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ぶちょう。【音声と文章】

山田ゆり
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※note毎日連続投稿1357日コミット中。1316日目
※音声・文章、どちらでも楽しめます。



おはようございます。
山田ゆりです。



今回は
ぶちょう。
ということをお伝えいたします。




朝から直属の上長は社長室を何度か往復していた。

重要な取引先の誰かがお亡くなりになったのかもしれない。
上長の動きを見て、かなり大事なお取引先の方だと推測される。


弔電の係はこの前まで私だったが今は
同僚のA子さんに担当が変わったので気にしなくてもよいことだったが、
つい、習慣で気になってしまう。


その日の午後一に、全従業員に向けたメールが届いた。


それは訃報だった。
全従業員宛ての訃報のメールは、取引先の方のモノは送らない。
従業員に関係する訃報しか送らないことになっている。

どなたのご家族が亡くなられたのだろう?

文面を読んだ私は驚いた。

お亡くなりになったのは
1年半前に定年退職された、ぶちょうだった。


ぶちょうは山歩きが好きで中肉中背
在職中は特に大病なく過ごされた方だった。


私はその訃報をながめ、胃の下あたりで涙が作られ
それが目に送られて目から涙があふれ出すのを感じた。

身体の真ん中からじわりじわりと涙が溢れ出てくる。



こんな涙は久しぶりだった。

仕事中ではあったが、PCに向かう作業中だったから
誰からも顔を見られることはなく、
自分の気持ちを抑えず、
ただただ、感情にまかせていた。


涙がとまらなかった。



ぶちょうは寡黙に仕事をきっちりされる方だった。
口数が少ないが、やることはやる。


高倉健さんのような雰囲気のぶちょうは
寡黙な方で、とっつきにくいという一面があったが
私はぶちょうを慕っていた。

年齢が近いということもあり
お互い口下手どうしで話が弾むこともあった。
だからぶちょうも私を大事にしてくださり、
私はぶちょうを尊敬していた。



ある日、私が庭の雑草で困っていると話していたら
「それならよく効く除草剤を知っている。
今度、教えてあげるから。」
とおっしゃって

ご自宅にある除草剤の写真を数枚とって
プリントアウトしたものを下さった。


そして、その除草剤はジョウロに入れてもいいが、
できれば噴霧器でやった方がまんべんなくできると言われた。


私の家には噴霧器というものはある。
しかし、それはとても大きくて
後ろに背負う形だった。

試しに持ってみようとしたら重くて持ち上げられなかった。
空の状態でこれだけ重いのだから
それにキジャクした除草剤を入れたら到底背負うことができない。
夫が生前使っていたが身長が150cmない華奢な私には重すぎる。


私はそんなことをぶちょうに話したら、
「じゃぁ、ウチのを貸してあげるから。」とおっしゃって、
定休日前日に噴霧器を持ってきてくださった。
それは片方の肩にかけるもので、容量が少ないものだった。

会社の駐車場で使い方を教えていただき、私はそれを持ち帰った。

休日にそれを使ってみた。

ジョウロでするよりもまんべんなく無駄なく除草剤をまくことができ、
とても満足した。


それをお返しした時
「またいつでも使っていいから」と
ぶちょうはにこにこしながらおっしゃっていた。
ぶちょうの目じりの皺が私は好きだった。



そんなこともあった。



ぶちょうがなぜお亡くなりになったのかはまだ分からない。


分かっているのは
ぶちょうがもうこの世にはいないということ。


人は必ず死ぬ


そんなことは分かっている。
この世に産まれた時から人は死に向かって生きているのだ。


分かっているけれど
やはり身近な方の死は自分へのメッセージのような気がする。


私は余命何年なのだろうか。
私はこれから何をすべきなのだろうか。




やりたいことと
やりたくないことがある。

あなたならどちらを選ぶ?



やりたいことをすればいいような気がする。
そうすれば自己充足感が増し、
自己肯定感が高くなるような気がする。

でも、それだけでいいのだろうか。
それは自己満足なだけであって
居心地の良い場所にずっといては進歩がないのではないか。



では逆はどうだろうか。

やりたくないことをする。

やりたくないことだから気乗りはしない。
気乗りしないことをやるのはつらい。

しかし、やりたくないことはそれがその人を変える大きなチャンスで
それを乗り越えたら次のステップに上がれる。
そういう考え方もある。
そういわれるとそうかもしれない。


でも、やりたくないことをしていて
次の扉になかなかたどり着かず

扉の取っ手に手を掛ける前に
この世とお別れになるかもしれない。


いつまで「いつか」のために今を我慢すればいいのか。




年の近い身近な方の死は
自分は今これでいいのかと問い正される。




ぶちょうのご逝去を謹んでお悔やみ申し上げます。








今回は
ぶちょう。
ということをお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。



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