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タイミング法のススメ ~卵胞計測、排卵誘発の実践~ ⑦排卵誘発剤の使用法

内服の排卵誘発剤

 では、誘発剤の使い分けについて説明します。内服の誘発剤は3種類あり、クロミフェンクエン酸塩、レトロゾール、シクロフェニルとなります。シクロフェニルはクエン酸クロミフェンの効果が弱い版と思っていただければよいと思いますが、使用頻度は少ないです。主に、クロミフェンクエン酸塩、レトロゾールを使用します。クロミフェンクエン酸塩は、E2レセプターをブロックしE2を感知させないことで、卵胞発育がないと誤認させ、FSH分泌を増加させる薬剤です。レトロゾールはエストロゲン産生量を低下させることでE2値を低下させ、卵胞発育がないと誤認させ、FSH分泌を増加させる薬剤です。


内服剤の使い分け

 適応は上記記載の通りです。使い分ける場合は、主に副作用と効果時間に注意しながら行います。クロミフェンクエン酸塩は、内膜の菲薄化と頸管粘液の減少が特徴的です。私は、連続6周期までの使用にとどめるようにしておりますが、副作用は可逆的です。また、クロミフェンクエン酸塩は、卵胞径25mm程度まで排卵しないことが多いです。レトロゾールのほうが半減期が短く、効果時間が短くなります。レトロゾールの排卵は20mm前後で起こります。私はレトロゾールの適応があれば、まずレトロゾールから使用しています。レトロゾールの適応がない場合や、レトロゾール無効の場合はクロミフェンクエン酸塩を使用します。シクロフェニルはほとんど使用しません。


注射をメインで使用する場合、低用量漸増法が推奨される

 注射薬には、hMG製剤やFSH製剤がありますが、効果は変わりません。投与方法にはhMG-hCG療法と低用量漸増法があり、多胎率と卵巣過剰刺激症候群の発生率から、基本的に低用量漸増法が推奨されます。プロトコルは一例ではございますが、上記をご参照ください。

続きます。

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