【シチュボ台本】従順だと思っていたら、脅威になっていた従者【ヤンデレ】
都合のいい相手として使っていたら、脅威になってしまった。
捨てるに捨てられなくなる、シチュボ。
老若男女、設定自由。一人称や口調など、設定に合わせて変更OK
例)忍、人斬り、従者など。
※()は、聞き手のセリフ想定。
演る時に、脳内で会話をしているふうに思うと、リアリティが出るかと!
あぁ、あるじさま。
おつかれさまでございます。
(機嫌がよさそうだね。楽しそうだ)
楽しそう……ですか?
ふふふ、楽しいですよ。
あるじさまも、明日になればわかります。
(どういうこと?)
おのれが楽しい気持ちになるのは、あるじさまのおんためのみ。
また、うれしくなるのも、あるじさま次第でございます。
(私次第?)
そう……きっと、おのれは明日、とてもうれしくなります。
なぜなら、あるじさまがよろこんでくださるはずだから。
(私が、よろこぶとは?)
お知りになりたいと思われるのも、当然かと。
おのれもまた、
早くあるじさまに首尾をお伝えいたしとうございますので。
ですが、ことが明らかになってから、驚かれるのもよろしいかと。
どちらにしても、あるじさまにとっては吉報でございますので。
後(のち)のお楽しみとするか、先にお知りになり、
首尾の結果を待たれるか、でございます。
(そんなふうに言われたら、知りたくなる)
お知りになりたい、と。
では、お答えいたしましょう。
あるじさまをわずらわせていた、あの者。
今朝、あるじさまが邪魔であると申しておられた、
あの者のことでございます。
あれはもう、二度とあるじさまを困らせることはございません。
(え?)
あるじさまに災いをもたらすものは、おのれがすべて始末する。
このたびも、そのようにさせていただきました。
(始末って……)
ご心配には、及びません。
誰のしわざと知れることも、ございません。
明日の朝になれば、事故として処理されることでございましょう。
青い顔をなされて、いかがいたしましたか。
おのれの首尾を疑われておいでですか。
では、どのようにいたしたのかを簡単にお伝えいたします。
詳しく知ってしまっては、
あるじさまに災いがおこるやもしれませぬので。
調査の際に、
思わず、言わでもの事をおっしゃられるやもしれませぬし。
なぁに、簡単なことでございます。
あの者が階段を上っている時に、ひょいと足を崩しただけのこと。
勝手に落下し、打ち所が悪かった……という具合でございます。
失敗など、いたしません。
きちんと、打ち所が悪くなるようにしておりますから。
不審なものなど見つからない。
あの者は、勝手に足を滑らせて転げ落ち、不幸な結果になっただけ。
あるじさま。
あるじさまは、そ知らぬ顔で、
痛ましい事故だと、ほかの方と話していればいいのです。
あるじさま……およろこびくださいませ。
あの者は、消え失せました。
あるじさまを不快にする者が、いなくなったのです。
さぁ、どうぞ。
ぞんぶんに、ねぎらってくださいませ。
いえ……結果が、問題なく事故として
きちんと処理されてから
おほめにあずかりとうございます。
あるじさまが、お心を痛める必要はございません。
あるじさまは、ただ、あの者が不快とこぼされただけ。
それを聞いたおのれが、勝手にしただけのこと。
邪魔なもののために、あるじさまが手を汚すことも
お心をわずらわせることも、しなくてよいのです。
おのれが、あるじさまのお心を守り
前途の露払いをいたします。
あるじさまは、ただ、
ご不快な相手の名をつぶやかれるだけで、いいのです。
たまたま、あるじさまの邪魔をする者が
事故に遭う。
ただ、それだけでございますよ。
おのれほど、あるじさまのお役に立てる者は
おりますまい。
いいえ、おりませぬと言い切りましょう。
そうでございますよね、あるじさま。
おのれ以上に、あるじさまを想い
あるじさまのために、手を汚し
手段は選ばぬものの、確実に
あるじさまに類が及ばぬように
コトをしてのけられる者はおりませぬ。
さぁ、あるじさま。
今宵は、心安らかに、お眠りください。
明日、あるじさまの道行の邪魔になっていた
小石が永遠(とわ)に取り除かれたことを
お聞きになられる楽しみを胸に、
よい夢をご覧になってくださいませ
そして……ああ、
心が弾んでまいりました。
あるじさまのお役に立てたこと。
あるじさまに、ねぎらいのお言葉をたまわれる明日が
とても楽しみでなりません。
あるじさま、あるじさま。
ああ……おのれのすべては、あるじさまのため。
おのれの道は、あるじさまのみでございます。
ですから、どうか……心おきなく、つぶやかれませ。
あるじさまが邪魔であると感じられた者の名を。
確実に、誰に疑われることもないように
取り除いて差し上げます。
これほど、あるじさまに尽くせる者は、ほかにおりません。
あるじさまの役に立てるのは、おのれのみ。
いいえ……ほかに、あるじさまが利用できる者もおりましょう。
箸でつかめぬものは、匙(さじ)で食すように。
おのれが出ていけぬ場所で、あるじさまを支える者も必要。
しかしながら、あるじさまの心根に寄り添えるのは、おのれのみ。
そうでございましょう?
そうでございますよね。
おのれがいれば、あるじさまは心健やかに過ごせるのです。
おのれがいるから、あるじさまは穏やかな日々を送れるのです。
そのために、おのれは存在をしているのですから。
ねぇ、あるじさま。
ですから、末永くお使いくださいませね。
いいえ……使うと思われると、
お心に、汚れ仕事のシミがついてしまわれますね。
お命じにならず、さりげなくグチをこぼされればよいのです。
あるじさまの心の暗い部分を、おのれに明かしてくれさえすれば、
今宵のように、首尾よく仕上げてごらんにいれます。
あるじさま、あるじさま。
このように、他の誰にもできないことをしてのける、
おのれを不要だなどと、よもや、おっしゃることはございますまい。
これから、命尽きるまで、おのれをお傍にはべらせてくださいませ。
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