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古碁から学ぶシリーズ #1-1


対局

この碁は1573年に行われた対局で、
白:本因坊算砂 vs 黒:利賢 である。
古碁であることから互先であるがコミ無しである

総譜

総譜1
総譜2

まえがき

これから何局はこの2人の対局から勉強ポイントを絞っていくつか解説と改善点の紹介といったみなさんの棋力アップにつながる内容を書いていこうと思います。
また総譜を載せているので、古碁は勉強にならんと思わずに是非並べてみてください!

また#1-1においては初手から50までのポイントに触れていき、その続きに関しては#1-2で書いていこうと思います。

内容

当時はまだ布石方法が確立されていなかってとはいえこのタイミングで右上を黒が占めないのはやはり違和感がある。しかし、それ以上にこのトビは違和感のある手である。ただ、碁会所などでは度々見かける気もするが…
というのもデメリットはあるがメリットがほぼほぼ見つからないからである。しかしかと言って悪手とまではいい辛い手であるから困ったものである。意図としては封鎖模様にすることで白に受けさせて、右辺もしくは右上に黒が先着した際に右辺の盛り上がりを狙っているわけである。

しかしながら、実践のように白12と覗かれてしまうと黒としてはAとBが見合いになってしまい、部分的にはBをツナグしかないのだが、やはり穴があいた状態となってしまいいまいちなのは明白である。

さらに白14のツケから形を整えられてしまうとやはり黒は面白くない進行と言わざるを得ない。

白18まで白はピッタリとした良い形であるが、黒はバランスが悪のである。

そもそも右下は黒は二間に開いたのだから、攻めの姿勢は無いとしたものであり、黒1のコスミツケからじんわりと白を追い出しながら打つのが普通であっただろう。

しかし白としてもコスミツケに黙って下がるのは黒3と飛ばれてしまい、重くなってしまうことから、つまらない。その為…

白は隅にハネを一本だけ打ち弾力をつけた上で、右上の空き隅を占める展開が予想出来る。右下は白としては軽く捌くという進行になりそうであるが、隅を占めている分白が打ちやすそうである。
そのため黒としては右下には個室せずに、コスミツケなどもせず、右上に先着する方が良いであろう。

もしどうして攻めの碁に持っていきたいのなら二間ではなくケイマで戦いを誘発する方が良さそうである。

黒としてはなんとしても29と地点から下辺を動かしたいようである。

ここで大罪の手が出た!
私の他の記事でも書いたが、コスミツケは基本的に大罪である。相手に立たせることで相手は強くなり、自分は弱くなる。そのためその後によほどの旨みが無いと打ってはいけない。それがコスミツケなのである!白としては先手を取って展開しようとしたのかもしれないが、左下はまだ部分的に味が悪く、展開しだいではまだ手残りなのでやはり微妙である。

隅を守るなら飛び下がるくらいだが、なんともしっくりいかない手である。重複している上に足取りが重たい。

そのため部分的には単に1とトブくらいだが、いきなり戦闘になるのでそれを避けたかったのかもしれない?

その後何手か進み、黒は37から右下の白を攻めることにした。しかしここでの対応が白は良くなかった。

単に40と押さえてしまったので、黒に隅から目を取られてしまい窮屈になってしまった。

ここでは先に隅を抑えておく方が良かった。

一見黒からの這い込みが怖いが、白5までとなり黒は辺と中央を同時に処理できないので、これは白大成功である。

その後白は右上に向かったわけだが、黒の47がまた形の悪い手である、安全を優先したのかもしれないが…みなさんもここでの対応は参考になるかと思います。

ここはハネ一択です!
仮に切ってくるなら、外からアタリをして、その上で自分を補強しておけばこれは黒好調です。
また白が勢い2段バネしてくれば…

よくある縛りの変化を利用してこちらも黒厚く十分な進行といえます。

黒はどこかのタイミングで下辺を守るべきでした。またそれは白の立場からもそうで1のところに飛んで戦ってみたかったと所です。黒の守りに白からハネツガレて黒つまらないように見えるかもしれませんが、これは中央とても厚くこの後黒は心配する箇所なく打ち進めることができるので、これなら黒十分でしょう。
また左下の足が良くなってしまうから黒は敢えて無視したのかもしれないが、そもそも白から飛ばれていたらもともこもなかったはずである。

あとがき

今回のように短くすることで読みやすくなるかと思いますので、もしご意見をなどありましたらよろしくお願いします。


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