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【MTG:Pauper】第4期パウパー神挑戦者決定戦大会レポート #エルフ

 こんにちは、角とうふ(@TunoTofu)です。
 今回は2023年8月26日(土)に晴れる屋TC東京にて開催された「第4期パウパー神挑戦者決定戦」(以下、神決)の対戦レポートです。
 第3期では最悪のマッチアップを踏みながらも、Top16に入賞できたこともあり、今回こそはTop8、そして神への挑戦をしていきたい所存で参加しました。
 
 結果だけ先に書いておくと、5-3の24位(149人中)でした。

↓↓↓前大会の記事はこちら↓↓↓



◆メタ予想

 まず前回の神決時の環境についてですが、赤単が一番多く、親和、テラーが4:3:3くらいの分布で環境デッキが存在しているイメージでした。
 私の前にはテラーしかいませんでしたが……。

第3期神決では8回戦中5回も遭遇。なお、赤単と親和は0回。

 それはさておき、前回の神決から約半年後の今環境では、目立った新アーキタイプの登場こそ無かったものの、指輪物語から《ロリアンの発見》、さらに統率者マスターズから《謎めいた海蛇》と《つぶやく神秘家》の登場による青の超強化を得たことで、テラーデッキが急増しました。

直近の対戦デッキ

 これは神決直前の1ヵ月間で、私が対戦した相手デッキの割合をグラフにしたものです。
 1度しか戦わなかった相手を「その他」にまとめると、相変わらずそこの割合が大きくなるのがパウパーの良いところですが、注目したいのはテラーデッキの数
 青黒テラーだけでも7回、テラー全体で見ると12回も当たり、その割合は実に35%にも達していました。

 青黒テラーに関しては、ミラーを重視してメインから《喪心》の採用などとクリーチャーの総数の変化に留まりますが、《謎めいた海蛇》の追加で合計8枚の海蛇を得た青赤、青単テラーに関しては明確にパワーアップし、アーキタイプの確立がなされました。

8枚あればデッキになる理論が青黒以外でも可能に。

 なお、青赤はテラーミラーに強い《紅蓮破》を採用しつつ、《稲妻》や《雪崩し》などの優良火力でバックアップを図りましたが、他には強くても、いまいちミラー戦を制しきれていない様子。《紅蓮破》があっても火力をテラーに当てにくいのが微妙なのでしょうか。
 中でも群を抜いて強かったのが青単テラーで、タップインのないテンポ感が強く、他を圧倒してしていました。友人がMOで好成績を連発していると聞いて自分でも回してみたところ、確かにアンタップインによる生物の連打がしやすく非常に強力なデッキであることがわかりました。

 そのため、私の中でのテラーデッキの序列は 青単>青黒>青赤 のような認識になり、そしてこれらに強いデッキを持ち込むことがデッキ選択の第一条件となりました。

 なお、前回大隆盛していた赤単に関しては、苦手デッキである青黒テラーの隆盛や、最大勢力になりそうな青単テラーが《青霊破》&《水流破》を合計7枚程度採用されていることなど、非常にメタられているので、よほどの赤単好きな人以外は持ち込まないだろうと予想しておりました。


◆デッキ選択

 さて、いざ自分が何を使おうかというところですが、前回の神決やPauperSummitCup3でも好成績を残した緑単ステッカーストンピィは、テラーが環境にあまりにも多すぎるうえ、狩りたい赤単カルドーサが減っていることから使用候補には上がりませんでした。

 次に《きらきらするすべて》が採用された通称きらきら親和も調整していましたが、土地破壊をされるのが非常にストレスで、自分の回していたミッドレンジタイプではアグロの速度に追いつけないことから、1ヵ月程度では調整しきれないと断念しました。

 そこでさまざまなデッキリストを観察していった結果、とあることに気が付きました。

 全体除去がほとんど取られていない。

 赤単カルドーサの衰退と大型クリーチャーであるテラーの隆盛により、黒いデッキの場合はお守りのように《生き詰まる噴煙》がサイドに1~2枚程度で、赤いデッキの場合は親和対策も兼ねた《火の中に投げ捨てる》が数枚程度。親和からも《クラーク族のシャーマン》が合計2枚程度の構築もあることから、とあるデッキに希望の光が舞い込んできたのです。私の大好きなで。

 そう、エルフだ。


◆エルフデッキについて

 パイオニアのエルフならロードによる強化とバーンダメージ、レガシーなら《孔蹄のビヒモス》でのオーバーランが主なフィニッシュ手段になるかと思いますが、パウパーのエルフはとにかく物量です。

