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3人でスフレを

7つ年上の〈彼女〉と、
いっこ下の[友達]と私の
「3人で、スフレ食べに行こう」。
話が出たのは、2018年のこと。
3月に と日にちを決めてお誘いしたら
〈彼女〉が、
では4月にしましょう と決めたら
[友達]が、
それぞれ都合が悪い。
「スフレは逃げないから」
またいつか、都合の合うときに、
そう言いつつ、時が流れ。

元号が平成から令和に変わる頃に、
行く予定にしていたスフレのお店が
閉店するいう情報を得た。
…………スフレ、逃げるじゃん………
逃してたまるか‼️と、すんでのところで
[友達]に スフレの約束を取り付けた。

当日。
スフレの前に話したいことがあるからと
早めに待ち合わせた。
なんとなく不穏な予感はしていたけれど
できれば外れて欲しかった。
………まさか〈彼女〉が居なくなってしまうなんて………

平成の終わりの スフレ

その後 スフレのお店が、
別の場所に移転して営業していると聞いた。
[友達]と「また、スフレ食べに行こう」と約束した。
ただし、
流行り病が落ち着いて、行ける状況になったら、と。

令和のスフレ。前回と全く同じスフレをオーダーしていたことに、いま気がついた

先日、その約束は、ようやく果たされた。
「再びのスフレ」を叶えるために
予備日まで設定した自分を、ほめてあげたい🤣

📝つむぎの ひとこと ふたこと✒️
夏の盛りにこの世に生を享けた彼女は、
真冬に天に召されてしまった。
「3人でスフレ」は永遠に叶わぬ約束になった。
「いつか」と約束したことで、
いくつ果たされたのだろう。
あと1年もすれば、彼女の歳を追い越してしまう。
私も「いつか」この世を去る日が来る。
それが「いつか」わからないからこそ、
ひとつでも「いつか」の約束を、
「いつか」の夢を叶えておきたいと思う、
春の宵である。

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