうにしていた、またやりたいと言っていたライブも、そんな事は言っていない~なんて、嘘まで付いて……そうまでして辞めようとしているのなら、私はそれを応援したい。……「折角楽しくやってきたんだから。睦ちゃんもそう思うよね?」……だって?……楽しかった。だけど、今そう言ったら、祥が辞めにくくなってしまう。……だったら、こう答えよう……)私は……バンド、楽しいって思った事……一度もない」
……この言葉が決定打となってしまったのでしょう、そのままCRYCHICは事実上の解散となってしまいました。
──そうです、彼女は”感情を表現する際の言葉選びやタイミングなんかが致命的なまでにド下手くそ”な子なのです。
[若葉睦の長崎そよに対する思い]
さてさて、そんな若葉睦なのですが、長崎そよに対して、一体どのような思いを抱いていたのでしょうか?
豊川祥子が丘女子学園に行った後も、変わらずに同じ月ノ森女子学園に通う者同士です。
自分の発言が決定打となってしまって、CRYCHICが事実上の解散となってしまった~というのは、わかっているのかいないのか……それは定かではありません。
ただ、おそらくなのですが、それでも豊川祥子が高松燈に抱いていたように、長崎そよには豊川祥子がいない場所でも”頑張ってほしい”、”やり直してほしい”~なんて気持ちはあったのではないか?……そう考えます。
しかし、長崎そよはCRYCHICを復活させようとしています。
そのために、まずは豊川祥子に会うべく、何度も彼女の行方を知っているであろう若葉睦に問いかけるのですが、決して教えようとはしませんでした。
他にも、長崎そよがCRYCHICを復活させるべくしていた動きには、悉く否定的な態度を示していました。
それは、豊川祥子が辞めた理由を決して話そうとしなかったのだから、自分がその意思を無下にするような事をしてはいけない……そんな思いがあったのでしょう。
そして、それだけでなく、豊川祥子が理由も話さずに辞めたCRYCHICを復活させる~というのは、長崎そよにとっても良くない事ではないのだろう~なんて、そんな思いもあったのではないか?……そう考えます。
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──第8話にて、長崎そよに「睦ちゃんの所為だよ。あの時も……今も。」と言われた事で、若葉睦はとうとう長崎そよを豊川祥子の家に案内してしまいます。
……その結果、長崎そよを深く傷付ける事になってしまいました。
第9話にて、その事を思い悩んでいた様子も伺えます。
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この後、椎名立希に練習に来なくなっていた長崎そよの住所を訊ねられるのですが、教える事はありませんでした。
……知られたくないであろう事を自分が教えてしまえば、良くない結果になってしまう~そんな事を身を以て体験していたがために、教えなかったのでしょう。
しかし、長崎そよの事を案じていたのは確かなのでしょう。
第10話にて、ソロライブを行っていた高松燈と、それに合流してきた椎名立希~この両名に「そよ、どうするの?そよは……わからなくなってる。」……そう伝えたのです。
自分がどうにかするのではダメだ、皆が何とかしてあげなければ意味がない……だから、お願い……そんな思いだったのでしょう。
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そして、皆の頑張りの結果、高松燈達のバンドはMyGO!!!!!として動き出す事になりました。
……その事を、若葉睦はとても喜んだのでしょう。
その証拠に、丹精込めて育てたきゅうりを、皆に送っているのです……きゅうりを?????
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そのきゅうりが若葉睦が育てていたものだと気付いた長崎そよはそれを持って、ライブ会場から帰ろうとしていた若葉睦の元まで走って行きます。
そうして、彼女に「ライブ、どうだった?」と訊ねたのです。
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そう訊ねられた若葉睦は「よかったね。」……そう答えました。
……この「よかったね。」には、感情表現が苦手な彼女の、様々な思いが込められていたのだと思います。
ライブはもちろんそうだし、紆余曲折あっても、長崎そよにMyGO!!!!!という新たな居場所ができた事……それらの事に対して、純粋な気持ちでそう言ったのでしょう。
──しかし、長崎そよにとって若葉睦は、CRYCHIC解散の決定打となるような発言をし、そのくせCRYCHICを復活させようと頑張る自分の手助けもしてくれない……そんな人物です。
そんな彼女の、上から物を言っているとも取れる発言に対し「睦ちゃんにだけは言われたくない。これ、要らないから。」……そう言って、若葉睦がくれたきゅうりを突き返すのでした。
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この時、アップで映し出された若葉睦の瞳は揺れていて、ずっと案じていた長崎そよに拒絶された事に対し、かなり動揺している事がわかります。
……もちろん、長崎そよはCRYCHICを辞めた豊川祥子の事情を知りませんし、そんな事情を踏まえて動いていた若葉睦の思いも、彼女自身が感情を表に出さないため、知る由もなかったのでしょうが……
──なんだか、不憫でならないですね。
[八幡海鈴からわかる(?)豊川祥子の思い]
さてさてさて、いきなり登場しますは八幡海鈴さん。
椎名立希と同じクラスの花咲川女子学園の高校1年生で、30のバンドを掛け持ちしている、Ave Mujicaではティモリスという名で活動しているベース担当の子です。
そんな彼女の言動から、豊川祥子の高松燈に対する思いや、若葉睦に対する思いが見えてくるんじゃあないか?
