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デザイン入門

デザイン入門は2日間(2日目は午前中のみ)のスクーリングで1単位です。人気があり、毎回のように抽選になっているようです。
デザインの先生5人による講義(1時間40分ずつ)を聞くことができる贅沢な授業です。おススメです!

①白尾隆太郎先生(コミュニケーションデザイン)
 《デザインの基礎体力》

デザインはアートではない。デザインはみんなにわかるもの
・「美しい」とは(美術もデザインも)= 嫌みがない、意味が明確、
 快適な形、明快な色彩、品格がある
・最低限美しい + そのうえで面白い
・そのために修練・経験が必要(形、色、意味の関係性)
・基礎的な人の感覚を十分理解する = デザインの基礎体力

このスクーリングを受けたときはまだデザインに対する知識が全くなくて、単に美しい形状を作るものだと思っていたので、驚きました。そして、人の感覚を理解することが何よりも大切だと強調していました。初めてデザインの意義を知り、デザインに対する認識が大きく変わった講義でした。


②田中克明先生(生活環境デザイン)
 《プロダクトデザインを紐解く》

・デザインすることとは
 ①課題発掘(日常生活・道具や機器・世の中の仕組み)
 ②課題の解決
 ③具体化する(企画を立てる・形にする)
・デザインは生活を豊かにすること
生活の変化に対する影響も考えてデザインする

実際の製品を例示しながらの講義でした。プロダクトデザインはやっぱり身近でイメージしやすいです。
講義の最後には「これからのデザインを考える」として、関係性から課題を見つけることを提案されました。今ならソーシャルディスタンスですね。


③清水恒平先生(デザインシステム)
 《デザインとテクノロジー》

・身の回りのテクノロジー(スマホなど)による人間の行動と社会の変化は
 デザインとは切り離せない 
 =社会のニーズを知るのがデザイナーに必要
・データビジュアライゼーションの再ブーム化
 =ツールを新しく作る、新しい使い方を考えるのもデザイナーの仕事

具体的なWebサイトを見せながら、課題解決のために行われたデザインを解説してくれます。
デザイナーとしての基本的な意識は他の先生とも共通しています。デザインの領域は境界が曖昧で、全体で「デザイン」とみなす、と言っていました。ただモノを介さないデータならではの受け手の広さや、自分のできる範囲でなら取り組みやすそうなところに親近感が湧きます。


④牧野良三先生(スペースデザイン)
 《空間デザインの今》

・空間デザインとは変化を前提にしたデザインの領域
・空間は行為を行うことで実感できる(住空間・都市空間・演出空間で
 それぞれ異なる行為がある=演出・趣味性の重さが異なる)
・時代を読むこと・個性・センスは後天的に(経験することで)身につく
体験を通じて蓄積された記憶がイメージにつながる
・何をイメージして表現できたか


先生のデザインした空間を見せてもらえたのですが、すごくきれいでした。他にもいろいろな空間を紹介してくれます。
他の先生たちのように人の感覚の共通性の理解や形や色の基礎を学ぶことも指摘していましたが、体験の重要性が印象的でした。空間は対象が大きく複合的だから、大局的な視野に立つために、特にあらゆる経験を活かすことができるのかなと思いました。


⑤上原幸子先生(コミュニケーションデザイン)
 《デザインの力を活かしたコミュニケーション》

物事を動かす原動力 = デザインの力
・コミュニケーションデザイン = 人と人がつながる仕組みづくり
(ソーシャルデザイン = 社会的課題を解決する取り組み)


具体的な活動として、空き家対策として地域の交流スペースに活用するなど、いくつか紹介していました。
人の行動を促し、人と人がつながるための仕組みを作ることをデザインと呼ぶということが、新鮮でした。

あと、〇・△・□が描かれた紙に簡単な絵を描き足したものを見せ合って、近くの席の人とコミュニケーションをとる時間がありました。


(6)田村裕先生のまとめ

・デザインとアートの区別は作り手側の意識。受け手は関係ない
・デザイナーは専門性と幅広い嗜好の両方が必要

最後に芸文の田村先生がまとめとして少し話をしました。
完全に受け手だった私も、少しだけ作り手の意識を知ることができました。


講義後に1時間でレポートを書きます。内容は講義の感想と、自分とデザインの関係についてです。この2つは初めてデザインの世界に触れた私にとって同一だったので、非常に書きにくいレポートでした。

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