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伝え方の話。

少し前にとあるレッサーパンダの

「たとえ相手にとって耳の痛い内容であっても、本当に相手のためを思って真剣に考えたことであれば、それは相手に伝わって距離がぐっと縮まることがあるな。伝える内容が論理的であっても、そこに情熱(パッション)を込めて伝えることで、相手の感情を揺さぶって行動を促すことができるど」

というツイートを見て、思うところがあるので簡単にnoteにまとめてみよう。

昔、といっても5年ほど前の私はロジカルモンスターだった。
自分ではその自覚はなかったのだが、当時つとめていた会社を辞める際に当時の本部長と3時間くらい面談していただいた時に、そう教えてもらった。

その時は、直さないいけないな、とかは意識しなかったのだけど、何かのきっかけ、たぶん子どもの成長につれてだと思うんだけど、ロジックだけでは他人に言いたいことの半分も伝わっていないと思うようになった。
ということは、社会でも上の立場へは行けないし、大きな仕事はできないなと感じた。

それ以降は、意識してパッションに寄るようにしてみた。

具体的にどのようにパッションに寄せていったかというと、
それまでは人の行動や結果に興味があったんだけど、そうではなく、人の考えやプロセスに興味を持つようにした。もともと、価値観の相違には寛容なタイプなので、人の考え方というものにあまり興味が持てなかった。そこを他人の価値観を深く知ることで自身に役立てようと言い聞かせ、どういう考えで他の人が行動しているか、行動や発言の裏をよく読み取るように努力をした。

気になったことはメモを取ったり、じっくりその人を観察したり、失礼にならない程度につっこんだ質問をしたりして、自分の感覚と相手の本音をすり合わせながら、関わる人々の裏側の背景に意識を向けてきたつもりではある。

そういった取り組みの中で感じたことは、大きく以下の3点。

① 人に動いてもらうには、ロジックとパッションのどちらも重要だということ。
② ロジックだけで動ける人は実はごく少数なのだということ。
③ TPOによって、同じ相手でもロジックの割合とパッションの割合を変えた方が効果的であること。

上記の①・②・③はどれが欠けてもだめで、すべてを網羅的に意識しておかないといけない。

そしてパッションもスキルであるととらえるようになった。

ロジックもパッションもスキルであるとするなら、身につけたほうがいいし、実際に身につく。私もまだまだ道半ばではあるけどだいぶパッションスキルがついてきたような気がしている。ここからは私が気をつけたり意識している点を書くので何かの参考にしてもらえればうれしいかな。

だけど、若いうちに身につけておいて欲しいのは、圧倒的にロジック。なんなら30歳くらいまでは戦略的にロジカルモンスターでもいいと思う。
環境にもよるけど、若いということで回りのことを鑑みなくても許してもらえたり、万が一、周りと折り合わなくてもキャリアのやり直しがききやすい。なにより、パッションには経験がいる。

パッションと言ってもやみくもに熱ければいいわけでもなく、相手の温度感を確かめながら少しずつ熱を伝導させていくことも必要。そのためにも自分の放つ熱量を調節する感覚を身につけないとうまくいかない。
これには個人差があるので一概には言えないのだけど、私の場合は、熱量を上げる際は、「身振り手振りを大きくする」であったり、「目をしっかり見てトーンを落として話す」であったり。これは、ぜひ自分でみつけて欲しい。

まずロジックに基づいたストーリーを準備。これで相手の知性や理性に働きかけ、その上で実際に共感を得て、仲間になってもらい行動に移してもらうためにタイミングを見ながら身振り手振りを大きくしたり、目を見てトーンを落とし気味で話すなどして、パッションをうまく使う。そんなイメージ。

パッションに深みを持たせるなら、自身の体験談や知人の体験談なども織り交ぜることでよりパッションに濃淡を出すことができる。

また、ロジックを徹底的に磨いていき、ある程度ロジカルモンスターになってしまうと、ちょっと話を聞いただけで、その話にロジックが通っているか、聞く価値があるか。がわかってくる。
でも、聞く価値がないと判断してしまうと相手に伝わってしまう。そこをどう制御するかが難しくもある。
私は、上でも書いたけど、その人が言っている内容よりも言っている背景を考えることで、話を最後まで聞くようになり、この問題をうまく回避できた。

そして、相手の背景を理解することで、伝える側に立った時に、よりわかりやすい文言やたとえ、適切なロジックの立て方やロジカル度合いなどを調整しつつ伝えることで共感を得て、自身の影響力を高めようとしている。

以上のように、ロジックという比較的普遍的な土台の上に、パッションという自分の風味を乗せることにより、自身の個性を出していくことができる。それにより同じ内容の話でも、違った印象を与えることが可能になり、それは自分の社会に対する価値を提供できるリソースになりうる。
ひょっとしたら、「同じものごとを違った印象で受け手にとらえてもらうこと」そのものが価値になる日も近いのかも知れない。知らんけど。




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