……そんな事を思ったので、ちょっと書いてみたいと思います。
まず、第9話にて、椎名立希に誘われて長崎そよの代わりとしてバンドに入ったシーン。
演奏を始めるも、歌おうとしない高松燈を見て「前の方が忘れられないようなので。話がまとまり次第、改めて相談してください。」と、そう言ってその場から立ち去ります。
その際、高松燈に対して「応援してます。」……そう言っているのです。
……話は変わりますが、これの前のシーン~椎名立希が教室で八幡海鈴を誘うシーンにて、椎名立希の「今日、空いてる?」という誘いに対し「予定があります。」と返しています。
その後、「そう。」と言って席に着き、溜め息を零す彼女に対し「それが終われば行けますが?……用件は?」と続けています。
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学校の後にバンドの用事があるのであれば、第4話の時のようにベースを持ってきているはずですし……少しメタな読みにはなるのですが、タイミング的にも彼女は、豊川祥子からAve Mujicaへの勧誘を受けていたのではないか?
そして、その時に豊川祥子から、椎名立希が所属していたCRYCHICというバンドに関しての、何らかの思いを多少なりとも聞いていたのではないか?……そう考えます。
豊川祥子が八幡海鈴を誘った理由としては、第12話で祐天寺にゃむを勧誘する際に話していたように、プロと遜色ないベースの腕前を持っていたから~と、それはもちろんあるでしょう。
ですがそれ以上に、30ものバンドを掛け持ちしている人なのだから、一つのバンドに執着はしないだろう~つまり、ビジネスとして割り切ってくれるだろう~そういった思いで彼女を勧誘したのではないか?……そう考えます。
そんな八幡海鈴にだからこそ、豊川祥子は人に話したがらなかったCRYCHICの話をしたのではないでしょうか。
──話を戻しますが、高松燈に対して言った「応援してます。」という言葉……もちろん、八幡海鈴自身の気持ち~というのもあるでしょう。
しかし、その中には、豊川祥子と話しをして感じ取った、彼女の高松燈に対する思い~それも含まれていたのではないのでしょうか?
CRYCHICでの日々を全て”忘却”してしまった彼女の中には、高松燈に対する思いがまだ残っていたのではないのだろうか?……そう考えます。
そして、第12話にて、長崎そよからきゅうりと突き返された若葉睦と共に何処かへと歩いて行くシーン。
道中、若葉睦に対して「決めたんですか?……ゆっくり考えるといいです、”一生”の事ですから。」……そう言っているのです。
十中八九Ave Mujicaに加入するのかどうか〜という話なのでしょうが……この話を持ち出しているのですから当然ですが、既に加入が決まっている八幡海鈴も、豊川祥子が若葉睦を誘っていた〜という事は知っていたのでしょう。
何なら、若葉睦を誘っている〜という話を、豊川祥子自身から直接聞いている可能性もあります。
……これに関しての結論ですが、また別の事と合わせてお話したいので、次の項目に続く~とさせてください。
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[「伝書鳩になってはいけませんわ。」]
これは、第2話にて、長崎そよの代わりに豊川祥子に連絡をするも、返事がなかったがために直接会いに来た若葉睦~に、対して言った言葉です。
伝書鳩のように、連絡先を知らない者同士である長崎そよと自分の間を行ったり来たりなどしてはいけない……と、わりと言葉通りの意味ではあるとは思います。
ただ、「人にいいように使われてはいけない。」……そうとも言い換えられはしないでしょうか?
──豊川祥子は、どのタイミングでなのかはわかりませんが、Ave Mujicaに若葉睦も誘っていたのでしょう。
第12話にて、祐天寺にゃむを勧誘する際に、若葉睦の写真を見せて「メンバーの一人ですわ。」と言っています。
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……しかし、第13話で豊川祥子が若葉睦に対して「残るは貴方だけ。」と言っていた通り、この時点ではまだ加入は決まっていなかったのでしょう。
──Ave Mujicaの他のメンバーは、三角初華は既にプロとして活動している、八幡海鈴は前の項目で書いた通りビジネスとして割り切ってくれる、祐天寺にゃむは今のスタイルを続けてはいけないであろう動画投稿の代わりとして……そんなお金を稼ぐという行為に関して~”一生”の事に関して、既に覚悟ができている人達なのでしょう。
……ただ、若葉睦だけは違います。
最後の一人になるまで猶予を与えていた事……前の項目の話で、八幡海鈴が若葉睦に対して「決めたんですか?……ゆっくり考えるといいです、”一生”の事ですから。」と言っていた事……第13話で「残るは貴方だけ。」に対して「入る。」と即答した若葉睦に「えっ……」と驚いていた事。
……これらの事から、豊川祥子は若葉睦にAve Mujicaには入ってほしくはなかったのではないか?「伝書鳩になってはいけませんわ。」という言葉には、豊川祥子自身にすら「いいように使われてはいけない。」……そんな思いがあったのではないか?……そう考えます。
三角初華がボーカルだけでなくギターも担当しているため、断られたとしても問題はなさそう……というのも、その根拠になると考えています。
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【終わりに】
かなり長くなってしまったかとは思いますが、ここまでお付き合いくださり、誠にありがとうございます。
どうやら「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の続編となる「BanG Dream! Ave Mujica」を鋭意製作中との事なので、今作で疑問のままだった部分も、いくらかは明らかになってくれる事でしょう。
この記事で書いた考えは、果たして合っているのかどうなのか~それはもちろん気にはなる所ではあるのですが……何よりも、彼女達が今後どうなっていくのか~その行く末を見守っていきたいですね。
まだ細々と書き足りていない部分もあるような気はしていますが……一先ず、以上をもちまして、この記事を終了とさせていただきます。
重ねてお礼を申し上げます、ここまでお付き合いくださり、誠にありがとうございました。
それでは皆さん、
──ごきげんよう。
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