 《ラノワールのエルフ》や《ティタニアの僧侶》によるマナ加速でエルフたちを大量展開。《エルフの先兵》で圧をかけ、デッキの半分以上をクリーチャーにして《紆余曲折》や《暴走の先導》で大量補充。
 最後は《森林守りのエルフ》による、エルフ分のパンプアップで一撃必殺を狙うデッキです。

新規イラストが強そうで好き。

 このデッキは、エルフ分のゲインを毎ターンできる《幸運を祈る者》に、小粒エルフやエルフを唱えるたびにエルフを出す《リス・アラナの狩りの達人》によるブロッカーの多さも相まって、ビートダウン対決が非常に得意となっており、異様なまでのマナクリの数でコンボの速度もあります。

エルフ版のTwitter

 ただし、唯一の弱点として全体除去に弱いです。



 ……あれ、全体除去が環境から無くなってね?

全体除去???

 アーティファクト対策兼全体除去役として最近採用されがちな《火の中に投げ捨てる》は最大2体までのタフ1クリーチャーしか落とせないので、他のエルフたちが生き残るならこのカードはエルフにとって何でもありません。
 以前までは赤単カルドーサ対策の余波により冬の時代を過ごしていたエルフですが、環境から全体除去が抜け、テラーによるビートダウンが中心になったことで、ようやく春の暖かみを感じて森から出てこられてのです!

 さらに、エルフはただ森から出てきただけではありません。森から木を、指輪物語からツリーフォークの《気前のよいエント》を新戦力として加えました。

緑のデッキでは引っ張り蛸。もちろんエルフでも。

 このカードはクリーチャーでありながら、土地を探せるので、ただでさえ土地の少ないエルフデッキからさらに土地を減らして、《紆余曲折》らのヒット率をあげられる嬉しいカードです。(土地枚数が14→11まで減少)

 さらに、5/7というスタッツがテラーを飛び越え、《謎めいた海蛇》まで一方的に取れるという相性の良さ。苦手な全体除去を打たれても、エントなら余裕で耐えられるという、エルフにとってのマスターピースが登場しました!

 さらに、エルフ有識者の椎葉さん(@shiibasonnminn)とpraeさんの助言により《熟考漂い》を追加しました。こちらに関しては椎葉さんが詳しく書いてくれていたので、詳しくは下記のnoteで。

 椎葉さんとのエルフ談義の結果、全体除去対策でカウンターを構え続けるのはしんどいという結果になり、今が全体1点までの除去しか採用されていないならと、こちらも古代兵器の《蜘蛛糸の鎧》を提案しました。

全体に +0/+1 & 到達。
タフ2までも狙うカードが増えてからは、抜け気味だった。

 3マナのこのカードは最速で2ターン目に設置でき、それ以降の全体1点を無に帰すことができます。昨今のカウンター主軸で対策する場合は、どうしても青マナが出ない問題がありましたが、このカードは緑なので問題なし。  
 非常に出しやすい1枚でありながら、最近流行りの《つぶやく神秘家》のトークンも到達により止められるというオマケつき。

 実際ここ1ヵ月の対戦でも何度も活躍してくれて感触が良かったので、全体除去スペル対策を《蜘蛛糸の鎧》の3枚に割り切り、《クラーク族のシャーマン》対策に《青霊破》の3枚に絞りました。

 そんなこんなで当日のリストがこちら。

 デッキリストの相談をし合っていた椎葉さんとの主なデッキの相違点は、デッキの潤滑油となる《イラクサの歩哨》とバックアップ要員の《キヅタ小径の住人》がサイドアウトする機会が多かったため、《幸運を祈る者》の2枚目と、初動の安定を図るためマナクリと12枚目の土地を追加。
 《否認》に関しては全体除去対策というより、妨害がないとキツいコンボデッキや謎のローグデッキ対策として1枚だけ入っています。

 さて、デッキ紹介もしたところで、ようやく対戦レポートのスタートです!


◆対戦レポート

【R1】青黒t赤テラー:Pudd1nさん

 R1はTC東京で何度か対戦経験のあるPudd1nさん。エルフを握ってからの対戦成績は良いので、「(当たらないと思って)対策切ったのに」と嘆かれました。

G1 《秘密を掘り下げる者》も入ったタイプで、デルバーと《グルマグのアンコウ》に序盤から殴られ続けて負け。この速度をもう1回されたら負けるな~と覚悟。

G2 先手でカウンターも除去も間に合わない速度でブン回して勝ち。《移り変わるフィヨルド》が見えたのでサイドを迷う。

G3 相手が事故ちゃったようで、こちらがきちんとした初動を見せたところで投了。


【R2】青単テラー

 友達の友達の方。そこのコミュニティでは青単テラーが強そうだと話題になっていたので、もしやと思ったらやっぱり青単テラーで心の中でガッツポーズ。

G1 青単には除去がバウンスしかないものの、《断絶》三連打で《ティタニアの僧侶》を戻され続け、テンポロスがひどかったが、相手のクロックを《幸運を祈る者》と《クウィリーオン・レインジャー》と合わせた7x3のゲインでいなして、《森林守りのエルフ》が間に合って勝ち。

