見出し画像

なぜ、中小企業診断士を目指したのか。

夢のない男、診断士を知る。

私は大学卒業後のモラトリアムを経て、25歳で遊技業界向けに特化した顧客管理システムのメーカーに就職しました。大学生時代からこのくらいの年齢までは、恥ずかしながら全く将来のビジョンや夢などはもっておらず、気分の赴くままに、言い方をかえれば行き当たりばったりで時間を浪費していました。

これは後悔しているというわけではありません。この時に違う道を選んでいれば今どうなっているかはわからないので、考えても仕方がないと思います。ただ、子どもたちにはやりたい事は早めに見つけるように話をしたり、積極的に情報を与えてあげたいとは思います。

もちろん、今の私には個人的に叶えたい夢があります。仕事で実現したい姿もあります。そのあたりはおいおいお話する機会があるかと思います。

その後、紆余曲折を経ていわゆる3P/Lの会社に移りそれなりに責任を持つ立場になっていく中で、結婚し、子どもが生まれた時、ひとつの方向性が見えてきました。物流業の将来性は確かですし会社も伸びていましたが、ワークライフバランスを考えた際に、残業時間や年間休日を考えると現役生活をその会社で終えるという選択肢はありませんでした。幸い、妻も独立志向があり「いつか2人でシナジーを発揮しつつそれなりに生活できる形で起業したいね。」という話になり、いろいろと調べているうちに自分には中小企業診断士が向いているのではないかと漠然と思ったのです。しかしながら、当時は月の残業が80〜100時間くらいあったり、第一子も生まれたりでなかなか勉強時間を確保するのは難しい状況でした。

診断士志向の男、物流を知る。

独学で診断士の勉強と会社で物流の仕事をしているうちに、「物流という機能はほとんどの企業に必須の機能だ。それなのに物流のことを知らない荷主が多すぎる。一方、物流企業は荷主の勉強不足をいいことに利益を得ている。この情報の非対称性を解消することは社会のため、かつ、一定の需要があるのではないか。」と考えるようになりました。

こうして、物流に強みを持った診断士というポジションを目指すことにしました。

勉強時間の確保に頭を悩ませていた私は、転職活動を始めました。理由はそれだけではなく、勤めていた3P/L会社は物流の中でも最下流です。物流に強みを持つためには上流の工程の経験が必要だと思っていましたし、SCMなどの経験も積みたかったからです。ですので、基本的にはメーカーなどの物流担当のような職種で探していました。

また、実際に物流の最前線で業務をしていると、物流が企業活動の中で重要な位置であるかをさらに強く意識し、物流は経営そのものでもあるとの考えにまで至り、さらに診断士の資格を得る必要性を強く感じました。なぜなら、私のそれまでのキャリアでは物流に関する強みがあってもそれと経営を結びつけるピースが足りていませんでした。そのピースとして中小企業診断士の資格が必要不可欠なものでした。

物流の男、挫折を知る。

そんな折、運良く外資系メーカーの物流マネジャーの求人を発見し、たまたまご縁がありましてステップアップすることができました。

その会社では一部上場の3P/L会社に国内物流を委託していましたが、品質でもコスト面でも納得がいっておらず、自社でハンドリングする物流機能を持ちたいと考えており、そのマネジメントをする人材を募集していました。私はいろいろな点でこの話にメリットがあったので応募しました。

メリット①:外資系メーカーの管理職という肩書を得る事ができる
メリット②:あわよくば海外からの調達を含むSCMに関わることができる
メリット③:一部上場物流企業のノウハウとコネクションを得る事ができる
メリット④:これまでの経験がフル活用できる

そんなわけで意気揚々と乗り込んだわけですが…

なんと、入社後4か月ほどで自社でハンドリングする物流機能を持つというミッションが消滅しまして。会社と調整の上、退職する流れになりました。ただ、そのミッションが無くなっても会社に居て欲しいと思われるほどの人材ではなかったということです。はい。

