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歌謡曲 真面目パロディソング定着

歌謡曲
リリース:1986年1月21日

オリコン最高順位:2位
ザ・ベストテン最高順位:2位

「一気」で音楽番組デビューを果たしたとんねるず。
「一気」、「青年の主張」は人気若手お笑いタレントが歌う企画ものソング。
その延長的に発表された「雨の西麻布」が前の2作を上回るヒット。
有線大賞最優秀新人賞や音楽祭ノミネートなど
まるで歌手のような活躍をした。

まるで歌手。
「雨の西麻布」という真面目な演歌ソングをコメディアンが歌う。
もちろんボケたりおちゃらけたり暴れる時もあったが、
時には大真面目に歌う。
そこも含めて、まるで歌手なとんねるずのデビュー作が
「雨の西麻布」だとすると
真面目パロディソング定着の第一弾は
その次にリリースした「歌謡曲」といえるだろう。

「一気」、「青年の主張」ととんねるずカラーを前面に出した歌を2曲続けた後は、
演歌(ムード歌謡?)を2作続ける。
前作のファンはもう一度どうぞ。
新しいファンは前作もどうぞ。
王道的な売り方でオリコン順位、売り上げともに「雨の西麻布」を超え
この時点での自身最高売り上げを記録した。

歌謡曲はイントロ、曲間のセリフは雨の西麻布の流れ
一番の違いは男×女のデュエットから
スナック勤めの幸の薄い女へ歌う男のデュエット。

いいの私は幸せなんて似合わないと手相にまで出ているの
どうせ私は水商売の女だから幸せまで水ものね

いかにも演歌に歌われそうなフレーズを入れながら
実はこの曲には、別なパロディが。

メロディラインが、サザンオールスターズの「チャコの海岸物語」と同じ。

「歌謡曲」の歌詞で「チャコの海岸物語」を歌えるし
「チャコの海岸物語」の歌詞で「歌謡曲」も歌える。(カラオケでお試しあれ)
そのことを一般に公表したのは「歌謡曲」がリリースされてだいぶ経ってからのはず(秋元康が何かの対談で話したと記憶・・・曖昧)
「チャコの海岸物語」からパクってますよ、とは言わず
曲はいたって真面目。

それでいて曲の頭で二人が歌う

「ごめんねアチャコ」

アチャコって誰?花菱アチャコと思う人も多い中、
チャコに謝っているわけですな。

真面目な中に不真面目を散りばめ
だけどもうお笑いソングとは言われず
またまたザ・ベストテンや歌のトップテンにランクインされ、
夜のヒットスタジオにも出演し、

音楽賞関連では
銀座音楽祭、
メガロポリス歌謡祭、
あなたが選ぶ全日本歌謡音楽祭
と3つの音楽祭で特別賞を受賞。
もうお笑いタレントの企画ものソングではない、
歌手・とんねるずとしての評価が定着した一作。

それが歌謡曲でした。


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