G2 カウンターを意識して、打ち消されても良い方からの精神で向かったら、《対抗呪文》、《対抗呪文》、《焦点の喪失》と打ち消されまくるが、ダブルアクションを取り続けて勝ち。
 ここで青単テラーは本当に餌だと認識する。
 振り返りとなりますが、テラーの序列は、青単>青黒>青赤 の順だと思っているので、もっと当たれ!と祈る。


【R3】5cスリヴァー:Top16の方

 上位卓に来ると席が前の方に寄って行くので、移動して気合を入れ直す。

G1 筋力!筋肉!捕食!とロードを3連打されるも序盤からしっかり《森林守りのエルフ》を出して、相手が殴れなくなり投了。

G2 《有翼スリヴァー》を出されてヒヤッとするものの、先ほどのようにロードが出るわけでもなかったため、《森林守りのエルフ》が間に合って勝ち。
 部族対決では負けられないと、エルフ村の意地を見せつける。《水連の花びら》まで入った独自構築が気になり、スリヴァーは拡張性が良いですよね~などと軽く談笑した。


【R4】グリクシス親和:makamさん

 席についた瞬間、相手がお知り合いの上手い親和プレイヤーだと分かったので一気に緊張感が走る。親和戦は、いつ《クラーク族のシャーマン》を引かれても全体除去をされる精神のすり減るマッチアップ。
 クラーク族を持ちこたえるには《森林守りのエルフ》の定着と、《エルフの先兵》によるクソデカサイズでの押し込みしかありません。

G1 慎重に展開するも相手のドローが芳しくない様子で、《エルフの先兵》と《森林守りのエルフ》の両展開が通り、勝ち。

G2 《ゴリラのシャーマン》と初動があったためキープ。
 《エルフの先兵》を出し、除去された返しに《仮面の蛮人》で唯一の青土地を追放して妨害。(このとき《物読み》3枚が手札あったようで、これがクリティカルヒット)
 4ターン目に《樺の知識のレインジャー》が到着し、満を持して《ゴリラのシャーマン》から土地破壊&土地破壊。《クラーク族のシャーマン》を出されても盤面のカードすべてを使わないと流しきれない状態にし勝利。

 事前の用意で、体力回復に勝ったらラムネ、負けたらGABAのチョコレートと決めていたが、親和戦がずっとクラーク族のケアをし続けていたため、ここはGABAを摂取した。


【R5】青赤コントロール

 さきほどの精神をすり減らすマッチを制し、4-0で迎えたこの局面。《冠雪の島》からテラーデッキであると油断してしまう。
 しかし、ここが運命の転換点。
 自分の認識では《謎めいた海蛇》と《トレイリアの恐怖》を主軸に、《稲妻》と《雪崩し》でバックアップするのが青赤テラーの認識だったが、相手はコントロールタイプだった模様で読み違える。

G1 序盤の《ティタニアの僧侶》を焼かれず、《幸運を祈る者》まで通るも、油断してゲインの起動忘れをしてしまう。(これ自体は勝敗に関係ないが、気が緩んでいることを意識した)

 通常の青赤テラーであれば、テラーと海蛇の連打によるクロックを目指すので、ゲインしていれば負けることはないが、《エルフの先兵》や《森林守りのエルフ》などのアタッカーだけを焼かれ、こちらの攻め手が無くなる。
 モタモタしている内に、《つぶやく神秘家》や《真紅艦隊の准将》などの蓋カードを出されて、リソース回復のスペルなどを打つも追加のアタッカー補充ができず、《焦熱の連続砲撃》を打たれて負け。

G2 《焦熱の連続砲撃》が見えたので、+0/+1修正では効果がないかと《蜘蛛糸の鎧》より《青霊破》を優先して3枚だけいれたが、これが判断ミス。
 焼かれたくないところだけを《青霊破》で懸命に守るが、《電謀》を追加していたようで全滅して負け。《蜘蛛糸の鎧》を信じていればまだ耐えられていたのに……。


