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Bamboo Yarn*サンプル夏靴下

新しい素材糸を入荷しました。
竹の繊維で出来た「Bamboo Yarn」です。
柔らで夏にぴったりな素材だと思います。

【素材情報】
Bamboo Viscose100%
Nm. 4000
100g 400m

光沢が強くとても艶やかです。
シルクに負けてない輝き!
私が以前触ったことのある竹素材の糸は、もうちょっとコシがある感じだったのですが、この糸は綿のような柔らかさでした。
詳しい方でないと竹100%だと手触りだけでは分からないのではないでしょうか。
取り寄せて良かったなと思う糸でした。

さて。
それでは早速この糸を使って、夏に似合いそうな靴下のサンプル編みをしてみようと思います。
しかし、どんな靴下にしようか?とカセを触ってましたら、今までのソックヤーンとの違いを感じました。
星の糸などのような変わり染めをするにはちょっと向かなそうなのです。
植物繊維にはウールのような伸びや絡みがないので、糸に負担を掛けると糸割れをしていくのが分かりました。
変わり染めは、一度編み地にしたり複数回の巻き直しなどで染めを行うのですが、その加工で撚りの崩れが出て糸割れがし易くなりそうなのです。
糸そのものを劣化させては意味がありません。
そういった加工は改めて似合う方法を考え試してみようと思います。
暫くこの糸では、カセの形のまま濃淡やアクセントを楽しむような色にしていこうと思いました。

染め上がり。
染料はそこそこ濃い目にしたつもりでしたが、色づきがウールと違いやんわりとした黄色に仕上がりました。
乾いたときにウールより褪めて色づくのが、綿麻類の植物繊維の特徴です。

さて、編むにあたって針のサイズを決めます。
今回もWPIを使って確認したいと思います。
WPIは1インチに何回糸を巻くことが出来るかで、編み針のサイズを割り出すもの。
詳しい内容については以前に記事を書きましたので、そちらをご参照下さい

WPIは25回巻けましたので合細の範囲です。
2.25mm〜3.25mm (1−2号)が該当なので2.25mm針(0号)で編むことにしました。
ちなみに当店が通年で利用しているBasicソックも同じWPI25です。

針が決まったのでパターンを考えます。
つま先から始めてマチを作る靴下にしようと思います。
前回編んだモヘア引き揃えの靴下が履き口からだったので、今度は逆から。
いろいろ編んでないと忘れそうなのでローテーションです。
夏らしく細かな透かし編みいっぱいにしたいです。
パターン集の「模様編み500(ヴォーグ社)」から目数に合いそうなものを選びました。
今回は自分の足を測って計算したパターンを使います。
本当はスワッチを編んで確かめてから編むべきなのですが、糸サイズがいつも使っているものと同等でしたので、目数段数の計算はすでにしてあったものを利用してしまいました。
いやいや、大事な手順なので省くのは良くないですね。
ぴったりな靴下にするにはちゃんとスワッチ編んで確かめましょう(笑)

つま先はJudy’s Magic Cast On。
ここでビックリ事件発生。
最初はいつもの5本針で編んでたのですが、裏返して反対を編んでいるとズルッと針が抜けて落ちました。
糸がツヤツヤなので滑って金物の針が落ちてしまうのです。
3回くらい落としてから、こりゃあかんと久しぶりなCraSy Trioと交換しました。
この針は中央が金属からコード軸に変わっていて、曲がるように出来ています。
くの字が基本形状なので、これなら目が落ちないで済みました。
マジックループで編まれる方は心配ないと思いますが、5本針の方はお気をつけて下さいね。

透かし編みはこんな模様です。
この状態で足裏はメリヤスですが、カカトから上は全体に模様編みにしようと思います。
さぁ、もうマチを編むところ…と目数を数たら足裏のメリヤス側が1目足りない事に気がつきました。
多分どこかの段の表側、端の透かしなどで間違えたんだと思います。
でも、見つからない!!!
加えてなんだか模様も間違っている気がしてきました。
数目ずつの繰り返しなのですが、交差の順番を間違えて歪んでいる気配が…。
最初は1目足りなくなったところまで探して戻ろうかと思いましたが、完成後に後悔したくないので模様の最初まで解きました。
やり直し、やり直し。
楽しみが伸びたと思って編みましょう。

やり直すにあたり、また模様を間違えそうだなと不安がよぎりました。
そういえば…と、買ってあった数字のビーズを思い出して段数マーカーを作ってみました。
SNSでも皆さん可愛らしく、いろいろなタイプのものを使われていますよね。
私も以前作ってみたことがあったんですが、針から落としてばかりで上手く数える道具として使えてなかったんです。
工夫したらもっと上手に使えるかな?と思い、改めて作ってみました。

ごくごくシンプル。
長くならないようにビーズも最低限です。
針から滑り落ちても安心なように、端にカニカンもつけて編み地に引っ掛けておけるようにました。

段数マーカーのおかげで、最初より綺麗に整って編めてる気がしました。
間違えてないぞ!という安心感がすごくてスムーズに進みます。
じゃらじゃらして編みにくいかなぁと心配していましたが、そうでもないですね。
時々針がリングに刺さったりはしますが、さほど気にせず周回出来ました。

マチありカカトまで終了。
試し履きしてみたら超フィットでした。
冷たさがあり足裏がサラッと気持ちの良い踏み心地です。

レッグ部分はくるぶしの上あたりまでとしました。
ウールと違い伸縮がないので、あまり長く編んでも足首で絞まらず下がってきます。
それはそれで可愛いのですが、今回は普通にショート丈靴下ということで留めたいと思います。
2目ゴム編み留めの引き締め加減にも苦労してやり直しました。
素材が違うと勝手が違うポイントもいろいろですね。
反対の足分も編んで完成です。

どうでしょう。
清楚系夏ソックス、可愛く仕上がったのではないかと思います。
100gのうち約半量の50gを使い編みました。
24センチサイズです。

段数マーカーを作って良かったです。
こうやって張って模様を見て、どこも間違えてないぞーって自信を持てているのが嬉しいです。

初のバンブーソックヤーンで編んだ靴下は、とってもスベスベした履き心地でした。
まさに夏の足元。
竹繊維は吸湿効果が高く、抗菌作用もあるので靴下には最適ですね。
綿でも靴下を編んだことがありますが、放湿が遅いのでさっぱり感は竹の方が早い気がしました。

デメリットとしては植物繊維ならではの伸縮性の無さです。
緩い靴下を編んでしまうと靴の中でズレる、脱げる。
あるあるですが、これが履きたくなくなってしまう理由の代表ですよね。
編む際にはぜひピッタリなサイズになるよう、ご注意していただきたいです。

こちらのバンブーソックスは夏までの間染めて販売いたします。
追加入荷の予定はしていないので、在庫限りです。
靴下のみならずウェアや夏小物まで幅広く楽しめる糸ですので、ぜひお試しいただけたら嬉しいです。

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