第253回 2018/12/25–2019/1/6の歴史ニュースピックアップ

1、二週間分の歴史ニュース総まとめ

先週はニュースが少ないということと

年末最後の月曜日ということで、

勝手に考える、2018年の十大歴史ニュースと題したnoteを書いたので、

今回は二週間分となります。

年明けからは普通にニュースが出てきたようですね。

年末年始は結構Twitterに張り付いてニュースを見逃さないようにしていましたが、

読者の方からの、
「このニュースを見逃してるよ!」
という報告楽しみにしております。

2、結局34件ものニュースが…

①京都府南丹市の園部城が日本の城郭建築のなかで最後となる「ラストキャッスル」としてPR 京都新聞(リンク切れ)

②再建が進む名古屋城で1047面の障壁画を保管展示する施設を2020年までに開館すると発表 朝日新聞

③栃木県那珂川町なす風土記の丘資料館で「亥を考古学する」と題した企画展。1月14日まで 下野新聞

④歴史学者磯田道史氏が岡山県倉敷市の真備ふるさと歴史館へ古文書を寄贈。江戸時代の岡田藩主の書状など 山陽新聞

⑤愛媛県今治市の能島城が西日本豪雨からの復旧に文化庁の補助を受けて取り組むと発表 毎日新聞

⑥本願寺顕如が本能寺の変から程なくして秀吉に宛てた書状を発見 NHKニュース(リンク切れ)

⑦広島県内の毛利一族ゆかりの関連施設を巡ると揃う武将カードを企画 みんなの経済新聞

⑧甲府市役所で恒例の「武田流門松」を設置。1月11日まで 毎日新聞

⑨埼玉県行田市で市指定文化財「旧忍町信用組合店舗」を利用した文化財カフェがオープン 熊谷経済新聞

⑩京都市下京区の浄教寺境内の発掘調査で秀吉時代の堀跡を発見 産経新聞

11 京都市下京区で行われた発掘調査で平安京の東端「東京極大路」の側溝跡を発見。隣接する整地層の上には羅城の跡はなかった 京都新聞

12 地震被害からの復旧作業が進む熊本城で大天守の石垣工事が完了 朝日新聞

13 沖縄県石垣市の大兼久古墓群で岩陰墓と拝所跡の発掘調査 八重山毎日新聞

14 千葉県睦沢町の弘行寺で「成就阿弥陀如来立像」の特別公開 千葉日報

15 葛飾北斎没後170周年に合わせ、長野県小布施町の北斎館と東京都墨田区のすみだ北斎美術館の交換展示を企画 信毎Web

16 岡山県瀬戸内市の国立ハンセン病療養所、長島愛生園の建物群を建築家らが図面化。世界遺産登録を目指して 山陽新聞

17 鹿児島県鹿児島市で岩崎育英文化財団主催の「整形マネジメント塾」が開催。神田外語大学の町田明広准教授が西郷隆盛の半生についての講演 南日本新聞

18 大分県の別府大学が九州各地の石垣や石橋の3D計測に着手 西日本新聞

19 京都府福知山市の「横山株」、明智光秀で領地を奪われた豪族の子孫として現在でも絆を維持 京都新聞

20 滋賀県近江八幡市の安土城の復元に向け、滋賀県が新年度から本格的な検討を開始 京都新聞

21 京都市南区の西寺跡で五重塔の場所を調べるための発掘調査の実施を決定。2019年秋頃着手の方針 関西NEWS WEB

22 神奈川県小田原市観光協会が発売している小田原城の「登閣朱印」が注目を集める 神奈川県新聞

23 京都市の二条城で入場料の支払いに電子マネー決済を導入 NHK関西NEWS Web

24 近代の文化遺産が廃棄・流出の危険 収蔵場所の確保困難が理由 京都新聞

25 兵庫県姫路市の姫路城の大天守から日の出を楽しむツアー企画。2月3日まで みんなの経済新聞

26 奈良県明日香村のキトラ古墳で重要文化財指定後初めて壁画を一般公開2月17日まで 産経新聞

27 佐々成政が秀吉から肥後国の支配を認められた書状の写しを確認。九州平定からわずか10日後という早い段階だったことが注目される 北日本新聞

28 長野県千曲市の県立歴史館が古書店の目録から長野県に関する文書を抜き出す調査。県外流出を懸念 信毎Web

29 三重県明和町の国史跡斎宮跡で飛鳥時代後半の方形区画と多数の建物跡を確認。初代斎王に関わる遺構か 読売新聞

30 石川県金沢市に2020年に移転予定の東京国立近代美術館工芸館の詳細を明らかに 朝日新聞

31 福島県福島市の老舗旅館「藤金」が閉館。明治初期の創業で、木戸孝允や竹久夢二も宿泊 読売新聞

32 大分県竹田市の大学地域連携運営協議会で江戸時代の「岡大豆」を復活させて商品化をめざす 大分合同新聞

33 群馬県伊勢崎市の国史跡三軒屋遺跡で奈良平安時代の区画のための大溝や防火用とみられる池跡を発見 上毛新聞

34 京都市左京区で平安時代前期以前の「檜尾古寺」関連とみられる遺構・遺物を確認。京都女子大の梶川敏夫氏と学生らの調査 京都新聞

3、地域を照らす光か、地域から発する光か

年末年始でも多くの歴史に関するニュースがありました。

発掘調査で新たな発見がありました!というニュースはもちろん目を引きますが、

各地の博物館で行われる展示企画に関する話題や、

地方紙にしか載らないようなローカルニュースの中にこそ、何か考えるヒントがあったりするのも醍醐味です。

例えば、32で取り上げた地域野菜を復活させる取り組み。江戸時代には各地に特色ある野菜があったのですが、近代に商品化、大量生産が望ましいとされる風潮が生まれたため、どんどん姿を消していったのです。

現代では逆に、そこでしか食べることができない、ということに価値が見出されるようになったため、復活させようと取り組んでいる地域は多いようです。

その中でも、大分県の竹田市では、地域と大学、しかも史学系だけでなく、食物栄養学科との連携も行なっているところが特筆されます。

様々な立場の人間が地域の歴史を解きほぐして、新たな魅力を作り出す、歴史文化の理想的な活用ですね。

今後も歴史ニュースをできるだけ集めていきたいと思います。


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