「欲望年表」をつくる

 千葉雅也著『勉強の哲学』において取りざたされている「欲望年表」を友人が作っており、「お前も作ってみてくれ!」と言われたので作ってみる。ちょうど自分のゼロ年代からテン年代にかけての史観にもつながるのではないかと思う。友人のものはこちら。↓

なおこれほど知的な感じではないことは、あらかじめご了承いただきたい。
あとこの分類だとゲームがかなりわかりにくいのでとりあえず省く。いつか追記するかも。

①00-06年

まぁ特に記憶がない。ギリギリ20世紀生まれであったことはなんとなくアイデンティティになっている気もする。話によると秋葉原の鉄道博物館によく行っていたらしい。覚えてないが。

好きだったもの→アンパンマン、鉄腕アトム、電車の本

②07-09年

小学校に入り若干自我が芽生え始めたころ……のはず。
 この頃、絵本以外のものを読み始めるようになる。学校の図書室と近所の図書館に入り浸っていた。みんなが読むような『ズッコケ三人組』、『怪人二十面相』、ファンタジー作品あたりを好んで、全巻読破した。異常執着。ハードカバーの本をよく読んでいた。”本”という感じがしてカッコよかったのだと思う。シリーズものが好きなのはこの辺りの経験が影響しているのかもしれない。シャーロックホームズも読んだがカタカナが多かったからか、なんだかよくわからなかった。
 アニメはポケモンを見ていた。休日には戦隊ヒーローと仮面ライダー(終盤は見なくなった)とプリキュア(妹と鑑賞)、あとは笑点が好きだった。テレビ関係はこれくらいか。
あと『かがくる』を購読していた。今は文系なんですけどネ。

好きだったもの→『シェーラひめのぼうけん』

③10-12年

小学校高学年。青い鳥文庫にドハマりした。
 正確には『かがくる』で連載されていたはやみねかおるの『恐竜がくれた夏休み』がめちゃくちゃ好きだった。そこから『都会のトム・ソーヤ』を経つつ青い鳥文庫へ入っていった。『黒魔女さん』、『パスワード探偵』、『夢水清志郎』、『怪盗クイーン』(正式名称略)あたりは当時の既刊は全部読んだはず。あとは歴史もの、伝奇ものが好きだったので『その時歴史が動いた』、偕成社の『三国志』、『西遊記』、『南総里見八犬伝』あたりをマジで穴が開くほど読んでいた。このころ『三国演義』のアニメもやっていて毎週楽しみだった。
 他には宗田理の『ぼくら』シリーズと『獣の奏者』あたりは全部読んだ。ハードカバーばっかり。ありがとう、図書館……。
 この時期の後半に入ると中学受験につき問題で読んだ面白い小説を借りて読むことが増えた。重松清の『くちぶえ番長』と伊藤遊『ユウキ』が一番好きだった記憶。『桐島、部活やめるってよ』は面白さがよくわかっていなかった。
 あと友人に貸してもらった森博嗣は難しくてわからなかった。なんで最初に貸したのが『有限と微小のパン』なんだよ。アホか。
 他にはミリタリー関係に少しハマった。友人の兄貴が作っていた1/350スケールの戦艦大和に憧れていた。1/700スケールのものはこの時期作ったけれどそれ以上のものはやったことがない。いつか作ろうと思う。