【R6】8インパルス・バーン

 大会規模的に6-1-1がTop8の条件と考えると、ここが正念場。
 有利だと思っていた青赤デッキに負けたことで若干ティルト気味だが、サイドボードの確認時に相手の侍トークンが見えたので、ボロスシンセサイザーならいけるぞ!と意気込む。

G1 なお、直前の全勝卓には赤単バーンが1人だけしか残っていない様子だったが、1敗したことで8インパルスを踏んでしまう。
 ちなみにこのマッチアップは絶対に勝てない。《溶岩の投げ矢》は当然の如く1ターン目に飛んでくるし、《祭典壊し》もある。
 《幸運を祈る者》が定着することは99%ないが、その1%のときだけ勝つ。なおG1は《幸運を祈る者》が来ず、負け。

G2 今大会初のトリプルマリガン、土地なし、土地なし、土地なし。
 デッキの心が折れていた。
 ダブマリなら《青霊破》と《ヤスペラの歩哨》を構えられたが、3枚戻すとなるとココを戻すしかない。《紆余曲折》でマリガン分を補充するも順当に負け。


【R7】ポイズンストーム:カズテルさん

 Top8の目はなくなったが、Top16でも賞品は貰えるので続行。
 相手は直前のパウパー提督戦でも戦った方でもあり、お互いにデッキ相性と警戒しなければいけないカードについては分かった状態でのスタート。

G1 毒カウンターが徐々に溜まっていくも、早い段階で《森林守りのエルフ》を出せて、特に危ういところもなく勝利。

G2 毒のない状態で増殖ドローを打っているので何かを探している様子。
 全体除去に《アームズ・オヴ・ハダル》が入っているのは分かっていたので、気を付けつつ展開。
 十中八九、フォグ系スペルがあるだろうと最低限のリーサルアタックを仕掛けて《一瞬の平和》を打たれる。
 これが入っている&構えていると読んでいたので、サイドインした直接ダメージを狙える《ヴァラクートの発動者》でライフを削る。
 《アームズ・オヴ・ハダル》を打たれるも要所だけ《森林守りのエルフ》で守って、アタック+ヴァラクートで勝ち。


【R8】 青赤コントロール

 R7終了時点で16位。ここで勝てばTop16位内は確実だが……。
 相手はTC東京でちょくちょくお見掛けする方。使用デッキはバラバラなので何で来るかは分からず。多分こっちが緑なのはバレている。

G1 《移り変わるフィヨルド》で青赤デッキ確定。序盤からバジバシ除去を切ってくれたので、R5と比較すると楽だったが、今回も青赤テラーというより青赤コントロールだったようで《つぶやく神秘家》が定着。《気前のよいエント》もアタックが通らなくなり、《塵と化す》で流されて負け。

G2 R5の反省を活かして《蜘蛛糸の鎧》をサイドイン。
 《ヤスペラの歩哨》、《紆余曲折》、《暴走の先導》x2、《森》x2でキープ。補充スペルは1回は打ち消される覚悟で、補充しまくる戦略。ヤスペラ単体ではマナは出ないが、40枚もクリーチャーが入ったデッキなら何か引くだろうという想定。
 なお、ドローは《紆余曲折》、《気前の良いエント》、《森》と実質スペルと土地しか引かず、相手の《秘密を掘り下げる者》3連打が裏返る。
 《蜘蛛糸の鎧》を引いて、ダブルブロックでデルバーを落としたかったが、上記のドローの通りエルフが足りず、補充スペルで引いたエルフを片っ端からチャンプブロックし続けるも、ジリ貧になったところに《稲妻》をねじ込まれて負け。
 《青霊破》もあったので、もうちょっと1マナエルフが来ればワンチャンある、非常に惜しい展開でした。


◆おわりに

 という訳で、結果は5-3の24位でした。大会に予想通り多かった、青単・青黒テラーともっと当たれれば上を目指せたかもしれませんが、赤いデッキと当たって負けるのはエルフの宿命なので致し方なし。
 とはいえ、自分がパウパーを始めて最初に作った思い出のエルフデッキで、最後まで順位を求めて完走できたので満足です。

 第1期パウパー神のときもエルフで出たのですが、そのときは早々に2-2でドロップしたので、そのリベンジとしては良かったと感じており、不思議とTop16に残れた前回よりも晴れやかな気分で大会を終えられました。

 また今回、同じくエルフを調整した椎葉さんの対戦を毎ラウンド見に行って、一喜一憂できたのはとても楽しかったです。

 次回の神決が2023年11月3日(金・祝)と比較的すぐ開催されることに決まったので、環境がどう変化するかも楽しみにして、また次回もよろしくお願いします。

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