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金沢1stインプレッション【蓮ノ空舞台巡礼】

現在絶賛稼働中、ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ(Link!Like!ラブライブ!)のストーリーがとても良い。

それならコンテンツが始まった今、舞台となっている金沢をもっと知りたい。ということで、2023年GWを利用して金沢旅行を満喫した。
私も日野下花帆と同じ長野出身であり、彼女と同じ目線で最初に抱いた金沢への印象と近い物が得られるのではないかと思い筆を執る。

旅の様子はTwitterハッシュタグ#金沢強化合宿でも記録している。(ほとんど食事の記録になっている)

今回使用した交通手段は自家用車、長野からだと高速を使い大体3時間半で金沢駅に到着。駐車場は駅の周囲に無数にある。昼間最大料金800円、夜間500円くらいが相場(2023年GW時点)。よほどの駅近を選ばなければ上限なしで泣きを見ることはないだろう。

まず金沢駅にたどり着いて思うのは、バスのインフラの完成度がとても高いこと。金沢駅バスロータリーの規模にまず圧倒される。

バスロータリー

観光スポットを結ぶ道が兼六園を中心に環状に繋がっており、バスがスムーズに周回できるようになっている。タクシーも潤沢にスタンバイしているため、バスのルートから外れた位置に向かうにも場合にも苦労しないだろう。

バイパスとなっている道は車線数が多く、時間指定でバス専用車線になる。観光するのに自家用車を一旦駐車場に置いてバスを利用する人が多数であるためか、GWの混雑でも渋滞にハマることはあまり無く、車でも走りやすかった。

金沢駅通り
道が広い

バスの一日フリー乗車券が600円ほどで気軽にバスを利用できる。運転手に見せるだけで良いため、バスの面倒な先払いや後払い、両替などの手間がなくてよかった。実は各スポットに歩いて行けてしまうので、自分は6日間いた内の1日しか使用していない。

主要道路道は大きいが、脇道はとても細くなり文化遺産と書かれた建物が多い。第二次世界大戦の空襲を避けたことで当時の道がそのまま残るのが理由らしい。金沢の維新前の都市の規模が日本で4番目だった歴史が今の観光地としての町作りに繋がっていると感じる。

下調べをあまり深くしていかなかった為に、現地でどう動くか当たりをつけるため観光案内所に向う。そこでパンフレットを回収したのだが、その量に驚かされ、この姿だけで金沢が北陸地方の観光の中心として機能しているのがうかがえる。

手当たり次第に回収したパンフレット
駅の改札をでて目の前にある観光案内所
金沢だけでなく福井や加賀などの情報もある
伝統工芸品の展示も含めて広く場所を使用している

ラブライブの聖地巡礼として沼津、お台場、原宿と回ってきたが、一番観光情報が整理されて纏まっていると感じる。下手にネットで下調べするより、観光案内所に行きパンフレットと最新の情報を得るだけ質の高い情報を得ることが出来る。

じつは自分はいままであまり観光案内所を利用したことがない。というのも、SNS等で不確定情報を得て、実際に現地を歩いた方が早かったからである。今回、観光地にパンフレットがしっかり整備されていることの重要性とその役割を感じることが出来た。

季節もあるだろうが、街中を歩くとかなり緑地運動が進んでいてあちことに花壇や鉢植えをみる。

このあたりをみると、お台場の風景を思い出す。
お台場も公園の整備をしっかりしており、人工的な埋め立て地だが緑と花がとても多い。観光のしやすさで比較すると、導線を考えて街を設計しているお台場と金沢の作りが似ていると感じる。

そして、街自体の雰囲気は沼津と似ていると感じる。港に近い城下町という共通項からなのか、駅からまっすぐ近江町市場に伸びる「金沢駅通り」は沼津駅から沼津港へと向かう「さんさん通り」を彷彿とさせる。

金沢の場合、近江町市場の向こうに金沢城公園や兼六園があり、それを囲むように各所がある。地図で近江町市場から金沢駅方向をみると、その先は金沢港に向かう。城下町の入り口として市場が機能していたかと想像が膨らみ大変楽しい。

村野さやかのお手伝い先とされるお店がポスターを貼ってくれている

お台場の回りやすさと沼津の海鮮や自然といった良いところを掛け合わせた存在の金沢、というとラブライブの聖地に行ったことがある人に伝わりやすいだろうか。

都心からは離れているけど感度が高いおしゃれな店が多くある。私はほしかったオンライン売り切れの人気商品のスニーカーが、金沢の店舗に普通に置いてありびっくり&購入してしまった。金沢に到着してから2時間経たずの出来事である。