ただ、収穫もありました。
1年間という短い期間ではありましたが、物流費を平均で月200万円ほど下げることができました。これは、上でも述べた「中小企業の物流は適当で改善の余地がたくさんある」にもつながりました。
また、一部上場の3P/L会社の改善力も大したことがないというのがわかったのも収穫でした。この2つの収穫は私に大きな自信を与えてくれました。

その次は国内の化学系メーカーに転職しました。ここでは、国内工場の増設と自社でのECの拡大に向けて物流の責任者候補というポジションでしたが、この企業は私にとってはブラック企業でして、入社した月から次の職場を探しておりました。

挫折した男、心意気を知る。

そんなとき、物流管理職を募集していた今の職場に応募しました。そして同社のGMとの面接は非常に印象に残っています。第一声は「中小企業診断士の二次試験、受かる?」でした。
他には「将来的には起業してもいいからそれまでの5年10年がんばって。」とも言われました。さらには今回募集している物流管理職ではなく、経営管理部に来て欲しいとのことでした。これは私にとっても悪い話ではありません。将来的なことを考えるとなるべくレイヤーの高い仕事をするのは興味がありました。しかし、「経営管理での募集は計画にないので役員を説得する必要がある。」とのことでした。他にも、あの手この手を尽くしてくれてぜひとも来て欲しがっているというのが伝わりましたし、最終的には「うちくらい立て直せんかったら起業してもやっていけへんで。それに失敗してもいい経験になるし、成功したら実績にもなるで。」と口説かれ入社を決意しました。
この人は自身も中小企業診断士試験にチャレンジしたが途中で諦めたそうです(その分私は過大評価されています!)。もちろん診断士の資格をとったら相応に診断士活動もさせてもらえる条件です。

そして令和元年8月に入社(なんと一次面接より5か月後!)、12月に念願の診断士試験合格となりました。そんな面接時の経緯もあり今回の二次試験は負けられない戦いがあったのです。

心意気に感じた男、未来を創る。

いきなり経営管理に配属だと敵を作るらしく、入社後は調達関連の部署に配属(次は生産管理に異動となるようです)となっていますが、デイリーワーク以外の時間は全社的な問題の改善に取り組んでいます。中小企業診断士の登録が終われば企業内診断士として企業内の問題解決を行いつつ、診断士としてのネットワークと知見、経験を深めながら10年後くらいには起業したいと考えていますが、今の会社のために私よりも若い人たちのためにも道を作るまでは辞められないなとも思っています。

我が社は日本の旧態依然とした中小企業のステレオタイプです。我が社の最大の問題点は硬直かつ凝集化した組織風土です。
それをなるべくゆるやかに解きほぐしていくための手法は5S だと感じています。個人的には5Sを強化すると個人の能力、ひいては会社のパフォーマンスが向上すると信じています。
我が社がこれから取り組んでいく5Sのあり方、実践方法、浸透させるために作成・使用した資料、改善の成果などをnoteで発信していけたらと思っています。そして、それが他の人々に少しでもお役に立てたらと考えています。

そして、私が起業する際に5S活動の推進者となったという経験は必ずプラスになります。
診断士+5S改善実績+物流+生産管理+ITストラテジスト持ち+我が社を立て直した実績

という将来像を描いているのです。

画像1

上の図のように日本の企業の99.7%は中小企業です。さらに日本の会社員の70%は中小企業勤務です。中小企業の改善・効率化・生産性を上げるといったことは日本の大多数の人を幸福にするポテンシャルがあると感じます。それが私が中小企業診断士になって実現したい事です。以前は自分の勤める会社さえ良くなればいいと考えていましたが、年齢を重ねるごとになぜか社会全体のことを考えるようになりました。きっかけは子どもが産まれたことではないかと感じます。子どもの世代になるべく苦労させたくないという単純な親心が、少しでもよい社会を創ろうとするのではないでしょうか。

今年のテーマは「Make Future

自分の未来、会社の未来、次世代の未来を。


よろしければサポートのほど、よろしくお願いいたします。