好きだったもの→はやみねかおる作品、『三国志』、伊藤遊『ユウキ』、『獣の奏者』、『その時歴史が動いた』シリーズ

④13-14年

運よく蠟梅学園中等部(嘘ですその辺の中学)に合格。
 学校の図書館にエヴァの序・破・Qが全部あったのでそれを見た。それから漫画、アニメとエヴァに憑りつかれていった。次に、半ば学級文庫と貸していた友人のライトノベル(『ロウきゅーぶ』、『機巧少女は傷つかない』、『東京レイヴンズ』、『新妹魔王の契約者』あたり)に手を付けた。深夜アニメの存在もこの頃知って見始めた。友人と俺妹の好きなヒロインを巡って喧嘩してたのもこの頃。ニコ動の『涼宮ハルヒの憂鬱』一挙でエンドレス・エイトを見て自分がおかしいのか真剣に考えたことも懐かしい思い出だ。今に続く終わりの始まりである。ハァ。他には古典部シリーズの影響で米澤穂信作品は好きだった。この辺は今も好き。
 ボカロにもハマった。俗に言う「カゲプロキッズ」直撃世代なので、白いイヤホンを耳にあててパーカー被ってたことはスティグマとしてここに残しておこう。
 この時期の後半ではこの傾向がさらに加速した。2014年といえば『俺ガイル』最盛期であり『冴えカノ』最盛期である。ついでに個人的きらら系列作品草創期でもある。『ごちうさ』があるのでね。艦これをしながらラブコメジャンルの作品をとにかく読んだり見たりしていたのがこの時期に当たる。きらら系列の日常系的なテイスト+ミリタリー要素に惹かれてガルパン、ストパンあたりに飛んだすえ、あらぬ方向に着地するのはまたもう少し後の話。

好きだったもの→『新世紀エヴァンゲリオン』、渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズ、丸戸史明『冴えない彼女の育てかた』シリーズ、『カゲロウプロジェクト』、杉井光『神様のメモ帳』、Koi『ご注文はうさぎですか?』、米澤穂信『古典部』シリーズ、西尾維新『物語』シリーズ、『中二病でも恋がしたい!』

⑤15-16年

中学の終わりから高校の始まり。蠟梅学園は中高一貫なので進学は成功。
 ラブライブ!にドハマり(見たのは14年末)。逆張りで見ていなかった(スクフェスはやってた)のがこの頃一気見して、まさかの大号泣だった。異常執着パワーを発揮して摂取可能なものはだいたい視聴したと思われる。
 『ラブライブ!』は2016/4/1で一区切りなわけだが、当然人間はそんな簡単ではなくしばらく僕はこいつに執着することになる。
 ガルパンも好きだった。ものぐさインドア派のぼくが高校時代唯一友人と行った旅行が大洗聖地巡礼だった。『カチューシャ』は今も歌える。ガルパンの影響でドイツ語、ロシア語を勉強しようと思ったが英語もままならないのにできるはずもなく、数詞を覚えて終わった。
 この頃は自分のラノベブームが落ち着いていて、継続していたもの以外は買っていなかった(ド金欠なのもあった)。逆にきららブームが来た。正確には『きんいろモザイク』ブームなのだが。他には家に積んであった米澤穂信のほかの作品や宮部みゆき、東野圭吾をちょくちょく読んだ。この頃、自分はテンポよく読める短編集が好きだなということに気づき始める。歴史小説も相変わらず好きだったので北方謙三の作品もそこそこ読んでいた。他にはSFが周囲で流行っていたので『1984年』『高い城の男』、『ハーモニー』あたりは面白かったので記憶に残っている。あとは近代文学をちょこちょこを読んでいた。
 いろいろ書いてきたが16-17年あたりは高校で色々していて忙しかったのであまり本を読めていないことは注記しておく。アニメは毎クール10本弱見ていた。『純真Always』という曲(『無彩限のファントム・ワールド』ED)がなんかものすごく好きだった。今も好き。

好きだったもの→『ラブライブ!』、『ガールズアンドパンツァー』、宮部みゆき『地下街の雨』、米澤穂信『満願』『儚い羊たちの祝宴』、東野圭吾『白夜行』、ジョージ・オーウェル『1984年』、伊藤計劃『ハーモニー』、新井チェリー『未確認で進行形』、原悠衣『きんいろモザイク』

