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EXメリノDKと毛糸サイズのお話

ソックヤーンなどの中細程度の編み地が好きでして、手染め糸の素材糸もついついそちらへ偏った扱いをしています。
輸入毛糸を使っているのでFingering と呼ばれるサイズです。
靴下にせよ、ウェアにせよ、厚ぼったくならずサラリと身に着けられる編み地で、通年使い勝手が良いからです。
私の住まう鹿児島は、春秋のような中間の気温で過ごす期間が長いので、特にそう思ってしまうのかもしれません。

しかし、この冬は少し太さのある糸で編みたいなと感じました。
例年よりもグッと急激に冷え込んだものですから、やっぱり冬は暖かい糸だよね!と意識がコロッと変わってしまいました。
糸が太くなれば編み地も進みやすいですから、早く着ることが出来る。
年末年始の忙しい時期なんて、太い糸でサクッとウェアを編めたほうがワクワク感も増えるではないか。
そう思ったら、急に太めの糸も増やそうかなという気になってきました。
多様な糸を扱ってしまうと、ストック場所も費用も必要になるので躊躇っていたのですが、沢山持たず一定期間だけと決めて仕入れるなら!と決めました。

注文から数日、糸が到着です。
EXメリノDK
Extra fine Merino100%  19,5ミクロン
Nm. 6/16000
100g 266m
防縮加工がされています。

現在までにウェア向けに…とご紹介してきた「EXメリノ」がありますが、そちらはFingering(中細)4本の糸撚りで出来ている4plyサイズです。
今回仕入れたのは、それと同じ素材で今度は6本の糸撚りで出来た6Plyとなっています。
柔らかくスベスベとした触りで個人的にはチクチクも感じません。
Fingeringを何度も染めていて良い素材だと思いましたので、同素材で選びました。

左Fingering / 右 DK

遠目では同じように見えるのですが、こうして比べれば確かに太いです。
でも、並太よりはちょっと細そう。
洗いと染色をしてからWPIを計ってみようと思います。

WPI(Wraps Per Inch)ツール

WPIとは1インチの間に何回糸を巻くことが出来るかで、糸の太さを調べる基準です。
早見表がついているので、巻いた回数でサイズがすぐ分かります。
海外パターンを編む時に自分の持ち糸とサイズを比べたり、糸紡ぎでも使用するので所有しています。

さて、染色乾燥後にWPIを計ってみると18WPIとなりました。
手持ちの表では日本の「合太」の範囲にあたりました。
長さも範囲内でしたので、4-5号針で編むのが適度なようです。

DKというと並太、合太というとSportじゃない?
という気がしてしまうのですが、国により表記も異なりますしメーカーによってサイズ基準も違います。
DKと書かれているのでDKなんです。

日本と英語での表記の違いは上記のような範囲になると思いますが、ラベルに書かれるこれらのサイズ表記はメーカーの判断で書かれるものなので、あくまでも参考表記です。
編む際には重さとメーター数から毛番手を確かめて合う編み針を選んだり、スワッチでゲージを取る事が重要になります。

番手というのは、1㎏あたりに何mある糸かを表した単位です。
メーカー基準ではなく世界共通で使えます。
ここでは毛糸の換算の毛番手を使い、長さ(m)÷重さ(g)で計算します。
今回のDKでは、266m÷100g=2.66→1/2.66番手。
また、Nmの表記からでも分かります。
6/16000ですので約分して1/2666となりますので、1Kgあたり2666mの糸が6本撚りで出来ているという意味です。

この番手が分かるとどの編み針が適しているか判断できます。
私は一覧を持ち合わせていないのですが、ネット検索で「毛糸 番手 号数」「毛糸 番手 一覧」などと入力するとまとめて下さっているサイトが見つかりますのでそちらをご参考にされてみて下さい。

この糸での次回販売用の染めは終えました。
もうすぐ展示しますので、春色をお楽しみしていただけたら嬉しいです。

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