New balance M2002R GTX C

香林坊こうりんぼうの近くに「竪町通りたてまちどおり」というファッションストリートがあり、そこですれ違う人は本当におしゃれな人が多かった。ここを歩けば今のトレンドがなんとなく理解することが出来る。
原宿のよくチェックする古着屋が、商品の仕入れに金沢に訪れていたりするのもなんとなくわかる気がする。
至って普通の商店街に見えるのだが、雰囲気が少し違うものがある。

香林坊の百貨店の中にBALENCIAGAやGUCCIなどのハイブランドのテナントが入っていたりする。吹き抜けにはからくり時計があったりして面白い。

蓮ノ空オフィシャルタイアップショップは期間限定ではあるが、各地のゲマの店長のコメントがあるのを見ると、作品への熱意を感じることが出来て嬉しくなった。

俯瞰して見ると金沢は観光地の理想形ではないかと感じる。ラブライブ!が培った聖地巡礼ビジネスのノウハウを金沢で生かす必要を感じないレベルだ。
むしろその逆、ラブライブ!側が舞台として起用することで、観光地としての街づくりのノウハウを学びに行っている印象すらある。

金沢という地を蓮ノ空の舞台として採用した理由を探したときに見つけたのが「茶屋遊び」という歴史だった。

茶屋遊びは、限られた空間と時間の中で繰り広げられる 非日常の世界である。

ひがし茶屋街「志摩」茶屋遊びの粋より

ひがし茶屋街に並ぶ建物は二階建てとなる、当時としては贅沢な作りになる。客間の床の間を背に座るとその正面が必ず控えの間となる。控えの間は演舞の場でもあり客間とは一線が敷かれていてる。

客間と床の間
控えの間

茶屋で繰り広げられる芸子と旦那衆(客)の間には、芸が理解できるかどうかのやりとりがあり、芸子の芸を理解できないとそれは粋ではなく野暮とされた。
その様子がまるで蓮ノ空のスクールアイドルとバーチャル空間、現実との境界線と概念が通じる部分があるのではないかと思う。

その影響か、芸に対する情熱が受け継がれて美術館も多い。
21世紀美術館のコレクション展「それは知っている:形が精神になるとき」の中に写真家の川内倫子の作品があり、大きいプリントで見ることが出来たのが嬉しい。

特にこれがお気に入りでした

国立工芸館のポケモン展も良かった。ポケモン展は「みんなで叶える写真展」のやったことに近い物を感じ、ラブライブでも似たようなことが出来れば面白そうだと感じた。

迫力がある
ピカチュウの森

この辺までが金沢をざっと全体的に見て最初に感じた部分だろうか。歴史や文化が色濃く残り、更にその上に今を生きる美術や芸術が生きている。

花帆がストーリーでキラキラした都会的な高校生活を想像していたのも無理がない、というか私も金沢に住みたくなる。
実際、長野の学生が金沢の大学に進学するというのは割とあったりして、日野下花帆の設定も地に足がついている。(間違いなく長野よりは都会的であると訪れてみて感じた)

石川県立図書館も無料で利用できるし、居心地がとてもいいので集中して作業することが出来る。私の地元にもほしい。

街をあるく学生の制服もかわいらしく華がある。というより、街の若者に勢いがある。観光客も若いカップルや小さい子連れの夫婦だったり、全体的に街に若さを感じた。

お店に立つのも、地域の活動らしきグループの中にも若い人が多く見ることが出来る。(GWのために家族総出で対処していたという可能性もあるが。)似たような他の地域ならご年配の方の姿を多く見ることの方が多いので街を歩いていて新鮮だった。

話ついでだが、バスに乗って聞こえてくる地元の学生の話し言葉に関西弁のニュアンスが混じるのが面白かった。
歴史的な建物の説明に、京都から職人を呼び寄せたりしているので、文化的にも西に近いのが流れてきていると感じる。長野の山を越えて江戸から呼び寄せるより往来が楽なのは間違いない。

校則で理由がないと外出できないという制限もあり、花帆が思い描いていたキラキラした高校生活には確かに届かないかもしれない。
ここまでバスインフラが整っていると、街中を利用した充実した高校生活が可能と感じる。
物語が動き始めて1ヶ月ほどだが、先日も日野下花帆が充実した毎日を送っている様子が配信されている。

バーチャルスクールアイドルという新しい表現をするのにふさわしい、金沢の芸術に対する舞台としての強度の高さを知ることが出来た。
舞台としてこれ以上条件が揃っている場所はそうないだろう。

芸術に対して確かな地盤がある地
それが私の金沢へ対する1stインプレッションである。

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