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Tresoro

今季、当店で販売しているSummer yarnを使って私も夏服を編んでみることにしました。
Linen50% Cotton30% Bamboo viscose20%の混紡で、合細で触りも良くスッキリとした糸です。

こちらの糸を私好みなブルーグレーに染めました。

涼しげで上品な色み。
思った以上に上手く表現できたので嬉しいです。

薄く揺らぐような変化を少し入れました。
どんな編み地になるのか楽しみです。

さぁ、パターン選びをします。
以前から目を止めていたのがIsabell Kraemerさんの夏服。
この方の作品は、どれも普段使いに合うシンプルデザインが多いです。
一つのパターンで半袖、長袖と選べるものが多いので夏用も冬用も糸次第で楽しめます。
ご本人が美しくスレンダーに着こなしている画像を見て、私もこんなふうに着られるかしら!と、ついつい自分の体型を忘れてときめいてしまいます。

今回はこちらのTresoroに決めました。
メリヤス地のラグランT。
模様編みにアレンジしても編めそうですし、何より暑さの中でもさっぱり軽やかに着られそうです。
まずは指定針でスワッチを編みました。

測ったところ目数が合わなかったので、指定針より1号下げて編み直したら丁度良くなりました。
3mm、2.75mm(リブ用)を使って編んでいくことにします。

トップダウンのパターンです。
ショートロウで引き返し編みをして、前後見頃の首周りの差を作っていきます。
こっち行って〜、あっち戻って〜、と次をどうするのか頭で先を考えると混乱してくるのでパターンの指示のままに従い、終わったらチェック印ををつけて編んでいます。
魔法のように首から肩周りが出来上がるのが面白いです。

さてここで、今回は良いものを手に入れましたのでご紹介。
細いシリコンチューブです。

こんな風に針先にはめて休憩時の目のはずれ防止に使ったり、短いコードの針にはそのまま目に通して、編みながら試しに着てみることができます。
SNSで使用されている方の投稿を見かけて、わー、便利ー!と気になっていました。

直径2mmのコードですが、3mmの針で丁度よく通ります。
もう1サイズ下は通りそうですが、2.5mmの針だと厳しくなるかも?
ちなみにAmazonで購入、いろんな色がありましたよ。

両サイドに縫い目のようなラインを入れながら胴回りを編んでいきます。
縫ってないのに、ニットなのにフェイクの縫い目ラインって面白いですよね。
そういえば今まで編んだ作品にも、そうなっていたものがあった気が。
なぜかしら?ここにラインが入ると服としてしっくりくるのかな。

そんなことを考えながら編んでいたら、2、3箇所の飛ばし目や半目しかすくっていなかったところを見つけました。
えええ?メリヤス編みなのに、なんで間違えてるの?
私は編み終えてた部分を広げて確認することが足りないので、結構な確率でこんなミスしてしまうのです。
ホント良くない!悪い癖!

最初は一部だけ解いて直してみたのですが、やっぱり周囲と隙間が出来て違和感が残り、結局は袖下まで解くことにしました。
模様編みだったら、模様に紛れて見逃してしまいそうなことですが、メリヤス地なので目立ちやすいです。
編んでいる時間は数日の事だけれど、この先着る度にこの部分直せばよかった…となるのは気分が悪いです。
やり直しは楽しい編み時間が増えるだけと、呪文を唱えてスルスルスルー。

再度裾まで編み進め、さぁやっとリブを編んでいこうと一目ゴム編みを始めました。
おや?…なぜに一目足りないの?
なんとういことでしょうか。
このメリヤス砂漠を2度もやって来たというのに、脇の作り目を一つ間違えたみたいです。
はぁー…そうですかぁ、そりゃ仕方ないですよねぇ…。
やり直しは楽しい編み時間が増えるだけ(泣)と、またもや呪文を唱えてスルスルスルー。

1週間ほど掛かり、3度目のメリヤス砂漠を超えて裾リブに辿り着きました。
ちゃんと表裏交互で一目ゴム編みに出来たので、なんともいえぬ達成感です。

このリブを編むにあたり、新しく針を買いました。
2.75mmは靴下用の短いコードのものしか持っていなかったのです。
私は金属針はaddiで買い集めているのですが、ある程度揃ってしまっていたので、なかなか新しいものを買う機会がありませんでした。
でも今までの針とは違うタイプのものが出ていてずっと気になっていました。
このnovelという針は、丸い棒状ではなく四角い棒になっており、凹凸がついています。
これが人間工学的に持ちやすく疲れにくいそうです。
これが使ってみたらどストライク!
本当に編みやすくて驚きました。
全部これに変えたいくらいです。

裾を終えたのて袖もリブを作っていきます。
ここでも一目ゴム編み止めで苦戦。
片袖がキツくなり、片袖が緩い感じ。
やっぱり夏糸だからということなんでしょうか、同じように糸を引いて止めていくのが難しくて3度もやり直してしまいました。
なかなか完成に辿りつけない苛立ちも起こります。
でも、ここで気が済むまでやり直しておけば、後はずっと気に入って着ることができる!と自分に言い聞かせ、手を動かしました。
そして、ついに完成。

ニットのラグランTシャツ。
手編みなので目のガタツキが目立ちますが、本当にごくごくシンプルな服です。
凝った編地も素敵なのですが、普段に着て歩くことを考えるとこういうのが好きです。

糸の時は揺らぎのある染め色でしたが、編地ではあまり色の変化を感じ難いです。
写真からもあまり見て取れないと思いますが、凝視しても微かに…という程度でした。
でも、きっと一見では判別は出来ずも、こうした染まりの違いは見た角度や明るさにより、色により深みを与える効果があると思っています。

夏糸はウールのようなふくらみが無いので、編み目の形がそのまま出てしまい、綺麗に整えて編む難しさがあります。
こうしてメリヤス地の作品を編んで、より実感しました。
針の持ち方や角度なのかしら?
今までは完成することが目標で編んできましたが、そこは少しずつ作品を重ねて出来ると言えるようになれてきたと思っています。
今度は綺麗に編むというのも加えて、挑戦していきたいなと思います。

サイズ2
糸使用量 240g

こちらと同素材、色違い糸の在庫がまだまだございます。
宜しければショップのほうも、ぜひご覧下さいませ。

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