年上彼氏を侮るべからず。②

年上の彼氏とのなれそめのお話。①はこちら→

程よくお酒も回り、お互い敬語なしの会話にも慣れてきた。彼は自分の仕事の話や、趣味の話、共通して好きな映画の話を重ね、私も同じように彼へ話をした。

しっかりと私の話を聞いてくれる。話の腰を折らない。それだけでも嬉しいのに、その上で興味を持ってくれて、質問をしてくれる。私の話す話題を、楽しんで聞いてくれていた。そして、数杯目のジョッキを飲みながら、彼が言った。

「初対面でこんなに自分のこと話したのは初めて。聞き上手だから、何でも話しちゃう」

それはお互い様だと思ったけれど、にっこり微笑む彼が本当にそう思ってくれているのだとわかって、思わず笑みが零れた。この人となら、やっていけると思った。

(……これは余談だけれど、この居酒屋で見ていた個人的あるなし判断は、箸の持ち方と、食べ方だ。握り箸や変な箸の使い方をしていないかどうかと、食べるときはちゃんと口を閉じて食べるか。つまり、クチャラーではないか、で彼はどちらにも当てはまらなかった。とても、綺麗にご飯を食べる人で安心したのを覚えている。)

しばらくして彼が酔っていることに気付いた。それは言動がやけにストレートになってきたからであり、そこでも私は思わず、酔うと思ったことが素直に出てしまう人なのだなあ、と微笑んだ。

つづく。

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