⑥17-19年

高校終盤から闇の浪人期前半
 『ラブライブ!サンシャイン!!』に意識を持っていかれる。『ラブライブ!』との対比のなかでの構造がすごく良かった。
 哲学に本格的な興味を持ち始める。諸事情につき16年くらいからインド哲学に興味があって本を読んでいたのだが馬鹿なので当然わからなかった。逆に宗教はなんとなく理解した。この時期になって高校で哲学の授業を取ったりしてなんとなく勉強を始める。いまだによくわかっていないが。哲学の教員が政治哲学を専攻していたのでマキアヴェリを中心に読んだがこの辺には残念ながらとても興味が湧いたわけではなかった。そもそも存在論や時間論が中二病っぽくてカッコよかったのもあり興味があったので、浪人期に入ると現象学をかじってみる。谷徹『これが現象学だ!』、仲正昌樹『ハイデガー入門』、轟孝夫『ハイデガー「存在と時間」入門』あたりを読破。まぁわかってないけど。『断片的なものの社会学』で社会学も面白いなと感じつつ、哲学をメインに勉強していくことを決めたのはおおよそこの頃なのかもしれない。
 他には歴史の勉強と称して歴史関係の本はかなり読んだ。身につかなかったが。マクニールの『世界史(上・下)』や『未完のファシズム』は読みごたえがあってよかった。
 映像作品だと今敏の『千年女優』に衝撃を受けた。連続したカットの中で突然全く異なった場面に移り変わるのが気持ちよかった。今でも一番好きなアニメ映画の一つ。
 この頃は正直言って受験から逃避したかったのもあって、結構人文書が多かった。一方で、アニメは全然見なかった。毎クール5本ちょっとくらい。19年なんかは年間で10本も見ていないかもしれない。
 他には④の時期に読んでいた『人間失格』を再読。面白さを再認識して以降、近代日本文学をよく読んでいる。夏目漱石あたりのロマン主義作品の在り方が個人的にかなり気に入っている。後は、ひと昔前のライトノベル熱が再燃。『俺妹』、『はたらく魔王さま!』、『変猫』あたりをまとめて読破した。あとは受験終わり(落ちたが)に一気読みした桜庭一樹『GOSICK』、米澤穂信『小市民』シリーズは面白くて良かった。

好きだったもの→『ラブライブ!サンシャイン!!』、『リズと青い鳥』、『とらドラ!』、今敏『千年女優』、夏目漱石『三四郎』、桜庭一樹『GOSICK』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『私の男』、米澤穂信『ボトルネック』『インシテミル』、村上龍『69 sixty nine』、村田紗耶香『コンビニ人間』

⑦20年-

 闇の浪人期後半から現在まで。コロナ突入期とも言う。この辺りになるとやりたいこと(=欲望)がはっきりしてくるので書いても意味はないと思うのだが、一応軽く書いておく。
 近代日本文学は継続。三島由紀夫没後50年だったこともあり三島を中心に読んだ。他には武者小路実篤『友情』、島崎藤村『破戒』、鷺沢萠『帰れぬ人びと』あたりは面白かったので覚えている。国木田独歩の『武蔵野』はよくわからなかった。
 ついでに受験ほっぽって読書会をしていた時期もある。「実存主義文学」を軸に安部公房『壁』、サルトル『嘔吐』、カフカ『変身』を読んだ。ついでに「実存主義」の勉強をした。現象学は一旦休ませ、構造主義やカントあたりの分野をかじる。この辺の読んだものはかなり今も役立っている気がする。
 ライトノベル、アニメは拍車がかかる。20年に入ってから毎クール15-20本くらい見ているはず。ラノベも改めて古い作品を読みつつ新しい作品を適当に掘っている最中。
 あと、満を持して(?)サブカルチャー評論に手を出し始める。作品を懐古することが多くなったのが恐らく原因だろう。東浩紀『動物化するポストモダン1・2』、宇野常寛『ゼロ年代の想像力』、『母性のディストピア(まだ途中)』あたりを読みつつ今に至る……

というわけで、こんな感じです。他人とすり合わせるの面白そう。サンプル増やしたほうが絶対楽しいので、皆さんもぜひ書いて(そして共有して!)みてくださいね。

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