MMTが日本を救うより引用(BI)

ベーシックインカムの導入


今回の一律10万円の給付についてはベーシックインカムもどきと呼ぶ人もいる。その言葉から否定的なニュアンスも感じ取ることができるが、そもそもベーシックインカムとは何か、


総務省の令和元年版 情報通信白書では、ベーシックインカムに関する国際的な啓発活動を行っているベーシックインカムアースネットワーク、BIENによる定義は次のように紹介されている。定期的な現金の給付であり全ての人に個人単位で資力調査や労働の要件なしに無条件で提供するもの。


簡潔に言えば無条件に国民全員にお金を一律給付する制度、と考えればいいだろう。ベーシックインカムのメリットはいくつか挙げられており無条件で全員に自動的に給付するということで給付漏れが生じにくいことと、各個人や各世帯の資力調査をしなくていい、つまり行政コストがかからないということが挙げられる。また全員が給付対象となるため生活保護を受け取る祭に一部の人が持つかもしれない感情、恥ずかしさやみじめさ、申し訳なさ、も発生しない。ベーシックインカムの定義を見ると本章の中でも説明したMMTが主張するジョブギャランティプログラムと何が違うのか、似ているのではないか、と感じるかもしれないが、実はMMTはベーシックインカムについては否定的である。その理由はいくつかある、基本的なベーシックインカムで給付されたお金は課税されないとされる事が一般的であるため前述したタックスドリヴンマネタリービューの立場ではこのベーシックインカムの仕組みは貨幣の価値を、著しく棄損させると考えられる。またベーシックインカムの場合は最低限の生活水準を達成する金額を与えてしまうため現時点でベーシックインカムで給付される額と同額を労働でえている労働者がやる気をなくしてしまう。労働意欲は最悪のケースで働くことをやめてしまう。労働市場から退場その結果。総生産力が落ちるのでインフレ圧力が高まることもある。また一度退所した労働者を再び戻すためには経営者はより良い条件を提示しなければならないため、これもまたインフレ圧力となる、日本でも稀にベーシックインカムの導入について議論をするコンテンツを目にすることもある。そこではベーシックインカム賛成派と反対派が激しく意見を交わしている。おそらく実際に導入すると導入前には想定もしなかったような不備がいくつも発見される可能性がある。そこでベーシックインカムを導入するかしないかというゼロイチの議論ではなく、まずは期間限定でベーシックインカムをテスト的に導入することを今回の新型コロナウイルス問題の対策も兼ねてやってみればよいと筆者は考えていた。毎月の給付額を現状の10万円から下げる代わりに終了期限を区切った上で給付するのだ。新型コロナウイルス問題が収束するタイミングを明確に言い当てるのは誰にもできないため、もし想像以上に長引いたとすればいずれは今回の10万円の給付では足りないという話になる。新たに追加給付をしろという声も大きくなるだろう。それを考えたとしても、スポットで給付するよりは額を下げてでも毎月定期的に入ってくるという仕組みを持たせたほうがいいだろう。

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